レントゲン、MRIの画像に写らない痛み | 股関節が硬い 徹底究明!中村考宏の超スムーズ股関節回転講座

股関節が硬い 徹底究明!中村考宏の超スムーズ股関節回転講座

骨盤後傾から骨盤をおこし股関節を超なめらかに。体幹と四肢を連動させ動きの質を追及する。運動とは人の重心が移動することである。運動を成立させるべく構造動作理論(Anatomical Activity)に基づくトレーニング方法と身体観察について綴ります。

最近、転倒したという話をよく聞く。週末の講座に参加された方も転倒し、股関節を打撲してから調子を崩していた。病院ではレントゲン、MRIで画像検査をしたが骨折などの異常はない。痛みが取れないようであれば手術をすすめられたそうだ。
私の母も転倒したが、こちらも骨折などの異常はないが、痛みがなかなか取れず不自由していた。手術をされた方で、腰の痛みは取れたが、足に麻痺を残して不自由な生活を強いられている方もみえた。手術後の予後は個人差がある。できれば手術を回避し、保存的療法で治したい人が多い。保存的療法で治したい人は、自分が治すという心づもりで治療に望むことが必要不可欠だ。
 
さて、先日、治療の会をおこなった。参加者が段差につまづいて転倒し、顎を打撲、その後、腕の痺れと痛みが抜けきれず、なかなか本調子に戻れないとのこと。他の参加者は左腰の痛みをかばっていたら右の坐骨から下腿に放散痛に変化し、調子を崩している。また、10年前の五十肩が再発し、腕を挙げることができないなど。私が個別にツボを示し、それぞれが手を入れていく。私が考えるツボは、その人の反応点なので人それぞれ違う。
 
例えば、合谷(ごうこく)という経穴は「第1・2中手骨底間の下、陥凹部、第2中手骨よりに取る」と鍼灸学校で習う。実際には、その人にとっての合谷があるので人によって位置が違う。取穴は感覚と経験によるところがあり、参加者の方には難しいため、ツボを示すようにしている。
 
ツボに手を入れ、身体の通りがよくなったら、足指や骨盤おこしで身体を運動調整していく。身体を整える運動をするにも、転倒した際の瞬間的に力んだ入力(筋肉の収縮)が「力の塊」として残っており運動調整が難しいのだ。できる限り、身体にとって良い入力を心がけたい。
 
 

 
 
 
 
 
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