ジジイのブログ

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8月4日(ブルームバーグ):著名投資家ジョージ・ソロス氏の投資アドバイザーを務めた経歴を持つ藤巻健史参議院議員は、日本銀行が取るべき金融政策は異次元の量的緩和ではなく、国内に滞留する資金を着実に海外に振り向けることのできるマイナス金利だったとの見解を示した。
藤巻氏は7月30日のインタビューで、「円安にしないことには景気は良くならない」とした上で、「量的緩和をやっても円安は進まず、効果がないのは明白」で、日銀による量的緩和は「大失敗」だと指摘。円安にするためには社会の組みを変える必要があるが、どうしても金融政策に頼るのであれば、デフレが始まった20年前から「マイナス金利を採用すべきだった」と述べた。
欧州中央銀行(ECB)は6月に、デフレ阻止の一環として、主要国の中央銀行として初めてマイナス金利の導入に踏み切った。利率はマイナス0.1%。市中銀行が余剰資金をECBに預け入れた場合、手数料がかかる。藤巻氏は「極めて重要な意思決定だ」と言い、初期の段階では影響が少ないとしながらも、「強力な手段」だとみている。
一方、日銀は2%の物価目標を実現するため、昨年4月に「量的・質的金融緩和」を導入した。2年間で倍増を目指すマネタリーベース は7月末時点で243兆円を超え、昨年4月末時点の155兆円程度から100兆円近く拡大。こうした中で、ドル・円相場は異次元緩和導入前日の1ドル=92-93円台から今年1月2日に105円44銭と5年ぶり水準に達した後は円安の勢いが鈍り、足元では102円台で推移している。
藤巻氏は、日本でも「当座預金にペナルティーをかけてしまえば、海外向け投資や融資を増やせた可能性がある」と説明。ただ、「当座預金残高をむちゃくちゃ大きくする量的緩和と、極力小さくしようとするマイナス金利は真逆の政策」だとして、日銀にはマイナス金利への道が断たれているとの見方を示した。

                                                        「マル外」制度

日銀の資金循環統計によると、家計の金融資産残高 は3月末時点で1630兆円と、年度末ベースでは過去最高に膨らんでいる。現金・預金が865兆円と全体の半分以上を占める。一方、外貨建て資産は40.5兆円と全体の2.5%に過ぎず、このうち外貨預金は5.9兆円で0.4%にとどまっている。
藤巻氏は個人の金融資産を海外に振り向ける手段として、外貨預金による利益を非課税とする「マル外」制度と、銀行預金金利へのマイナス金利の適用を挙げた。マル外制度は「一番簡単で、参院の委員会でも提案した」と言い、「円安こそ日本経済を支えるという認識があるならば、方法はいくらでもある」とも語った。
また、国力を示す名目国内総生産(GDP)に見合ったドル・円相場の適正水準は1ドル=180円から200円程度で、現行水準は円が割高だとし、「リーダーがきちんと明確に円が強過ぎることを宣言すれば、20、30円は円が安くなる」との従来の主張を繰り返した。

                                                           財政破綻

国債・借入金・国庫短期証券を合わせた国の債務残高 は3月末時点で過去最大の1025兆円に拡大。2014年度一般会計予算は約96兆円で、歳入のうち税収で賄われるのは約5割に過ぎない。
藤巻氏は、財政破綻に対する危機感をかなり前から持っていたが、実際に破綻していないのは「日銀がとんでもないことをやっている」からだとし、「日銀が国債を買っていなかったら、国は資金繰り不足で倒産になる」と懸念を強めている。
日銀は量的・質的緩和の下、14年末までにマネタリーベースを270兆円に拡大させる計画。長期国債の保有残高については、年間約50兆円に相当するペースで増加するよう買い入れを行っており、年末には190兆円に増やす方針だ。
藤巻氏は日銀が年末にマネタリーベースの目標を達成した後は、「来年から誰が国債を買ってくれるのかという問題が出てくる」と指摘。「日銀がさらなる量的緩和をせずに国債を買ってくれなくなったら、全てのマーケットはおしまいになる」と述べた。

                                                   日銀緩和に出口なし

その上で、量的緩和の出口に関しては、将来的に金利を上げたいという時に価格が下落する見通しの国債を民間の金融機関は絶対に買わないとし、日銀は「長期国債を買ったら満期までホールドせざるを得ない」と言う。
黒田総裁が出口戦略に関する質問に対して時期尚早と一点張りなのは、「出口がないのだから答えようがない」とし、日銀の緩和策に出口はないとみている。

藤巻氏は1950年生まれ。74年に一橋大学を卒業し、三井信託銀行(現三井住友信託銀行)に入行した。85年にモルガン銀行(現JPモルガン・チェース銀行)に移籍し、95年から2000年まで東京支店長。同年にはジョージ・ソロス氏の投資アドバイザーを務めた。昨年7月の参院選で日本維新の会から比例代表で初当選した。
藤井浩人美濃加茂市長が、市議時代に業者から30万円を受け取った収賄の容疑で逮捕・勾留されている事件について、昨日午前、名古屋地裁で勾留理由開示公判が行われた。裁判官から、勾留理由を開示し、被疑者、弁護人が意見陳述を行う手続きだ。

この事件での警察、検察、裁判所の判断は、多くの面で疑問だらけだが、まさに、その「極め付け」と言うべきなのが、勾留決定をした裁判官が、勾留理由として「逃亡のおそれ」を認めていることだ。

選挙で美濃加茂市民の支持を得て市長に就任し、一貫して潔白を訴えている現職の市長が、市民を見捨てて逃亡すると言うのか?あまりに非常識な、美濃加茂市民に対しても非礼極まりない判断をした裁判官はどういう人物なのか。

法服をまとい、六法全書を手に現れた裁判官は、度の強い眼鏡をかけ、見るからに「ひ弱な秀才タイプ」。それが、今年1月に任官したばかりの森判事補だった。

森裁判官は、被疑者の人定質問の後、勾留理由の説明に入る。

「逃亡のおそれ」については、「被疑者の身上関係に加え、本件の性質等も考慮に加えますと、本件強制捜査を受けて一時その所在を隠すなどして逃亡すると疑うに足りる相当な理由があると認められました。」と述べた。

しかし、その発言は、いかにも自信なさそうで、小声で早口だったので、聞き取りにくく(私は裁判官席に最も近い弁護人席だったので、何とか聞き取れた)、傍聴していた記者の中には、所在を隠す「可能性」ではなく、「藤井市長が本件強制捜査を受けて一時所在を隠していたこと」を、逃亡のおそれがあることの理由として挙げたように誤解した者もいたようだ。実際にそのように報じた地元のテレビ局もある。

藤井市長が、逮捕前に、一時的にせよ所在を隠していたことなどあろうはずがない。それどころか、藤井市長は、逮捕の前日の朝、おびただしい数のマスコミ関係者が自宅周辺を取り巻き、多数の車が違法駐車して近隣住民に迷惑をかけているのを見かねて、自ら美濃加茂警察署に乗り込み、違法駐車の取締りを要請している。やましいことがあって、逃げ隠れをしようと思う人間であれば、警察署に自ら乗り込んでいったりするわけがない。

現職市長に「逃亡のおそれがある」とした、この森裁判官の判断は、明らかに常識外れである。

しかし、まともな法曹関係者にとって理解し難いこのような森裁判官の判断も、任官して僅か半年の新米裁判官であることを考えれば、一概に個人だけを責められないような気もする。

法科大学院や司法研修所で法律や司法実務を学んでいるのだから、地方自治についての憲法の規定などは、十分に理解しているだろう。しかし、それは、首長は住民の直接選挙で選ばれることや、自治体が国から独立して行政を行うことなどを観念的に理解しているに過ぎない。市長が市民から選ばれて市政を担っているというのが、実際どういうことなのか。その市長を勾留し、長期間身柄拘束をすることが、市民や市政にどのような影響を及ぼすのか、というようなことについての現実感がないのだろう。

市長が市民を見捨てて逃亡することなどあり得ないという、あまりに当然のことも理解できず、「独身、29才の被疑者であれば、逃亡のおそれがある」という刑事司法の世界の一般論だけで、勾留の必要性を判断したのではないか。

もちろん、任官して半年と言っても、一人前の裁判官としての職責を与えられ、勾留の決定を行ったのであるから、その責任がある。新聞記事にも実名が掲載され、弁護人の私から「常識外れの勾留理由」と批判されるのも、その職責上は当然である。

しかし、それにしても、昨日の法廷で、現職市長に「逃亡のおそれ」があることの理由に関して、弁護人の私から厳しく問い質され、どうしていいのかわからないという感じだった森裁判官の表情を思い出すと、若く未熟な裁判官を、あのような場に立たせること自体が気の毒な感じがする。そこには、裁判官の業務に関わる制度の問題があるのではないか。

刑事裁判官の判断のうち、証拠による事実認定や法律判断という判決を下すことについては、裁判官としての一定の経験年数が必要とされ、判事補は、5年以上の経験を有する「特例判事補」でなければ、単独で裁判を行うことができないことになっている。また、重罪の裁判については、十分な経験を有する裁判長を含む3人の合議体で裁判が行われる。

その一方で、逮捕状の発布、勾留の決定などには、裁判官としての経験年数は必要とされない。つまり、現在の裁判所では、事実認定、法律適用などの「実体判断」が重視され、逮捕、勾留などの身柄拘束に関する「手続判断」は、著しく軽視されているのである。

しかし、事件によっては、最終的な事実認定や法律判断ばかりでなく、逮捕・勾留という身柄拘束についての判断が、被疑者自身やその家族に重大な影響を与える場合もある。また、今回の事件のように、被疑者の身柄拘束が地方自治体の住民や行政に重大な影響を与える場合もある。

そういう「実体判断」重視、「手続判断」軽視の裁判所のシステムが、今回の事件での現職市長に対して、「逃亡のおそれがある」などという非常識な勾留理由の判断が行われた根本的な原因であるように思える。

(2014年7月5日「郷原信郎が斬る」より転載
総務省が27日に発表した5月の家計調査で、ちょっとびっくりするような数字が出た。

マスコミ報道では、「1世帯当たりの消費支出(2人以上世帯)は27万1411円で、物価変動を除いた実質で前年同月比8.0%減った。減少幅は4月の4.6%から拡大した」「家計調査の実質消費は、東日本大震災があった2011年3月(8.2%減)以来の落ち込みだった」と書かれている。

ちょっと長めのデータを見てみよう。それには、家計調査にある「消費水準指数」がいい。これは、1世帯当たりの実質消費と似ているが、消費支出から世帯規模(人員)、1か月の日数及び物価水準の変動の影響を取り除いて計算した指数で、家計消費の面から世帯の生活水準をより的確に把握することができるものだ。

5月の消費水準指数の対前年同月比は▲7.8%と、たしかに東日本大震災があった2011年3月の▲8.1%以来の落ち込みなのだが、下図からわかるように、最近33年間における最悪が2011年3月なので、なんと2番目に悪い数字なのだ。


駆け込み需要の反動減が出るのはわかっていたので、4月の▲4.5%には驚かなかった。しかし、5月が4月よりこれほど悪くなるとは、驚いたわけだ。

まあ、3月が7.4%と過去33年間で最も高かったから、その反動減で悪くなったと説明できればいいのだが、以下に述べるように、そうは問屋が卸さない。

過去2回と比べても異常に大きい下振れ

思い返すと1年ほど前、消費税を増税しても景気は大丈夫という人が多かった。

筆者は、金融政策の大転換で、景気は良くなるものの、消費税増税の影響は、景気が本格的に回復する前なので、楽観は危険だと言い続けてきた。2013年8月12日付け本コラム(→こちら)では、財政政策なしの前提で、2014年度はマイナス成長もあり得ると言った。

さすがに、財務省が予算を大盤振る舞いしたので、マイナス成長になる公算は低くなったが、それでも1%にもならない可能性が高いだろう
【ブリュッセル坂井隆之】欧州中央銀行(ECB)は5日開いた定例理事会で、政策金利である市場調節金利を0.1ポイント引き下げ過去最低の0.15%にするとともに、ECBが域内の銀行から預かるお金(中銀預金)に付ける金利を現行のゼロから0.1%のマイナスにすることを決めた。利下げは昨年11月以来、7カ月ぶり。経済活動の停滞で消費者物価上昇率(インフレ率)が低迷する中、異例の緩和策で景気テコ入れを図る。

 ECBは昨年11月の利下げ以降、「物価は目標値に向けて緩やかに上昇する」として、金融政策の現状維持を続けていたが、「低インフレが、銀行の融資や企業の投資の意欲を損なう恐れがある」(ドラギ総裁)として追加緩和に踏み切った。

 マイナス金利は6月11日から導入する。これにより、中銀預金をすると銀行は、ECBに手数料を支払うことになる。ECBは、中銀の口座にあるお金が、企業への貸し出しに回る効果を期待している。マイナス金利は、スウェーデンが2009年、デンマークが12年に導入したが、日米欧の主要中銀では初めて。

 今月3日発表されたユーロ圏の5月インフレ率は、前年同月比0・5%と8カ月連続で1%を割り込み、ECBが目標とする2%弱の水準を大きく下回った。ユーロ圏の14年の成長率は、3年ぶりにプラスに転じる見通しだが、ギリシャやスペインで失業率が依然25%を超えるなど、まだら模様の回復状況が続いている。外国為替市場のユーロ相場が対ドルで高止まりしていることも、加盟国首脳や理事会メンバーからの追加緩和を求める声を強めていた。
「政府事故調の『吉田調書』入手」「高濃度の放射性物質放出」「大量被曝の恐れ」――。朝日新聞の連日の“スクープ報道”に安倍官邸が激怒しているという。

 朝日は、福島第1原発の所長だった故・吉田昌郎氏が、政府の事故調査・検証委員会に語った「調査報告書」(吉田調書)を入手。事故直後に所員の9割にあたる約650人が吉田所長の待機命令を無視して“逃亡”したことや、住民が大量被曝(ひばく)するベントの準備を密かに進めていた事実を報道。あらためて東電の隠蔽体質を浮き彫りにした。

 この報道に安倍官邸がカンカンなのだ。「官邸ではいま、『一体誰が朝日の記者に吉田調書を流したのか』と“犯人捜し”が始まっています。菅官房長官は『(調書は絶対に)公開しない』と憤然としている。とくに安倍周辺は、原発は過酷事故が起きれば、電力会社さえもコントロール不能に陥る――という解説部分が気に入らないらしい。原発再稼働に突き進む安倍政権にとって、少しでも反原発につながる動きは許せないのでしょう」(官邸事情通)

 原発はとても人間の手に負えるシロモノじゃない。「吉田調書」の生々しい証言はそれを物語っている。未曽有の大惨事にならなかったのは、たまたま「偶然」が重なっただけだ。

 だからこそ、福井地裁は21日、関電大飯原発3、4号機の運転差し止め判決を出したのだが、それでも菅官房長官は「(再稼働の方針は)変わらない」と突っぱねている。

■「機密保護法」施行後なら逮捕

 それにしても、つくづく思うのは、もし「特定秘密保護法」が施行されていれば、「吉田調書」は確実に“闇”に葬られていたということだ。

「菅官房長官は会見で『(吉田調書は)政府として情報公開制度に対する扱いは不開示としている』と明確に答えている。つまり、『特定秘密に当たる』ということです。年内がメドとされる秘密保護法が施行されていたら、吉田調書を入手した朝日の記者も、渡した役人も逮捕される事態になっていたでしょう」(司法ジャーナリスト)

 元外務省国際情報局長の孫崎享氏はこう言う。「『吉田調書』であらためて分かったのは、福島原発事故の全容がきちんと検証されていないことです。驚くのは原子力規制委員会の田中俊一委員長も調書を『読んでいない』と答えていること。秘密保護法が施行されれば、国民にとって必要な情報はますます隠されることになる。大変、危惧します」

 集団的自衛権を行使できないと国民の生命を守れない、と口にしている安倍首相は、国民が原発の被害に苦しんでも構わないと思っているのか。

日刊ゲンダイ:
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/150411/1
【AFP=時事】国際通貨基金(International Monetary Fund、IMF)は8日、日本の2014年の経済成長率見通しを下方修正し、安倍晋三(Shinzo Abe)首相に対し景気回復を盤石にするために約束した改革を実行するよう忠告した。

日本の経常赤字、過去最大1兆5890億円 GDPも下方修正

 IMFは「世界経済見通し(World Economic Outlook)」の中で、日本の14年の成長率予測を1.7%から1.4%に下方修正。さらに15年には1.0%に鈍化すると予測した。

 IMFはこれまで、安倍政権が推進する、財政支出の拡大と金融緩和による経済政策「アベノミクス(Abenomics)」に好意的だった。だがアベノミクスの「第3の矢」と呼ばれる労働市場の柔軟化と自由貿易協定などを含む改革は、これまでのところ行動よりも話し合いの段階にある。

 安倍首相は財政再建を行いつつ、改革を行い経済成長を実現させることを約束している。IMFは、「アベノミクスの他の2本の矢である2015年以降の財政再建計画と構造改革はインフレターゲットと高い持続的な成長を達成するために不可欠だ」と述べた上で、「依然としてアベノミクスは、強い国内民間需要に転換しなければならない」と指摘した。

■日本には「長期の景気低迷リスク」

 またIMFは増税による景気鈍化見込みに対する補正予算が不十分な可能性があると述べ、「最近承認された景気刺激対策のプラス効果は、消費増税のマイナス効果と、復興支出や過去の刺激策の縮小により相殺される以上の影響を受ける見通し」と忠告した。

 IMFは「長期の景気低迷リスクが存在する主な理由は、急速に高齢化する社会において長期的に持続可能な財政状況に移行するために今後10年ほどで必要な大規模な財政再建にある」と分析している。【翻訳編集】 AFPBB News
金融政策決定会合後の黒田東彦日銀総裁の記者会見は、市場の一部で期待されていた追加金融緩和の可能性を「限りなくゼロ」と考えざるを得ない内容だった。日銀ウオッチャーの間からは「日銀は日本がもう完全雇用状態に入ったと考えているようだ」(斎藤満・東海東京証券チーフエコノミスト)との声も出ている。となると日本でも早晩、量的緩和の段階的縮小(テーパリング)の観測が出てこよう。株式の投資家は新たな事態に備える必要があるかもしれない。記者会見する日銀の黒田総裁自宅の近くのマクドナルドに「アルバイト募集中」の掲示があり、「時給を引き上げました」と付記してあった。その近くのコンビニエンスストアではアルバイトが店番に来るわずかな時間だけ、店長が仮眠を取るような日々が続いているという。大企業の春闘では (基本給の引き上げ)の有無がもっぱらの話題だったが、パートやアルバイト、建設労働者の世界は、かつてないほどの賃上げ圧力にさらされているBNPパリバ証券の河野龍太郎・経済調査本部長は2日に開いたメディア向けセミナーで「来年には日本の失業率が3%を割り、完全雇用状態に入りそうだ」と話していた。完全雇用といっても、多様な事情で失業は発生するので、失業率はゼロにはならない。年代後半のバブル期までは日本の自然失業率2%程度と言われていた。就業形態が多様化した現在の自然失業率が3%になったというのは、十分に納得のいく話。日銀内部ではを自然失業率ととらえているという説もある。2月の日本の完全失業率 季節調整値)は3.6%だから、日銀の目には、ひょっとすると日本はもう完全雇用状態だと映っている。 消費税率の引き上げ分は別として、消費者物価指数(CPI)が上がる主因が円安による原材料価格の上昇ならば、円安が進行しなければ、物価上昇圧力は薄れるはずだ。しかし、賃上げを伴う物価上昇の場合は、相互作用が起きやすく、継続的な物価上昇に発展しやすいと言われる。8日の黒田総裁の記者会見での発言が強気に満ちていたのは、日本が完全雇用状態に入ったのならば、追加緩和をする理由などまったくないという判断が背景にあるように思われる
 エコノミストらは自然失業率という漠然とした用語の代わりに、インフレ非加速的失業率=ノン・アクセラレーティング・インフレーション・レート・オブ・アンエンプロイメント)と表現することがある。この言葉の持つ意味は、もし実際の失業率がNAIRUよりも下がるようならば、物価上昇が加速しかねないという意味だ。理屈上は中央銀行が金融引き締めに動くべきタイミングである。 日銀はまだ2%(生鮮食品を除く総合CPIの前年同月比、消費税率引き上げの影響を除いて計算)のインフレ目標を達成していないから、現在の金融緩和姿勢をすぐに弱めるわけにはいかないだろうが、2%を突破する可能性が見えてくれば、国債の買い入れ額を少しずつ減らしていくテーパリングが視野に入る可能性もある。
 日銀が追加緩和に慎重になるだけでなく、次のアクションがテーパリングだとすると、世界の株高シナリオの大前提が狂う恐れがある。これまでは債券の買い入れ額を減らし始めた米国の代わりに、日銀が大量に国債を買い入れ、市場に巨額の流動性を供給するとの期待もあった。
 もしイエレン米連邦準備理事会議長が3月米連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見で口を滑らせたように、米国が年春にも利上げに踏み切る可能性があるとすれば、それまでにFRBは資産圧縮を始める可能性がある。ところが、日銀はFRBの代わりを務めない。金融緩和に慣れ親しんだ世界の株式相場は、日米同時の「脱・金融緩和」にどう備えるかが課題になりそうだ。
 特に米国は、ニューヨーク・ダウ工業株種平均が「年平均値ベース」で年(4月7日)まで5年連続で上昇中。最近のモメンタム株(値動きに勢いがある銘柄)の乱高下が示す通り、ちょっとした悪材料に敏感になっている。確かに、過去にはグラフに見るように、年の安値から年の高値まで上昇相場が年間、続いたことがある。ほかにも8年連続高や7年連続高などもある。だから、まだ上昇相場の寿命を議論するのは早そうにも見えるが、本当に金融環境の変化を乗り越えられるかどうかは、楽観しないほうがいいかもしれない。
 米国株が試練の時を迎えれば、その派生商品といってもいい日本株にも売り圧力が高まりそう。ただ、日本株には救いがある。個別株の年以降の値動きを見ると、悪材料に敏感に反応して大量の売りが出そうなほど、高値警戒感が強い銘柄が多くはないことだ。
00年以降の高値を付けた銘柄数が最も多いのは、06年1月のことで銘柄を数えていた。この月には東京地検がライブドアに証券取引法(現・金融商品取引法)違反の疑いで強制捜査に入ったが、その直前まで新興株市場の上場株は上昇に次ぐ上昇を続けていた。実はこの銘柄を含め、高値の時期が03年5月から08年9月までだったのは2128銘柄もある。アベノミクス相場が始まった12年12月以降に高値を付けたのは728銘柄にすぎない。
 さらに、4月7日の終値が00年以降の高値と安値の間で、どの程度の水準にあるかを調べると、安値のほうに近い銘柄(戻り水準が50%未満の銘柄)が2495銘柄と全体の70.4%を数える。戻り水準が20%未満の銘柄だけを数えても1142>銘柄と全体の32.2%を占める。アベノミクスによって株式相場はかなり上昇したように感じるが、個別株の多くは安値圏に沈んだままなのだ。 それだけ日本には経営的に魅力がない上場企業が多かったといえば、それまでの話だが、こうした企業のなかには、賃上げを伴うインフレが継続的に起きるような経営環境になると、業績が好転するところもあるかもしれない。日銀が脱・金融緩和に動く時期が早まることによるマイナスと脱却によるプラスとを比べて、後者が優位ならば、安値圏に放置された銘柄に見直し買いが入る公算が大きい。
 ところで、4月はどんな銘柄が狙い目なのだろうか。グラフは毎年1回リバランス(銘柄入れ替え)をすると仮定し、投資を始めた月ごとのこれまでの投資成果を示している。例えば配当利回りが3%台の銘柄に等金額投資をして1年間保有し、年4月末、02年4月末と13年4月末まで毎年4月末が来るたびに売却して再び配当>利回りが3%台の銘柄を選び直し、等金額投資をするという作業を繰り返したとすると、当初の元本が14年4月7日現在、配当収入を除いて倍になったことがわかる 同じ内容の投資だが、スタート月やリバランス月を4月以外の月にすると、直近までのリターンは10月末スタートの場合で2.43倍と4月に次ぐ成果を残している。日本で多い3月期決算会社の場合、3月末に期末配当、9月末に4~9月期配当を受け取る権利が確定するので、4月や10月は次の配当権利確定まで何カ月もあり、配当利回りが株価材料になりにくい。こんな月にこそ、逆張りの発想で配当利回りが比較的高い銘柄に投資すると、結果的に高いリターンが得られるのだ。いずれにしても長期投資家の出番は株式相場が下落したときである。
東京証券取引所が20日発表した3月第2週(10~14日)の投資部門別株式売買動向(東京・名古屋2市場、1部、2部と新興企業向け市場合計)によると、海外投資家(外国人)の売越額は9752億円だった。売越額は1987年10月第3週(19~24日)の1兆1220億円以来、約26年ぶりの大きさで歴代2番目。87年10月19日は世界的な株の大暴落が起こったブラックマンデー。米ダウ工業株30種平均は前週末比507ドル(23%)安となり、翌20日に日経平均は3836円(15%)下落した。

 今年3月2週の日経平均は946円(6%)安と東日本大震災直後以来の下げ幅を記録した。ウクライナ情勢や中国景気への懸念の高まりに加え、11日に日銀の黒田総裁が金融政策決定会合後の記者会見で追加金融緩和について「現時点では必要ない」と述べ、市場の一部であった追加金融緩和期待が後退。海外投資家の売りが膨らんだ。〔日経QUICKニュース(NQN)〕

バフェット氏の助言 「勝者を当てない」投資術日本経済新聞 電子版  米著名投資家で「オマハの賢人」と呼ばれるウォーレン・バフェット氏。経営するバークシャー・ハザウェイの株主に年に一回手紙を送る。3月初旬に同社のホームページで開示された最新の手紙では「普通の人は勝者(上がる株)を当てなくてもいい」と助言した。「銘柄選びのカリスマ」の意外な言葉は、少額投資非課税制度(NISA)などを機に投資を始めようとする投資初心者への重要な示唆だ。



 今年の手紙は彼自身の過去の2つの小さな投資の話から始まる。1986年の米中西部の農地と、93年のニューヨーク大学近くの小売店舗用不動産だ。 農地はその年によって好不調はあるものの、トウモロコシや大豆のリターンが投資額に対して年に10%以上見込めると計算。実際にその通りになった。小売り用不動産もテナントの入れ替えで収益が大幅に上向くと予測、現在では投資額に対し年に35%を超える利益を生み出している。 バフェット氏はこの2つの投資を例に、検討対象の資産がどれほどの利益を生むか考え、自分に見積もりができなければその件は忘れるべきだと助言。一方で買った農地や小売り用不動産の評価額が日々どのように変動するのかなどまったく気にしなかったという。2008年からの金融危機の際も同じだった。 「自分が長期的には明るい見通しの堅実な事業を丸ごと持っている場合に、安値で放り出すのは愚かなことです」 自分たちが株式に投資する際に重視するのも将来利益の見積もりだとした。5年間またはそれ以上先の利益をだいたい見積もれるか考え、それができた場合、見積もった下限の額から見て妥当な株価がついているときにだけ株を買う。 しかし「自分たちのテリトリー」でなかったり、利益を見積もる能力がなかったりする場合は他の案件に移る。だいたいは後者だ。 ここまでは「自分たちが事業の予測ができるものだけを割安に買い、長期で持つ」というバフェット流投資の本質を示した言葉だ。ただし手紙はこう続く。 「ほとんどの投資家は、事業の見通しが立てられるようになる勉強を人生の優先事項にはしないでしょう。もし賢明であれば、特定の事業の将来利益を予測できる知識を持っていないことがわかるでしょう」つまりみんながバフェット氏になれるわけではないということだ。 それでも失望する必要はないという。 「一般的な投資家がそのようなスキルを持つ必要はありません。米国のビジネスは時代を超えて素晴らしい成果を上げてきたし、今後もそうでしょう。プロでない人々が目指すべきなのは、勝者を当てることではありません。自分だけではなく、助力者にもできません。代わりに幅広い領域にわたる企業を買えば、必ずうまくいきます。S&P500種株価指数に連動する低コストのインデックスファンド(指数連動型投信)を使えば目標を達成できます」 買うタイミングも当てようとするな、と説く。「初心者や臆病な人は相場が極端に過熱したときに相場に参加し、評価損が出れば幻滅してしまいがちです。この間違いを防ぐには、長い時間をかけて株式を買い続けていくことです。そして悪いニュースが出て株価が高値から下げても、決して売らないことです」。 つまり、いつ買えばいいか当てなくてもいいとし、買うタイミングを分散することを勧めている。例えば同じ金額で毎月買い続けていくドルコスト平均法などだろう。 次に頻繁な売買がマイナスであることを述べたうえで、投資をアドバイスする人たちに言及する。「アドバイスや取引を担当することで稼ぐ人は、相手が個人か機関投資家かを問わず常にアクティブに動くことを勧めてきます。それにより生じる費用は巨額で、投資家全体としては利益を捧げてしまう結果になります。彼らのおしゃべりにとらわれず、コストをかけずに農地に投資するように株式に投資しましょう」 こうした助言についてのバフェット氏の「本気度」は自分の妻への遺産相続についての方針でもわかる。妻への相続のための信託で「現金の10%を政府短期債で、残り90%はS&P500のインデックスファンドで運用するよう指示しました(超低コスト投信で知られるバンガード社の投信を勧めます)。こうした方針をとることにより、高額な手数料をとる運用者を抱えている他の投資家よりも、長期では優れた結果を残せると確信します」 バフェット氏が「普通の人はインデックス投資を」と勧めるのは初めてではなく、過去にも「株主への手紙」の中で言及しているが、今回のように詳しく書くのは珍しい。 




 


「銘柄選びのカリスマ」が「普通の人」には高度な銘柄選びやタイミング選びを勧めていないこと、それでも長期・分散・低コストを徹底すれば十分な成果が得られるとしていることは、特にこれから投資を始める人への重要なアドバイスだ。では日本の投資家はどうすればいいのか。残念ながら日本株は今や世界の株式の時価総額の中で1割未満だ。世界の中では「一つの個別株」にすぎず、S&P500と違って日本株だけの投資では十分な分散は図れない。収益率も米国株に大きく劣る。 幸い、今や低コストで世界全体の株や債券に投資できる投信が続々と登場しているグラフのように、例えば国内外の株と債券に4分の1ずつ、毎月等金額で投資した場合、バブルが崩壊した90年以降でも資産は累計投資額の1.8倍になっている。もちろんリスクがとれるなら、債券を入れず世界全体の株価指数に連動するインデックス投信も選択肢だ。 バフェット氏は個別銘柄の分析や投資を否定しているわけではもちろんない。ただしあくまで、普通の人の場合は資産の中心部分(コア)は低コストで幅広く分散した運用で、安定的に増やすことの大切さを伝えている。 個別株などを対象に「勝者を当てる」投資でより高いリターンを目指したい場合は、資金の一部(サテライト)を使って挑戦する選択もある。年金などが使うコア・サテライト戦略だ。しかし多くの個人には「何がいつ上がるかを当てることだけが投資」というイメージが強い。その結果「投資は難しい」「当て続けるのは無理」などと感じ、投資から去っていく。「普通の人は勝者を当てなくていい」というバフェット氏の言葉をかみしめたい。 もちろん市場参加者の大半がインデックス運用になれば、よい会社に資金を流し込むという市場の機能が失われる。銘柄選びをするアクティブ投資家の役割はもちろん重要だ。ただしその責任を個人に負わすのは酷。豊富な人材と情報とスキルを持つ機関投資家こそが、そうした企業選別の責務を負うことが求められる。

先日、この春に新社会人になる学生向けに「お金のワンポイントアドバイス」をしました。少額でいいから毎月貯金しようねといった基本の話のほかに、今回は「クレジットカードや携帯電話料金の支払いは絶対に延滞しないように」というアドバイスを付け加えました。

 たとえば、新たにクレジットカードを作ろうと申し込んだとき、返済が滞っている情報があると、審査に落ちてしまう可能性があります。こうしたローンやクレジットカードなどの利用実績のことを「個人信用情報」と言います。返済実績だけでなく、クレジットカードを利用できる金額の枠などの情報も含まれます。

 そもそも、延滞したことをどうやって銀行やクレジットカード会社が知ることになるのか気になりますね。信用情報を登録する「信用情報機関」というものが複数あり、そこでデータベース化されています。金融機関はローンやカードの申し込みがあったとき、データベースに照会し、その人の信用情報をチェックします。

 クレジットカードやローンの引き落としが3カ月以上滞ると“事故情報”が登録され、いわゆる「ブラックリスト」化し、住宅ローンやカードの申込審査はまず通りません。実際には「ブラックリスト」という“リスト”が存在するわけではありませんが、3カ月以上の延滞がある人は各機関が相互にチェックできるシステムになっていることから、このように言われています。こうした事故情報は信用情報機関で5年間保持されることも知っておきましょう。


■うっかり延滞もNG


 携帯電話料金の支払いにも注意を払わなくてはいけません。最近は、携帯電話本体の料金を毎月の料金に上乗せするプランが主流ですね。実はこれ、本体料金の「分割払い」契約で、カードやローンと同様に支払いを延滞すると「信用情報に傷が付く」ことになりかねないのです。

 学生時代に借りた奨学金の返済にも気をつけて。日本学生支援機構は数年前から、3カ月以上延滞すると信用情報機関に登録をするとしています。引っ越しをして返済口座を変更し、手続きするのを忘れていたら、しばらく引き落としされていなかった……などということは絶対に避けましょう。

 自分の信用情報に傷がついていいことなんてありません。信用情報は誰が守ってくれるものでもなく、自ら守るものとしっかり覚えておいて。すべきことは3つ。1つ目は、絶対に返済を延滞しないこと。残高不足の「うっかり延滞」も、お金がなくて「払えなくて延滞」も信用情報上は同じようにただの「延滞」記録となりますからね。

 2つ目は、クレジットカードをたくさん作らないこと。カードを複数枚持っていると、その分「利用枠」が多くなり、銀行によっては住宅ローンなどの申し込みの際に借り入れ可能額からカードの利用枠の金額を差し引く場合があります。年会費がかかるのものもあるので、思い切って2枚程度に絞ることを検討して。

 3つ目は「キャッシング枠」を外すこと。クレジットカードには「ショッピング枠」と「キャッシング枠」があり、それぞれ限度額が設定されています。銀行が住宅ローンの審査で重視するのは「ショッピング枠」よりも「キャッシング枠」です。実際に借りているかどうかは関係なく、持っているカードのキャッシング利用限度額の合計が多いと「将来お金を借りるリスクがある人」とみなすようです。このことを知った私はセキュリティー面も考え、キャッシング利用枠をゼロにしました。カード会社に電話すればすぐにできるのでぜひ実行しましょう。