2月の構造動作トレーニング・東京教室のこと。今回も10年ぶりに参加された方があった。当時の私の体格は大きかったという印象らしいが、今はずいぶんひき締まったそうだ。私自身は、痩せたとか体が締まった、というような感覚はなく、体の使えなかったところが使えるようになってきた、というような感覚だ。私は股割りをしているので、体がやわらかくみられることが多い。それも私自身は体がやわらかくなった、というような感覚はなく、体はまだ硬いが使えるようになってきた、というような感覚だ。10年分の構造動作トレーニングは確実に体の機能を向上させていると改めて感じることができた。それと、人間の運動について理解が深まっていることが、私の実践研究の成果だと思う。
「自然界に生きるすべての生物は、体内に物質を取り込み、体の構成に必要な物質をつくったり、物質を分解して取り出したエネルギーをつかって環境の変化に対応し、不要になった物質を排泄し、生活を営んでいる。人体の形態や構造は、他の生物体と同様、生物学的な法則によってつくられている」と教科書にあるが、私もそう思う。私はその形態や構造の奥に隠された法則性が知りたい。私は生理学者でも解剖学者でもなく、治療師だ。その私が人体の法則性を知るために取り組んでいること、人間の運動について理解を深めること、これが構造動作トレーニングという実践研究だ。
人間の運動には原理原則がある。人間の運動がいかに複雑であっても、力学や生物学の原理に基づいている。構造動作トレーニングは、とにかく基本的な動作で運動をトレーニングする。立つ、座る、歩く、ゆっくり走るなど。人間の運動が複雑だからこそ、より基本的な動作が必要なのだ。どの動作も容易にできてしまうが、運動の原理原則に従ってできているか、というと、できていないことがほとんどだ。だから、とにかく基本的な動作で運動をトレーニングする。そして、運動の原理原則に従って正しく運動をできるようにしたい。
正しく運動をできるようにするためには、体を頭の先から指先まで隈無く動かせる状態にしたい。メンテナンスが必要だ。これは、体に故障や不具合が生じることなく正常な状態が維持されるようにする。多くの場合、正しく運動をできるようにする前に、体を頭の先から指先まで隈無く動かせる状態にすることが必要だ。というのは、人間は何も考えず生活をしていると、体を正常に維持できなくなりやすい生物なのかもしれない。そうだからこそ、不調に陥りやすい。
メンテナンスは自分でできることとできないことがある。自分でできることは自分で行い、自分でできないことは専門家の力を借りる。構造動作トレーニングは自分でできることを詳細に用意されている。ぜひ、自分に役立ててほしい。
さて、赤ちゃんの動作について。大人になると、赤ちゃんのころにやっていたはずの動作ができなくなる。動作ができなくなるというのは、正しく運動できなくなるという意味だ。赤ちゃんは3ヶ月で首がすわる、5ヶ月で寝返りを打つ、7ヶ月でおすわり、8ヶ月でハイハイ、9ヶ月でつかまり立ち、11ヶ月で伝い歩き、12ヶ月でひとり歩きができるようになる。この動作の中で何ができなくなるのか?
それは、7ヶ月から8ヶ月のおすわりからハイハイの動作だ。具体的には股関節の外旋から内旋の運動ができなくなっていることが多い。これは股割りの動作で開脚から前屈し、股を抜く動作なのだ。ストレッチで開脚をしている人は、足抜きといって、それと似たような動きをおこなうが、股関節の外旋から内旋の運動ができていない。骨盤が後傾している人もできない。この股関節の外旋から内旋の運動をもう一度できるようにすることで、自分でてきるメンテナンスの幅が広がる。とはいえ、骨盤後傾がキツイ人は重心を前に移動させることをできるようにするまでに、苦労する。今回は後ろ重心から、とにかく前に重心を移動する方法をおこなった。
手を使って支える。
足を跨いでいく。
開脚痛みなし!股割りの正しい運動方法


