徒手療法のメモ的なもの。
治療の世界に足を踏み入れて最初に修行したのは筋膜の治療。これは筋筋膜伸張法といい、症状に関連する筋肉にアプローチする。方法は、カチッ、ヌルヌル、ジャリジャリ、など筋肉の触感で関連痛を出現させるポイントをさがし出して処理する。この療法は一時的に症状を緩和させるのに効果的だった。
このころ筋肉の知識しかなかったので、次は運動療法に取り組んだ。治療に必要な骨格のポジションと関節運動の方向を導き出し、運動療法を取り入れた。それまでは症状に関連する筋肉にアプローチしてきたが、骨格がすべき姿勢支持を筋肉が負担し緊張状態にあるものに対してアプローチをするものへと変わった。緊張状態にある筋肉には、筋肉の起始停止部に軽擦法を施す。しかし、骨格ポジションの観点はあっても動作の観点が抜けている。
現在は、骨格ポジションと動作を見据えて機能を阻害している筋肉の状態に対して手技を施す方法に変化している。手技療法というのは見た目同じようなことをやっているようで目的はまるで異なる。目的が違えば別物になることを改めて実感している今日このごろである。
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