明け方、どしゃ降りの音で目が覚めた。午前中に来院される方たちが来られるか心配だったが、7時ごろには雨脚はおさまり安堵した。
十年来の腰痛が治り、痛みから解放され、ウォーキングをはじめた矢先、今度は膝が痛くて歩けなくなったという。一般の方は、腰痛と膝痛が別のものと考えがちだ。しかし、別々に見える症状の、根本は同じものであった、ということは多い。身体の機能状態が不十分な状態では、身体のどの場所に症状が出現してもおかしくはない。本人は症状に意識が向きやすいが、身体の無意識の領域に根本原因が潜んでいる。
左膝の痛みをかばっていたら、今度は右股関節が痛くなった。四肢のアライメントをチェックしてみると、本人には自覚できないズレが確認できた。すぐさま骨格のアライメントを整えてみると、痛みは消えるが、本人には何がどうのようにずれていたのか、わからないという。施術で身体を整えることで終わらせてはいけない。運動療法や構造動作トレーニングする目的は、身体の指標を築き、動作の方法を間違えないようにするためだ。身体に不調をきたす場合は、ほとんどの場合、骨格のアライメントのズレがあり、動作方法を間違えているといっていい。
古傷を持て余しているのなら、身体の中の動きに注目し、動きと感覚の循環を良好にすることを考えなければならない。その状態では、骨格のアライメントのズレを生じさせ、動作を狂わせる確率が高まる。症状を収めることは大事だが、根本的に機能状態を良好に戻していくということが大事なことだと考える。
さて、みかんの花につづき、柿の花が咲いた。実りある秋を迎えたいものだ。