構造動作トレーニングでは、「運動とは重心が移動すること」と定義し、円滑な重心移動をおこなうことができるよう、身体の機能状態を良好にし、基本動作を練っている。 今回は上肢の機能状態に注目してみた。四肢には、身体の体幹から突出して身体を支え移動させる働きがある。一般に、その役割は脚のイメージが強い。実際には腕にも支える役割があるが、倒立やプッシュアップでもしない限り、なかなかイメージし難いのではないだろうか。腕で身体を支えることが苦手という人が多い。その時の、腕の配置を確認してみると、手指骨、手根骨、尺骨・橈骨、上腕骨、鎖骨、肩甲骨が正しく配列されていない。
上肢骨の不揃いな配列は、円滑な動作を妨る原因となり、その後、
腱鞘炎、ひじ痛、五十肩、腕の感覚の不一致などに発展するケースが少なくない。上腕骨の配置、手関節、腕橈関節、腕尺関節、上腕肩甲関節、胸鎖関節の運動方向を理解し、上肢と体幹の関係を身体で覚えることが大切だ。