私は股割りトレーニングを20年取り組んでいます。その間ストレッチと股割りの違いについて多くの質問をいただきました。しかし、その解説をしても、実際に股割りを体現できなければ理解することは難しいと思いました。ストレッチ理論は、1960年代にボブ・アンダーソン氏が提唱した理論で、現代では世界でも広く普及しています。日本でも医療やスポーツ業界の中に深く根付いています。 氏は、ハタヨガをヒントに様々なポーズを考案しました。股割りは開脚ポーズをして筋肉をストレッチするトレーニングではありません。骨格ポジションを正しく配列し、関節運動に筋肉が正しく作用する状態で円滑に重心移動がおこなえるように動作をトレーニングします。
これまでに前後開脚(スピリッツ)についても、多くの質問をいただきました。私は、股割りで骨格、関節、筋肉、重心移動を理解すれば、自ずと前後開脚の仕組みが理解できるはずだと考えています。しかし、一般的にはストレッチ理論が主流なので、筋肉をストレッチして動作に繋がらない前後開脚のポーズをしている人がほとんどです。格闘技の足技、クラシックバレエ、などの動作のために前後開脚をするのであれば、ストレッチはパフォーマンスのマイナスになる恐れがるので注意が必要です。
フィジカルトレーニングのフィジカルとは何をトレーニングするものなのでしょうか?
一般的にフィジカルが強いとは、筋肉が強いことだと思われがちですが、私は、フィジカルが強いとは、骨格、筋肉、関節、感覚を統合し、神経系統の流れが良好な体の状態にあり、総合的な優れた能力のことだと考えています。
スポーツ選手のフィジカルを「特上、上、並」で現してみると、
特上:骨格、筋肉、関節、感覚を統合し、神経系統の流れが良好な体の状態
上:神経系統の流れは悪くないが、骨格、筋肉、関節、感覚に一部分割がある状態
並:骨格、筋肉、関節、感覚が分割し、神経系統の流れが俊敏とはいえない体の状態
私は、これらを踏まえ、総合的な能力が優れていることをフィジカルが強いと、考えています。
フィジカルが強い選手でも、故障することがありますから、フィジカルトレーニングをして「特上」の体の状態を目指すわけです。一方で、故障続きの選手というのは、「並」の体の状態にある傾向にあります。
構造動作トレーニングは、骨格、筋肉、関節、感覚を統合し、神経系統を構築することを目的とするトレーニングです。 ぜひ、フィジカルが強い選手を目指してください!
▲解剖学アトラス 訳=越智淳三