【80代女性/脳内出血後の右半身まひ・頭頂葉高次機能障害】 息子さんご夫婦と東京教室に参加された方が、今回はえにし治療院にてリハビリを行いました。
脳内出血の影響で右半身にまひが残り、 さらに頭頂葉の高次機能障害により、 「体がどこにあるか分からない」「どう動かせばいいか分からない」 という状態が続いていました。
これは筋力の問題ではなく、 脳から身体への指令が迷子になっている状態 で、 深部感覚(身体位置の認識)が低下していることが背景にあります。
■ 評価:右まひがあるが、問題は“左側”
徒手検査を行うと、右半身のまひは確かにありますが、 実際に 動作を妨げていたのは“左側が使えていないこと” でした。
右に意識が向きがちですが、 左の軸が崩れると身体全体の出力が落ち、 結果として「右が動かないように感じる」状態が強くなります。
■ 施術:運動軸調整で下肢の軸を通す
まず行ったのは 運動軸調整 です。
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下肢の軸を通す
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骨盤と大腿骨の並びを整える
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股関節の位置関係を修正する
これにより、崩れていた左側の安定性が戻り、 身体の中心線が再構築されました。
■ 運動療法:立つ・座る(スクワット)
軸が整った状態で、 立つ・座るの運動療法(スクワット) を実施。
このとき意識したのは、
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股関節
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膝関節
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足関節 の 連動性を高めること。
深部感覚が入りやすくなり、 「身体の位置が分かる」状態が戻ってきました。
■ 施術後の変化:80代で“走りたい”と言った瞬間
施術後、ご本人がふと 「何年ぶりかに走ってみたい」 とおっしゃいました。
私は思わず 「無理しないでくださいね」 と声をかけましたが——
走り出したフォームは驚くほど綺麗で、しかも速い。
(脳と体のつながりが一時的に復元した)
ご本人は笑顔で、 「足がないみたいに体が軽い」 と喜ばれていました。
横で見ていた息子さんは、 80代で、しかも障害が残っているにもかかわらず、 軽快に走る姿に本当に驚かれていました。
■ このケースの本質
“動かない”のではなく、 “動ける条件が整っていなかっただけ”。
軸と深部感覚が戻ると、 年齢に関係なく、身体はここまで変わります。
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■プロフィール
中村考宏(三重県桑名市・えにし治療院)
著書 『骨盤おこしで身体が目覚める』(春秋社) 『趾でカラダが変わる』(日貿出版社)


