(2021/04/30 記)
ようやく2021/04/30(金)、ずっと苦吟して来た今回作の音楽的な作業が終わりました。
2月初めに創作に軸足を戻して、次の記事を書いたあたりから、作業着手していた
ので、おおよそ足掛け2か月くらいの作業でした。
現在、D16 の16トラック中、10トラックを埋めた継ぎ接ぎの断片を2トラックステレオ
として纏め終わった段階です。
後はD16 内でWAV形式化したデータを外付けSCSI のMOデッキ経由で、
一旦、Windows XP 機に持って行き、そこから、SDカード経由で、常用のWindows 10
機に落とし込みます。
(SCSIとUSBを変換するケーブルのドライバーがWindows XP までしか有効でない
ので、Windows XP 機を経由します。)
BIG UP! への登録はWAV のまま行いますが、MP3はローカル再生用に使います。
毎々の通り、間が悪く(職務生活の合間に集中して創作作業をするため不可避
ではありますが)、2021/04/29(木)から2021/05/05(水) までBIG UP!が休業中
なので、その後の登録と順次審査があるため、公開は早くて5月末頃でしょう。
今回はメインラック側のMOXF6、SY99、KARMA をJS-5 によるリズム隊に
対する上ものとして使い、隣接するサブラック側のMINIBRUTE2、minilogue xd、
MicroFreek の出番はありませんでした。トライはしてみたものの、前作
「旅路の果てに」のようには、音響的に馴染みませんでした。

当初は、MOXF6 内蔵音色をアサインしてデータの打ち込みを進めて行き
ましたが、最終的にはMOXF6 の音色は全部不採用となりました。
メロトロンフルート、混声合唱の音響はKARMA、「Eclipse」などでも使っている
大人数総奏での音圧のある弦楽音色は、SY77から苦労して音色移管した
SY99 で置き換えました。
以前から薄々感じてはいましたが、それほどまでにMOXF6 の音色は貧相だった
のだ、と今回痛感せざるを得ませんでした。
メモリ単価が安くなって、膨大な情報量を内蔵出来るようになった時代の
MOXF6 が、より少ないメモリの使い回しで工夫が必要だった時代のKARMA や
SY99 に全く及びもしない、というのは、不可解にも思えますが、当時のプロ用
機器と安価になった現代の中堅楽器の差なのでしょうか。
シーケンサーとしてはSY77以来の慣れた操作性と、標準MIDI形式での記録と
編集を変換なしで扱えるMOXF6 は便利ですが、楽器としての魅力や迫力は
KARMA やSY99 には全く勝てない印象です。
結果、パートと部分によって、MOXF6からKARMAやSY77、JS-5 へのMIDI
ケーブルの引き回し変更を繰り返し、そのMOXF6 はD16 をMIDI クロックマスター
として別のMIDI ケーブルで制御する、雑多な作業空間から最終的に仕上がった
音響が出て来るとは、作業をした当人にさえ大きな乖離感があります。
JS-5 をMOXF6 からの手打ちでリアルタイム録音した部分もありましたので、
その間は別の結線も必要でした。
米国西海岸流アナログシンセ実験音楽ならさもありなんの作業風景が、今回作
のような「非抽象音楽」的な作品にも不可避であるのが、アナログシンセパッチング
の大規模版のようで、途中から面白くなって来ました。
一方、狭い自室の片隅で、JS-5へのコード打ち込みや、それを流しながら、膨大な
種類のリズムパターンの選別をするには、集中が切れがちで、今回、独立して不在に
なった息子の部屋に、関東幽閉時代に関東-自宅連携用に2台めを買ったJS-5 を置き、
成果を自室のJS-5 にスマートメディア経由で持ってくる作業を繰り返しましたが、
これを始めて作業が加速しました。
関東-自宅分散まで極端なものは金輪際御免ではあるものの、環境を変えて
気分を新鮮にすることは、一人切りの集中作業では特に重要だと感じました。
コード分析もその環境で行いたかったものの、QY70 は単独ではキー入力→コード
判定は出来ないようで、外付けのMIDIキーボードからの入力でのみ判定をする
仕様のようです。
(QY20では可能だったと思いますが、QY70でも可能だと記述した過去記事には
誤解がありました。)
そのため、従来通り、SY99 とMIDI 接続して一気にコード判定しました。
始めれば20分ほどで済む作業を、ずっとQY70単体でコード判定が出来ないとか、
出来ないなら、スマホアプリでやるか、とか、つまらない足踏みをしたものです。

掃いて捨てるほどあるあるの「バンドやろうぜ」おじさんバンドだと、ここは
コード譜がある楽譜を買って来て入力すれば簡単に完了の工程ですね。
実は2台めに入手した中古のJS-5 には元のオーナー氏が使っていた状態が
残っていました。「GEORGIA ON MY MIND」とか既成曲のコードとスタイルを
打ち込んだままの状態が残っていて、それらを初期化する前に一旦聞きながら、
やはり「楽譜を買って来て人の曲をデータ打ち込みして、何が楽しいのだろう?」と
いうところ、私には理解が出来ませんでした。
まあそれが楽しくなくて手放されたのかもしれませんが。
自身の内側にオリジナルの楽想があって、それを形にするために気が進まず
とも半ば義務感にかられて行うのが、創作作業であって、それが皆無の人が
なぜそんな苦行をしたがるのか、というのが私の正直な思うところです。
今回作は新しく着想した楽曲ではなく、自身の軽音楽創作黎明期である1980 年代
初期に歌ものとして作った版のある楽曲で、結局、載せたかった歌詞が旋律に
収まらなかったものと、その後、別時代、やはり1980 年代終盤ごろに着想した
短い繰り返し素材が、どうやら1つの楽曲として馴染みそうだと最近気づいたので、
形にしてみようか、と思い立ったものでした。
A-B-A-B の形式の最後に若干の尾ひれがついた前者と、別の素材がその
「若干の尾ひれ」の直前にしっくりはまり込むことに気づいたのでした。
歌ものだと感じられない冗長感が、インスト化することで目立つかなと感じたので、
2回目のBはカットして、2回目のAを別の素材Cへのブリッジとしました。
自身にとっては40年間、頭にあったもので新鮮味もないと思っていましたが、
作業が進むにつれ、特にMOXF6 での貧相な音響をKARMA やSY99 に置き
換えた頃から、ようやく気分が上がって来ました。
これまでも頭で鳴っては居ましたが、一旦録音化したものを耳経由で客観的に
臨むのは、また大きく違った充足感がある、と創作作業において、今回初めて
感じました。
まあ、まだデータ変換や登録を進めないといけませんが、久々に肩の荷が下り、
他作業では絶対に得られない充足感と重圧のある義務感からの解放気分を
得ました。
ご覧いただきありがとうございました。