股関節がスムーズに動くということ/重心の軌道 | 股関節が硬い 徹底究明!中村考宏の超スムーズ股関節回転講座

股関節が硬い 徹底究明!中村考宏の超スムーズ股関節回転講座

骨盤後傾から骨盤をおこし股関節を超なめらかに。体幹と四肢を連動させ動きの質を追及する。運動とは人の重心が移動することである。運動を成立させるべく構造動作理論(Anatomical Activity)に基づくトレーニング方法と身体観察について綴ります。

骨盤が後傾した状態というのは、ヒップソケット内に大腿骨頭がはまり込んでいる。
これでは、股関節がスムーズに動かない。
股関節は、伸展され関節がロックされた状態なのだ。
股関節をスムーズに動かすためには骨盤をおこして股関節をフリーにする必要がある。

この“スムーズ”とは、どういうことなのか?
辞書によると、物事が支障なく滑らかに運ぶさま、円滑の意味。

ある日、電気通信大学の阪口教授が
「股関節がスムーズに動くということをわかりやすく説明してほしい」とい聞いていらした。

私は、??????????????????
“スムーズ”でダメですか?
ダメ......。

私がイメージしていることは、必ずしも他者がイメージすることと同じでない。
それから、もっと適切な言葉、用語を用いた説明が必要なのか。
特に理系の先生にとっては、あいまいな表現でしかないのだろう。
これまで患者さんたちに説明するときに使ってきた“スムーズ”という言葉だが、もっと適切な言葉を探していく必要があるということだ。

昔はぎこちない身体の動きに対して筋肉が硬いから、筋肉をやわらかくして関節や身体の動きを“スムーズ”にしましょうとか、筋肉をやわらかくして循環を良くして関節や身体の動きを“スムーズ”しましょうなどとつじつまの合わない説明をしきた苦い経験がある。
だが、その経験があるからこそ、今は理系の先生のおっしゃることがわかる。

運動とは重心が移動すること。
筋肉からのアプローチ、関節からのアプローチ、骨からのアプローチ、そのどれかでヒトの動きを説明できない。
筋肉、関節、骨、それらがそれぞれの役割を果たしているヒトの動きが運動だ。
“スムーズ”というのにも、重心の軌道について説明する必要がある。
きっとそれが、プロフェッショナルの使命なのだろう。