ストレッチングの始まりと終わり/筋骨格系疾患の原因は筋肉ではない | 股関節が硬い 徹底究明!中村考宏の超スムーズ股関節回転講座

股関節が硬い 徹底究明!中村考宏の超スムーズ股関節回転講座

骨盤後傾から骨盤をおこし股関節を超なめらかに。体幹と四肢を連動させ動きの質を追及する。運動とは人の重心が移動することである。運動を成立させるべく構造動作理論(Anatomical Activity)に基づくトレーニング方法と身体観察について綴ります。

ストレッチングは、1970年ごろから先進国のスポーツ医学者によって徐々に形づくられてきたといわれています。アメリカン・フットボールなどのハードなスポーツが盛んなアメリカでは、ボブ・アンダーソン氏がそれらにフィットした教本『STRETCHING』を1975年に世に出しました。

1980年(昭和55年)、世界アマチュア野球選手権大会が日本で行われました。
この大会で優勝したキューバや、強豪アメリカチーム等が、試合前後にストレッチングを取り入れていたそうです。日本のチーフドクターとして参加していた吉松俊一氏がキューバの監督やチームドクターと歓談した際にこのストレッチングの重要性を再認識し、持論と一致。
1981年8月25日に吉松俊一氏は「スポーツ人間のためのザ・ストレッチング 」を出版しました。
その後、国内に広く普及しました。


「股関節が硬い」徹底究明!中村考宏の超スムーズ股関節回転講座-ザ・ストレッチング


一方で、ストレッチングに関する研究については、

1960年代の研究論文(DeVries、 1963)では、ウォーミングアップで静的ストレッチを実施しても、その後の100ヤードダッシュの結果に改善がみられなかったことを報告しています。

1980年代と1990年代中頃の研究論文(Shellock & Prentice、 1985; Smith、 1994)では、静的ストレッチはウォーミングアップとして良い効果をもたらすことが報告されています。

それ以降、静的ストレッチは、筋力、スピード、パワーといったパフォーマンスを低下させるということが多くの研究結果から明らかになりました(Avela, Kyröläinen, & Komi, 1999; Cornwell, Nelson, Heise,& Sidaway, 2001; Cornwell, Nelson, & Sidaway, 2002; DeVries, 1963; Fletcher & Jones、 2004; Fowles, Sal.e, & MacDougal.l, 2000; Kokkonen, Nelson, & Cornwell, 1998; Nelson, Driscoll, Young, & Schexnayder, 2005; Nelson, Guillory, Cornwell, & Kokkonen, 2001a; Nelson & Kokkonen, 2001b; Young & Elliott, 2001; Young & Behm, 2003)。

そして現在、「練習や試合の1時間前に静的ストレッチ(スタティックストレッチング)をすることで、パフォーマンスが向上したり、怪我の危険性が減少したりすることはありません。 しかし、筋の働きや関節可動域に制限がみられる場合には、パフォーマンスが低下したり、怪我の危険性が増えたりすることが考えられます。その場合には、柔軟性を確保する上で静的ストレッチを実施する必要があります。」と報告されてます。

「ザ・ストレッチング」(CBS・ソニー出版)によると、
「スポーツの準備体操として、あるいは体各部のトラブルのリハビリテーションとして、また、各スポーツの集中トレーニング方法として絶大なるパワーを発揮するストレッチング。」とあります。
しかし、リハビリテーションとしてのストレッチングの研究では、スポーツ外傷を予防できないこと、腰痛にストレッチングの効果が認められないこと、が報告されています。

「ストレッチ運動と筋肉痛やスポーツ外傷に関する7件のRCTを吟味した体系的レビューの結果、運動前後のストレッチ運動では筋肉痛を予防できないし、スポーツの前にストレッチ運動を行なってもスポーツ外傷は予防できないことが判明。http://1.usa.gov/qG7uVT
「慢性腰痛患者145名を対象に、TENS(低周波治療)群、シャム(見せかけのTENS)群、ストレッチ+TSNS群、ストレッチ+シャム群に割り付けて2ヶ月間追跡したRCTによると、4群間の疼痛改善率に差は認められなかった。http://1.usa.gov/oyq5KL

医療における研究は、日進月歩、日々進歩しています。
しかし運動、筋骨格系疾患の研究においては不思議なことに未だ決め手となるようなトレーニングやリハビリ方法がありません。ストレッチングで筋肉に柔軟性をもたせパフォーマンスアップ、体各部のトラブルを解決しようとしました。
筋肉が硬い=パフォーマンス低下、体各部のトラブルの原因という図式が根底に根付いていたようです。
しかしながら、最新医療の研究でも未だ筋骨格系疾患の「原因」がわかっていません。
ですが、筋骨格系疾患(腫瘍、感染、骨折等の重篤な疾患を除く)の「原因」が筋肉ではないということは判明したわけです。

私が気になるのは1970年代の研究論文がないこと。
どのような報告があったのでしょうか?(ご存知の方教えてください)
残念ながら、知るすべがありません。

本当か嘘なのか・・・・当時、日本でのストレッチングの普及に関わったという人が、私の主催する構造動作トレーニング に参加されました。私が彼に「なぜ、ストレッチングを続けないのですか?」と聞くと「ただの流行ですから!」という返事が返ってきました。これにはビックリしたのを覚えています。

「ストレッチング」というビックビジネスを想像したのは私だけでしょうか?

★★★----科学的根拠をお持ちの先生みえましたら何卒ご指導よろしくお願いいたします。
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