動きのプログラムを実行できるカラダの準備/普通に動く | 股関節が硬い 徹底究明!中村考宏の超スムーズ股関節回転講座

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骨盤後傾から骨盤をおこし股関節を超なめらかに。体幹と四肢を連動させ動きの質を追及する。運動とは人の重心が移動することである。運動を成立させるべく構造動作理論(Anatomical Activity)に基づくトレーニング方法と身体観察について綴ります。

私は麻痺のリハビリで神経の回復をみながらプログラムが実行できる環境づくりを心がけた
無意識の動作のきっかけが重力だと気づいて、重力に麻痺側をゆだねた。
それは一般的なリハビリでいわれる筋力低下、委縮、拘縮を予防するためではなく、動きのプログラムを実行できるカラダの準備ともいえる。
(その無意識の動作を動かす者の正体はよくわからないものだが...)

古武術の稽古で中島章夫先生が「普通に動く」ということをおっしゃる。
普通に動くとは、無意識と意識でいえば無意識で動くこと。
意識というのもよくわからないものなのだが、古武術の稽古では意識がブレーキになる。
というのも、神経生理学者ベンジャミン・リベット博士の実験でもあるが、意識というのは実にどんくさいのだ。
意識と無意識があるから「普通」ということをイメージできるわけだから、意識というのもよくわからないものだが、動きを説明するのに貢献しているということか。

普通に動くために動きのプログラムを実行できるカラダの準備をする。
まだ、立つことがままならなかったとき、麻痺側が地面に対してどのくらいの圧力で接地しているのか、また、足の裏のどの部分が接地しているのかわからなかった。
だが、重力下でわりとバランスがとれているときは、麻痺側の接地もそれなりに圧を分散させている雰囲気があった。
普通は筋力が弱いからバランスをとることができないと考えがちだが、重心をどの位置にとって、どのような接地にするのか、ということが動きのプログラムを実行する上で必須条件だといえる。

ただ、足関節の背屈ができないとかカラダの基本的な構造動作は意識をしてでもできるようにしておかないとプログラムを実行することができない。
基本的な構造動作は個々にトレーニングしておかなければならない、これは割り稽古だ。

さて、座る、立つ、歩く、走る。
ここでプログラムを実行したいのだが、立位でバランスをとれるようになってからスタートしなければ、代償運動がプログラムに入力されてしまう。
時間をかけてでも立位のバランス感覚を養うべきである。
立位のバランスを訓練するときは前方に補助をおいて姿勢よく行うとよい。
前方補助でバランスが養われると、次の歩く、走るにつながりやすい。
立つ、歩く、走るまでが通し稽古となる。
私の場合は、プログラムを純粋化できたのか神経を損傷する前の状態よりも動きやすくなった。
時間がかかったとしても丁寧にバランス感覚を養っておけばプログラムを純粋化でき後々プラスになるのだ。

どうしても、歩く、走る訓練をしたくなるが、割り稽古とバランス訓練が不十分な状態では代償運動がプログラムに上書き保存となり動きがぎこちなくなる。これでは、せっかくのリハビリがだいなしだ。

この流れは、一般のフィジカルトレーニングにも言えることで何を目標にするのかにもよるが、動きやすいカラダ作りをするのなら基本的な構造の動かない、動かしにくい関節は動かせれるようにして、動きを見据えたバランス感覚を身につけることを最優先するべきだろう。
それらが不足していては動きがみるみるぎこちなくなり、怪我を繰り返し続けることになりかねない。

構造動作理論によるフィジカルトレーニングは動きを鍛える。

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