先生の新刊が出てから書こうと思っていたら、ずいぶんブログに書くのが遅くなってしまった。
まあ、無事「新世界ザル」上下巻が刊行されよかった。
東京セミナーの翌日、新幹線で仙台へ。
仙台駅へ到着すると伊沢先生が迎えに来てくださり、まずは腹ごしらえ。
牛タンの有名店へ。
先生のお話は舌好調。
アマゾンでのフィールドワーク、金華山でのフィールドワークなど、観察の中で次から次へ新たな発見が生まれ、目を輝かせている。
とても、70過ぎの老人には見えない。
大冒険を夢見る少年のままだ。
先生の運転で宮城県仙台市宮城野区蒲生方面へ。
日本一低い山「日和山(ひよりやま)」。
東日本大震災で消滅したと報道されたが、
2014年4月「日本一低い山」として認定される。
養殖場跡。
干潟。
先生から双眼鏡をお借りしてバードウォッチング。
震災で川の形状が変わってしまったそうで、
鳥がいない...。
その後、石巻~牡鹿半島をぐるりとドライブ。
道中、東日本大震災当時の話、その後の話、フィールドワークの話、などなど、
仙台駅に帰り着いたのは夜。
復興が特に進んでいるのは仙台駅周辺。
まぶしくバブル期のようでネオンが眩しく感じた。
日中はこんな感じ。
一日、先生と行動をともにして多くを感じ取ることができた。
10年前、先生から、
「人間の身体は生理学や解剖学の知見だけでは説明できない(理論だてることはできない)」ということを教えていただいた。
『生命というものが本質的にもつ融通無碍な混沌さをベースに、動物種のもつ優れた感覚と、脳のもつ記憶や経験、さらにその上に、個を越えた集団のもつ特性・・・などなど、あまりに多くのことの相互作用の上に「動物の身体の状態」があるわけですから、さらにそれを極端に複雑化した「ヒトの身体の状態」と、
そして現代の我々が置かれている「人間の身体の状態」がある』と、当時は壮大過ぎる世界観にただただ天を仰いだものだった。
ようやく、その世界観がわかるような。
そんな気がしてきた。
私が分野の違う自然科学者を師にもつこと。
ヒトを診るということは外側だけでも内側だけでもない。
非科学的といわれるかもしれないが、空間までを含めてヒトということになる。
私はそのように考えている。
手つかずの野生に身を置き続けている伊沢先生にはそれができる。
特に野生と人間を比較できる先生にとっては人間の複雑さが極端に見えるのだろう。
私は人間の空間の中だけでは計り知れない、生命というものをもつヒトのカラダの真実に少しでも迫りたいと考えている。
種の誇りとは?
ヒトの誇りとは?
伊沢紘生『新世界ザル アマゾンの熱帯雨林に野生の生きざまを追う』
(上・下巻 東京大学出版会)
壮大なアマゾンの動物たちと熱帯雨林の物語
――世界的な霊長類学者による新世界ザル研究の集大成。







