「下腿に起始付着する筋骨格系の解剖学的特徴」の復習。
足関節背屈の内外反捻じれ癖対策について。
構造動作トレーニングでは
「重さを伝えるスクワット」をおこなう。
このスクワットにチャレンジしたことが
あればわかると思うが力を伝えるのは結構難しい。
その理由の一つに、足関節の捻じれにより
力の伝達を遮断させてしまう場合がある。
これは、足もとの土台を不安定にさせるばかりか、
過剰な筋力の浪費により動作をぎこちなくする。
そのため股関節をはじめ各関節の連動性が薄れ、
力の伝達が遮断される。
▲骨格ポジショニング(学研パブリッシング)著中村考宏
例えば、股関節を最大限に屈曲する場合に
足関節の背屈角度が深くならなければ
股関節の可動は高まらない。
このときに足関節を内外反させたり、
踵を浮かせたり、足もとが定まらない状態では、
股関節を最大限に屈曲できない。
また、足もとの土台が定まっていると思っていても
腰が後方にあり、次の動作にただちに映ることができない
後重心であることが多い。
スクワット動作には純粋な足関節の背屈方向が必要。
そして、基本的立位肢位+股関節幅+中間重心で
滑らかな重心移動の軌道を描くように落下する。
さらに地面反力と伸張反射で弾み上がる。
足関節背屈の内外反の捻じれ癖を修正するには
足関節の背屈筋群の起始停止を整えて最大収縮を
おこなえるようにする。
このときのポイントは、第三腓骨筋でした。
下腿筋に付着する骨格筋を一通り復習してみて、
あらためてヒトの足の筋肉は母趾優位だという
印象を強く受けた。
(実際には小趾の筋肉もたくさんある)
逆に考えると、足は体を支えなければいけないから
骨優位だともいえる。
それだけ、筋肉の印象が強いくらいに
骨の深部感覚が鈍いのだと
自身の感覚を見直すことができてよかった。
足関節背屈の捻じれのパターンは、かなり個人差がある。
長母趾伸筋と長腓骨筋が優位になっている場合について。
長母趾伸筋は、前脛骨筋と長趾伸筋の間にある。
長趾伸筋をめくってみると、そこに確認できる。
▲骨格筋の形と触察法(大峰閣) 著:河上敬介、磯貝薫
長腓骨筋は下腿の外側に確認できる。
▲骨格筋の形と触察法(大峰閣) 著:河上敬介、磯貝薫
足根骨のモビリゼーションで
第1中足骨と第1楔状骨の関節、
距骨と踵骨の関節、
リスフラン関節の動きを探りながら
感覚と骨格筋の緊張の変化をみる。
長母趾伸筋と長腓骨筋の出力を
ある程度抑えることができたら
足関節背屈筋群の完全収縮を行う。
深部感覚を入力しつつ
骨格筋の筋力を回復するアプローチが
よいのではないかと思う。
それを踏まえて、
スクワットや股割りなどの
基本動作を構築する。
基本動作をひたすら繰り返している人が多い。
しかし、以上の問題を解決していくアプローチを
踏まえていなければ効率が悪い。
日常動作へ転換することが大切だ。
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