万葉集より


花の色は昔ながらに見し人の心のみこそうつろひにけれ(元良親王)
 
“桜花の色は昔のままなのに、その花を共に見た人の心は変わってしまったのだね”


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桜花今ぞ盛りと人は言へど我は寂しも君としあらねば(大伴池主)


“桜の花は今が盛りと人は言いますが、私は寂しいです

あなたと一緒でないから”

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去年 (こぞ) の春  逢へりし君に恋ひにてし  桜の花は迎へけらしも

(若宮年魚麿)

“去年の春にお会いしたあなたを恋しく思って桜は今年も花を咲かせて迎えているようですね”


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今日の説法/因縁生起

おはようございます。

桜の季節となりました。新しい季節を感じ心がウキウキする人も多いのではないのでしょうか。


しかしなかには桜の花をもの悲しく感じ、胸が苦しくなる人もいらっしゃいます。


『因縁生起』という言葉があります。


因と縁という原因や条件によって結果が引き起こされるという事を言い表した言葉です。


私たちは自ら経験したことで記憶を形作り、さまざまな感情を生じさせます。


例えば大切な人との別れは季節と一緒に記憶させるので、その季節がめぐってきた時に、悲しみや不条理さを感じるのは自然なことなのです。


ですから桜の花を見たときに感じる気持ちは、あなたの経験に基づくあなただけのもの。

心がウキウキするのも、それもよし、もの悲しく感じるのも、それもよし、と言うことです。


いろいろな感じかたがあっていいのだと思います。


桜の花を見てあなたはどう思いますか?


今日も一日あなたらしい時間をお過ごしください。


I今日の言葉I
『あなたの気持ち・感じ方はあなただけのもの』

I浄土真宗本願寺派
安楽寺 藤澤克己住職の説法でしたI


IつばさI
そうですよね。桜の季節に亡くなった遺族。戦時中、桜の季節に特攻隊で飛び立った、その遺族や特攻隊を見送った人々。

それぞれにとっては桜を見ると、いろいろな感情が浮かんでくるのではないでしょうか。ウキウキしたり、もの悲しくなったり。

自分でも桜はウキウキの反面、家族で花見に行ったり、入院してたとき病室から見た桜を思い少し、もの悲しい感じがします。