ストレッチをすると怪我をする/動きのフィジカルトレーニング | 股関節が硬い 徹底究明!中村考宏の超スムーズ股関節回転講座

股関節が硬い 徹底究明!中村考宏の超スムーズ股関節回転講座

骨盤後傾から骨盤をおこし股関節を超なめらかに。体幹と四肢を連動させ動きの質を追及する。運動とは人の重心が移動することである。運動を成立させるべく構造動作理論(Anatomical Activity)に基づくトレーニング方法と身体観察について綴ります。

1960年代にアメリカから始まったストレッチングの理論は、
1975年に発売されたボブ・アンダーソン氏の著書『STRETCHING』により日本にも広く普及した。
ストレッチングは大ブームになり今や常識になっている。

ストレッチの一般的なイメージは、
ストレッチ=やわらかくなる
ストレッチ=健康にいい
ストレッチ=血行が良くなる
など。

その効果に関する研究論文はいろいろあるようだが、
ストレッチを否定する研究論文も取り上げられるようになった。

だが、ストレッチは曖昧な理論のまま多くの人が万能だと思い込んでいる。
私もストレッチで足を壊すまでは、何の疑いもなく患者さんにすすめていた。

ストレッチはハタヨガをヒントに様々なポーズが考えられたそうだ。
要は、ヨガの形を真似て理論は後付けという感じだろうか。
今は、ヨガにストレッチを求めるような逆転現象がおこっている。

そもそも、ストレッチとはどういうことだろうか?
特にここでは静的ストレッチングについてをいう。
関節を動かして目的の筋肉をゆっくりと伸ばす。
筋肉を伸張させることだ。
適度に伸びたところでその姿勢を何秒間か適当な時間保持する。
筋肉をゆっくり伸ばすのは防御反応である伸張反射を防ぐため。
つまり、静的ストレッチにおいて筋肉を急激に伸ばして意識とは関係なく筋肉が収縮することは逆効果になると説明される。

この行為により何が得られるのか?
防御反応である伸張反射を鈍らせて筋肉が伸張しやすくなる。
一般の方なら筋肉がやわらかくなって、良いように思う人がほとんどではないだろうか。
しかし、我々医療に携わる者としては安易にすすめられない。
なぜなら、伸張反射は、急な外力によって筋が損傷するのを防ぐための生理的な防御反応である。
弛緩した筋は急な外力に損傷し易いため、外力のかかった際にすばやく筋を緊張させるのだ。
この行為が良いか悪いかといわれれば、良いはずがない、悪い。
医療に従事する者なら誰でもわかるはずなのだが、常識すぎて気づかないこともある。

それでも、カラダが硬いからストレッチは必要だという。
なぜ、カラダが硬いのか?
筋肉が硬いからストレッチは必要だという。
それでは、何故、筋肉が硬いのか?
????...........。
筋肉が硬いからストレッチが必要という考えは安易すぎる。
その筋肉の状態は、収縮、伸張、伸張収縮、どのような状態なのか?
例えば筋肉が、収縮しているのなら、何故、収縮状態にあるのか?
などを考えなければ、アプローチが決まるはずがなく、それがストレッチになるはずがない。
安易な考えで防御反応である伸張反射を鈍らせてはいけない。
それは、カラダを破壊する行為だ。
ヨガのレッスンでストレッチを求める指導者が多いそうだ。
目的にもよるのだろうが、よく考えてほしい。
それから、アスリートはストレッチを控えた方がいい。
私ならアスリートが静的ストレッチをすることは禁止にする。

結局、ボブ・アンダーソン氏はじめアメリカの研究者たちは、
何故、カラダが硬いのか、筋肉が硬いのか、という視点がなかったといわざるえない。
体育教員のボブ・アンダーソン氏にセラピストの視点がないのは仕方がなかったのかもしれない。
しかし、40年も経って偉い先生たちが未だにストレッチから離れられないのは不思議だ。
ブーム、時代をつくるというのは本当に凄いこと、黒を白に変えてしまう力がある....。


≪フィジカルトレーニング指導≫
パーソナルトレーニング

≪セミナー&トレーニング会≫
2013/11/16大阪・『動き』のフィジカルトレーニング/構造動作トレーニング会
2013/11/23 【技アリ企画】第42回「構造動作トレーニング東京セミナー」
2013/11/22 11月の「股割り More★チャレンジ」と「『趾(あしゆび)』Level Up」