「脱力しなさい」 私は、もうその言葉には騙されない | 股関節が硬い 徹底究明!中村考宏の超スムーズ股関節回転講座

股関節が硬い 徹底究明!中村考宏の超スムーズ股関節回転講座

骨盤後傾から骨盤をおこし股関節を超なめらかに。体幹と四肢を連動させ動きの質を追及する。運動とは人の重心が移動することである。運動を成立させるべく構造動作理論(Anatomical Activity)に基づくトレーニング方法と身体観察について綴ります。

9月の構造動作トレーニング・東京教室は、Takahiroラボ、機能回復のための所有感覚メソッド、股割り入門教室、骨盤おこしトレーニングの4講座をおこなった。 
 

所有感覚メソッドの講座では、各部の骨格ポジションを整えて末端の感覚を磨き、全身のつながりを取り戻すことで、回復力を高めていく。

 
 
継続して参加している方からメーッセージが届いた。
「脱力しなさい」 私は、もうその言葉には騙されない。 これを言う人たちの身体は、引き絞られた弓だ。 だから、放すだけで、抜くだけで力を発揮できるのだ。 ベースが違う。 弓を放てる状態になれていない人が、力を抜いたって何もおこらない。 構造動作トレーニングが目指す、動ける身体 まず、ここに辿り着かないと弓は引けない。
とても、よい気づきをされている。
 
 
動ける身体とは、運動と感覚が循環する身体。この運動と感覚が上手く循環しない身体の状態は、必要な個所に力が入らない、あるいは、必要以上に力が入り過ぎてしまう。身体をコントロールすることが難しい状態だといえる。各部の骨格ポジションを整えて、深部感覚(所有感覚)を開き、全身のつながりを取り戻すことが必要だ。
 
 
所有感覚(深部感覚)とは、皮膚と内臓の間で起こる感覚のことで、関節、筋、腱の動きの感覚がその基礎となる。これには四種類あるといわれ、それぞれ位置覚、運動覚、抵抗覚、重量覚という。これは、私たちの「からだの部位の位置」、「からだの運動の状態」、「からだに加わる抵抗」、「からだが受ける重さ」を感じる感覚のこと。
 
 
つまり私たちが重力下で活動する際の、運動の状態を刻一刻と脳が把握するための感覚ということになる。 深部感覚が鈍ると実際の身体の状態と、脳が把握している身体の状態にズレが生じる。後重心が身に付いているひとが、後傾した骨盤をおこして、中間重心にすると、すごく前傾しているように感じる。また姿勢を正しているつもりでも、背骨が大きく側弯していたり、足の指を握っているつもりでも、趾節間関節がほとんど屈曲していない、など様々なズレが生じる。
 
 
深部感覚は意識に上がらない感覚であるから、運動と感覚が循環するため骨格の枠組みを指標にアプローチしていく。
 
 
深部感覚ルーティーンで大切なことは感覚を拾うこと。ペアワークの利点は、相手から重さをかりることができるので、感覚を拾うことに集中できる。自分の身体にとって、良い感覚を積み重ねていくことで、各パーツが実体になり、全身のつながりになる。
 
 
構造動作トレーニングの立位体前屈、スクワット、股割りなどの基本動作は、運動と感覚が循環する流れでおこなえるようにすることが大切だ。