股関節が硬い 徹底究明!中村考宏の超スムーズ股関節回転講座 -9ページ目

股関節が硬い 徹底究明!中村考宏の超スムーズ股関節回転講座

股関節の可動域を広げるために、深部感覚や運動軸の視点から動作を分析し、滑らかに動ける身体づくりを探求するブログです。

満員御礼。 4月の構造動作トレーニング東京教室、今回もたくさんのご参加ありがとうございました。

「ストレッチしても変わらない…」 「整体に通っても良くならない…」 そんな悩みを抱えた方が、今月も東京教室に集まってくださいました。

 

 

今回の参加理由は本当に多様でした。

  • 腰痛でストレッチを続けてきたが改善しない

  • 股関節が硬く、柔らかくしたい

  • アキレス腱断裂後から顔の左右差が強くなり、非対称を整えたい

  • 以前は開脚できていたのに、久しぶりにやったら全く開かない  整体で股関節をほぐしているが変化が出ない

  • 筋トレをしているが、身体が硬くなり動きがぎこちない

  • サーフィンで身体のコントロールが効かなくなってきた

  • ゴルフ後に坐骨神経痛が悪化する

  • 野球で股関節のキレを出したい

など、本当にさまざま。

しかし、これらに共通しているのは 「これまでのアプローチを見直す必要がある」ということ。

多くの方が、

  • 痛い → ほぐす

  • 硬い → のばす

  • ゆるめる

という一般的な考え方を続けています。

けれど、身体はそんな単純な仕組みではありません。 必要なのは “自分の状態に合ったアプローチ” であり、 そこを外すと改善しないどころか、逆効果になることも多い。

 

 

■ 構造動作トレーニングで大切にしていること

構造動作トレーニングでは、以下の項目を“最低限のベース”として扱います。

骨格位置 骨は体を支える構造物。力学的に最も強度を発揮する位置を身につける。

関節の運動方向 関節は軸を中心に動く仕組み。各関節が連動する方向性を理解する。

筋肉の作用 筋の生理作用(関節運動・体温発生・筋ポンプ)が正しく働く状態をつくる。

深部感覚(固有感覚) 無意識の身体調整システム。動きを調節する感覚の流れを深める。

神経促通 末梢神経が筋肉を支配する。神経の流れを確保し、指令が通る身体にする。

重心移動 中間重心を身につけ、体軸を保持しながら股関節を円滑に動かす。

これらを土台にして、 正しい身体の使い方を再構築するのが構造動作トレーニングです。

 

 

■ 臨床でも同じことが起きている

えにし治療院に来院される方も、 多くが「痛い→ほぐす」「硬い→のばす」という考えを持っています。

しかし実際の臨床では、 そんな単純なアプローチでは改善しません。

必要なのは、

  • 状態の把握

  • 原因の特定

  • 必要なアプローチの選択

この3つ。

だからこそ、 骨格位置・関節方向・筋肉の作用・深部感覚・神経促通・重心移動 これらの項目をクリアすることが欠かせません。

■ 講座で行っていること

講座で行う内容は、 私が臨床で実際に行っているアプローチをベースに、 「正しい身体の使い方」を身につけるためのトレーニング です。

その場で動きが変わる方が多いのは、 筋力や柔軟性ではなく、 構造・方向性・感覚の流れが整うから。

今回も、 参加者の皆さんの動きが変わる瞬間が何度もありました。

 

 

■ 今注目されている“股割り”について

今は股割りに注目が集まっていますが、 股割りは「股関節をほぐす・のばす・ゆるめる」という単純な開脚ではありません。

上記の項目をクリアしたうえで、 動きの質を高めるためのトレーニング です。

ご参加いただいた皆さま、本当にありがとうございました。

 

 

次回案内案

次回の東京教室は 5月16日・17日。 股割りや開脚の悩みを根本から改善したい方は、 “構造から変えるアプローチ”を体感してください。

 

■4月の股割り教室

 

 

■関連リンク

えにし治療院 パーソナルトレーニング

構造動作トレーニング講座・股割り教室 

■プロフィール

中村考宏(三重県桑名市・えにし治療院)

著書 『骨盤おこしで身体が目覚める』(春秋社) 『趾でカラダが変わる』(日貿出版社)

Webサイト

 

股割りは“柔軟”ではありません。軸と重心を操ることで、身体はまったく別物になります。

多くの人が「股割り=柔軟性」だと思っています。 しかし、実際の股割りはまったく別物です。

股割りとは、軸を通して重心を運び、股関節の屈曲を最大化する技術。 屈曲が最大化されることで、外旋―内旋の“回旋スイッチ”が開き、股関節の自由度が一気に高まります。

重心がブレずに流れると、身体は最小の力で最大のキレを生む。 そして、最大屈曲の瞬間に発動するのが 伸張反射。 これは跳躍力そのものであり、アスリートのパフォーマンスを爆発的に引き上げる源泉です。

つまり、ストレッチで伸張反射を抑えてしまう行為は、 本来の運動能力を自ら封じている と言っても過言ではありません。

◆ 股割りとは何か

股割りは「脚を開く柔軟」ではありません。 軸と重心を操り、骨格を最適化していく身体操作技術です。

 

● 股関節の屈曲を最大化する

股関節は“鼠径部”ではなく、お尻のえくぼの奥にある関節。 この位置を誤解したままでは、股関節は正しく動きません。

屈曲が最大化されると、外旋→内旋の切り替えが自由になり、 股関節は“ロックが外れた高機動状態”になります。

◆ 軸とは何か

軸とはイメージではなく、 骨が力学的に最も強度を発揮する位置にのみ現れる構造です。

身体には大きく3つの軸があります。

  • 下肢軸

  • 脊柱軸

  • 上肢軸

さらに、足関節・膝・股関節・仙腸関節・肩・肘・胸鎖関節・脊椎など、 各関節に軸を通し、洗練させていくことで“体軸”が立ち上がります。

この体軸を 重心で運ぶ。 これこそが股割りの本質であり、動作のキレを生む根源です。

◆ 股割りの絶対条件と実践フェーズ

1. 股関節の位置を正しく理解する

まずは「股関節はどこか」を正しく知ること。 ここを誤ると、どれだけ努力しても股関節は動きません。

2. 骨格位置のセッティング(骨盤・下肢・上肢・脊柱)

股割りは筋肉を伸ばす儀式ではなく、 骨を正しい座標に配置し、構造を組み上げる技術です。

● 骨盤

  • 骨盤中間位(坐骨結節が後方へ向く位置)

  • 左右の恥骨をつける(最重要)

  • 恥骨は手で触って確認

  • 可動域が狭い場合はブロックで高さ調整

坐骨結節が後ろへ向いた瞬間、骨盤は前傾のレールに乗り、 股関節はフリーに動き始めます。

● 下肢

  • つま先を立てて足関節背屈(前脛骨筋)

  • 膝を伸ばす(大腿四頭筋)

  • 足指を握り込む(長母趾屈筋・長趾屈筋)

  • 膝蓋骨は上向きに保持

前側ラインは“圧縮力”、後側ラインは“張力”。 この2つが揃った瞬間、股関節は最大の可動を取り戻します。

● 上肢

  • 鎖骨を前方へ

  • 肩甲骨を骨盤へスライド

  • 前腕回内

  • 肘関節伸展で脊柱を保持

上肢は“脊柱のガイドレール”。 ここが崩れると股関節は動きません。

● 脊柱

  • 生理的S字湾曲を保持

  • 頭を脊柱のてっぺんに乗せる(ヘッドコントロール)

頭が前に落ちた瞬間、股関節は沈黙します。

◆ 重心移動の原則

前方向と上方向の“間”のベクトルを保ったまま、重心を前へ送り続ける。 床へ伏せる前屈はNG。 重心移動が止まり、股関節の訓練になりません。

◆ 前半フェーズ(外旋・外転 → 屈曲)

  • 完全骨盤前傾がゴール

  • 外旋・外転から屈曲へ移行

  • 恥骨 → 下腹 → 臍の順に床へ近づく

  • 股関節は“アイドリング状態”へ

◆ 後半フェーズ(内旋・内転・伸展 → 伸張反射)

  • 重心をさらに前へ送る

  • 股関節が内旋・内転・伸展へギアチェンジ

  • そして訪れる「伸張反射」

外旋が保持され、膝蓋骨が前に倒れていないことが必須条件。 これが崩れた瞬間、伸張反射は発動しません。

◆ 結語

股割りとは、柔軟性ではなく 構造。 努力ではなく 条件。 伸ばすのではなく、 “動ける骨格を組む” 技術です。

あなたの身体は、正しい条件が揃えば必ず変わります。 股割りは、その最短ルートです。

 

 

■関連リンク

えにし治療院 パーソナルトレーニング

構造動作トレーニング講座・股割り教室 

■プロフィール

中村考宏(三重県桑名市・えにし治療院)

著書 『骨盤おこしで身体が目覚める』(春秋社) 『趾でカラダが変わる』(日貿出版社)

Webサイト

バレエを習っている小学生の女の子。 教室では毎回、開脚ストレッチを痛みをこらえて頑張っている。 それでも、なかなか柔らかくならない。

そんな娘さんの姿を見て、 「何とかしてあげたい」と思い、SNSで情報を探し、 えにし治療院に来院される親御さんがとても多くいらっしゃいます。

 

■ バレエで必要なのは“股関節の可動域”

一般的には 「股関節の可動域を広げる=ストレッチ」 と思われています。

しかし、これは実は間違いです。

生理学を学んだ方なら常識ですが、 筋肉の生理作用は次の3つです。

  1. 関節を動かす

  2. 体温をつくる

  3. 筋ポンプ

そして、このすべては 筋肉の収縮 によって起こります。

■ 股関節が使えない原因は「筋肉が働いていない」こと

股関節の可動域が狭い、うまく使えないお子さんの場合、 原因は 筋肉が働いていない(=使えていない)状態 にあります。

この状態の筋肉をストレッチで無理に伸ばしても、 筋肉が使えるようにはなりません。 むしろ、さらに使えなくなるリスク があります。

つまり、 痛みを我慢しながら続ける開脚ストレッチは、 股関節をより使えなくする可能性がある のです。

■ 本当に必要なのは「筋肉が収縮して働く状態づくり」

やるべきことは、 筋肉が収縮し、関節運動に正しく作用する状態をつくること。

筋肉には「伸張反射」という、 伸びたあとに縮む反射の仕組みがあります。 これはダンサーや選手にとって、跳躍力の源になる大切な機能です。

しかし、静的ストレッチはこの伸張反射を抑制します。 成長期のお子さんが痛みを我慢して行う開脚ストレッチは、 股関節の発達にとって逆効果になりかねません。

■ バレリーナは“もともと”可動域がある

舞台で活躍するバレリーナは、 子どもの頃から必要な股関節の可動域が備わっています。 そのうえで、さらに可動域を広げるためにストレッチをしています。

一方、 もともと可動域が狭いお子さんは、まず「股関節の運動」で可動域を広げることが必要 です。 ストレッチではなく、股関節を正しく動かすアプローチが重要です。

■ 「股割り」と「開脚ストレッチ」は別物

よく混同されますが、 股割りと開脚ストレッチはまったくの別物 です。

股関節の構造と動きを理解したうえで、 正しい「股割り」を行うことで、 初めて股関節の可動域は安全に広がっていきます。

 

 

■関連リンク

えにし治療院 パーソナルトレーニング

構造動作トレーニング講座・股割り教室 

■プロフィール

中村考宏(三重県桑名市・えにし治療院)

著書 『骨盤おこしで身体が目覚める』(春秋社) 『趾でカラダが変わる』(日貿出版社)

Webサイト