股関節が硬いのでやわらかくしたい、という理由で股割りに取り組む人が多い。先日は、書籍やインターネットでストレッチや筋膜リリースの理論を調べても、何が正しいのかわからなく足踏み状態であるという人がきた。
私自身も、股関節が硬くやわらかくなりたいと、開脚に取り組くんだ一人だ。そして必死で取り組んだ結果、足を壊した経験がある。当時、股関節が硬いというのは、どのような状態なのか、そして、どうして股関節が硬くなっているのかわからないまま、ひたすら開脚をしていたのだ。
例えば、運動をして股関節周りの筋肉が疲労したときに、筋肉の疲労をやわらげる目的で短縮している筋肉を伸ばす場合は、ストレッチや筋膜リリースは効果的だろう。しかし、それで股関節の運動をコントロールできるようになるわけではない。股関節が硬い場合は、股関節の運動に作用する筋肉を収縮できるようにしていかなければならない。また、パフォーマンスをアップを目的にする場合も股関節の運動をコントロールできるようになるわけではないので効果的とはいえない。
構造動作トレーニングの股割りは、股関節の運動をコントロールできるようにするための鍛錬だ。動作をする際の原則は体幹と接地圧のキープ。頭と体幹を真っ直ぐなラインをキープして、身体の真下に接地する。その際にフラット接地で軸足の支持を安定させることにより、股関節や肩関節の回転運動が円滑になる。 股割りは、動作の原則に基づき、骨格ポジション、関節の運動方向、筋肉の作用、重心移動を整えていく。
これが、難しい!手の力に任せると肩が上がってしまう人が多い。頭と体幹をキープし、腕の長軸方向の感覚で身体のバランスを取る。両手支持はわりとやりやすいが、片手になると難易度が上がる。
身体全体の骨格ポジションを整える。
股割りの開脚前屈は、頭体幹キープ、立てた爪先キープ。 重心を前に移動。前屈をすると、背中や腰が伸びてしまう人が多い。頭と体幹がキープできていない証拠。また、足が前に倒れてしまう人が多い。立てた爪先をキープできてない証拠。股関節が円滑に回転運動するためには、頭体幹キープ、立てた爪先キープが重要。
骨盤をコンパクトに回転させ下腹を床につける。頭体幹キープ、立てた爪先キープ。おでこや胸を床にべったりつけても、下腹が床につかない人が多い。下腹が床につかない股割りは、腰が入らない動作といえる。パフォーマンスアップを目的にしている人は、動作の原則に基づき、正確に股割りを鍛練することが大切だ。
【動画】【空手・蹴り技】ストレッチ開脚よりも股割りが必要な理由