股関節が硬い 徹底究明!中村考宏の超スムーズ股関節回転講座 -43ページ目

股関節が硬い 徹底究明!中村考宏の超スムーズ股関節回転講座

骨盤後傾から骨盤をおこし股関節を超なめらかに。体幹と四肢を連動させ動きの質を追及する。運動とは人の重心が移動することである。運動を成立させるべく構造動作理論(Anatomical Activity)に基づくトレーニング方法と身体観察について綴ります。

スクワットトレーニングはしゃがんで立ち上がるという、いたってシンプルな動作のトレーニングです。シンプルな動作ですが、目的や方法には様々あります。私がスクワットトレーニングをおこなう目的は動作を円滑におこなえるようにするためです。方法は肩幅に立ち、真下に落下、そして、床反力を受け取って自動的に立ち上がる。これをやるために、やるべきことは多く、重心移動の軌道を捉える、骨格配列を正す、関節の運動方向を揃える、関節運動で筋肉が作用するようにする、固有感覚を高める、神経系統を構築する、などです。スクワットはシンプルな動作ですから、緻密により深く動作というものを探れるのだと思います。

 

 

スクワットトレーニングについて、膝を爪先より出すのか、出さないか、膝が内側に入ってしまう、スクワットトレーニングをしていて膝痛や腰痛になった、などの声を聞きます。目的や方法は様々ですから、その声も様々なのだと思います。どのような動作においてもポジションが重要です。そして、どのような重心の軌道を通れば円滑な動作がおこなえるのか、ということを理解していれば、膝と爪先の関係、膝が内側に入る、膝痛や腰痛などの問題は解決できます。

 

ただ難しいのはポジションなのだと思います。ポジションというのは、動作を円滑におこなうことができる姿勢です。私は仕事柄、姿勢の中の骨格配列を常にみています。一見すると綺麗なポジションでスクワット動作ができているようにみえても、骨格変位が隠れていることが多いです。これを見極めるのは、一般の方では難しいと思います。骨格変位があると、体の各部に負担がかかり、膝痛や腰痛などの症状を引き起こす原因になります。膝痛や腰痛の経過が思わしくない場合は骨格変位の確認が大切です。

 

スクワットで膝痛や腰痛になる原因

 

私が東京で宿泊している宿の女将から健康相談を受けました。領収書に書く宛名に、「えにし治療院」と答えたことからそのような展開になったのでした。年齢は80代、手の痺れ、首肩腰足の痛み、体の重だるさ、頭痛、めまい、心臓弁膜症、立ち上がりや歩行が痛みで思うように動けない、食いしばりで入れ歯がすぐに壊れる、などの症状で病院に通院されているそうです。複数の病院で手術をし、その経過、リハビリの状況、薬の副作用など事細かに、女将は朝のチェックアウトの時間から1時間近く話し続けました。

 

最後に、女将は私に、今のリハビリを続けていけば治りますか?と聞きました。それは担当の医師に伺うことなので、私には答えようがありません。このような1時間分の思いを医師に伝えることは難しいことなのでしょうか。ただ立ち上がり動作があまりにも大変そうだったので、痛みのない重心移動の軌道へ誘導してあげました。女将は痛みなくふわっと立ち上がることができたので驚いていました。症状を複数ならべると大変なことのように感じますが、基本的な動作に注目すると日常生活動作を正しくおこなうことで改善されることはたくさんあるのだと思います。私は治療を頼まれたわけではありませんので、それ以上のことはしませんでしたが、普段気を付けた方がよいことを簡単に伝えました。そして、それを実際行うかは本人次第です。

 

私は80代でも軽快に動いて活動している人たちをみていますので、辛い痛みや痺れの症状が、年齢のせいばかりだとは思いません。気持ちが老いてゆくことが、体を弱く老いさせているような気がしています。

 

 

【ギックリ腰】高齢者の腰痛

 

 

体のつながりを感じられないのつづき。

 

写真を撮る時いつも姿勢を直されるので、自分の感覚に自信が持てない。このように自分を認識する感覚、自分を所有するための感覚を固有感覚(深部感覚)といいます。この感覚を失うと、自分の体が自分の体でなくなります。自分の感覚に自信が持てないという場合は、まだ自分の体は自分の体です。ただ、どこかの固有感覚が薄くなってしまっている体の状態です。

 

 

例えば、頭の傾きを直される場合は、顎の骨(下顎骨)の固有感覚が薄くなっていることがあります。顎の骨は顎関節で動きます。正常な顎関節の可動は口を開けたときに指が三本入るといわれています。顎の骨が片側だけ出っ張っている、受け口、しゃくれ、口を大きく開けれない、顎を動かすと音が鳴るなど、顎関節が円滑に動いていないと、顎の骨の固有感覚が薄くなっていきます。顎の骨は頭の骨の下についていますので、顎の骨が傾くと頭も傾きやすいのです。そうすると、自分の真っ直ぐの感覚と実際にずれが生じるのです。この場合は顎関節の円滑な動きを取り戻すことが必要です。

 

このように感覚のずれは体のどの箇所にもおこりえます。カマ足開脚を改善中の方は、鼻、舌先、顎先、剣状突起、臍、恥骨の中心を並べましょう。

 

【顎関節・下顎骨変位】カマ足開脚