先日の記事以外にもう一つ、昔見た日本のドラマで頭に焼き付いているものがあります。
そのドラマのテーマは「会社に見放された社員の最後」だったと思います。
まさに今の自分そのもの・・
・・主人公はある会社の中堅、働き盛りの普通の社員でした。
傍から見る限り 特に会社のお荷物、という感じではありませんでしたが、会社の上層部の事情でその人は「不必要」という状況になってしまいました。
(本人の働きが悪いとか、成績が悪いとか、ましてやコンプライアンス違反をしたといったことは全くなかったはずです)
なおアメリカではこういう場合、課長以上(非組合員)でなくても問題なく解雇することが可能ですが
(私の今回のレイオフはまさにそれです)
外資系ではない 一般的な日本企業では、その社員が「不必要」になっても解雇にはできません。
法や組合に守られているからです。
しかしそのドラマの中では、
会社の上層部が どうしてもその人を追い出したかったので、どうしたかと言いますと、
その人を、よくわからない名前の部署へと異動する辞令を出します。
そのよくわからない部署とは、他に誰もいない、やることが何一つない、倉庫の奥に設置された隔離部屋のようなオフィスにただ来るだけ、
朝会社に来たら机に向かってじっと座り、夕方5時までそこにじっと座っているのが仕事、
寝てはいけないし、何か他のことをやってはいけない、定時までひたすらじっと座っていなければいけないのです。
・・会社の狙いは、その部署に送り込まれた人が自ら退職を願い出ることです。
普通、人間8時間も隔離部屋で何もしないでじっと座っているだけ、などという状態を長く続けられるものではありませんから、
まあ数日、良く持って数週間で自ら退職願いを出して辞めていく - 会社としては不要な社員を法に触れずに追い出すことに成功、という流れになります。。
私が今、上記のドラマを思い出して考えされられている理由は、
「働く意欲は十分にあるけれど、会社側からは不要とされてしまった」
という状況が、まさに私の今の状況に当てはまっているからです。
まあ、違うのはアメリカと日本の法的な違いにより、私はそのドラマのように隔離部屋に閉じ込められることなく即解雇になってしまったということですが
しかしもしも、私が純粋な日本企業で働いていたとして、そのドラマのような仕打ちにあったとしたら、果たして自ら退職したのだろうか。。
さすがに隔離部屋はドラマだけの話だとしても、辞めてほしい社員に対して「自分から退職したくなるように仕向ける」ということは実際に行われているようですので、
もし私が、「自分から退職したくなるように仕向けられたら」どうだろうか。。
多分、辞めないと思います。
これが自分一人の問題なら即辞めたかも知れませんが、
家族の生活を支えるという人生最大の目標が達成されてない以上、どんなにみじめで辛くても、生活費・学費を家族に供給するためだけに、しがみつくと思います
おそらく、日本ではそういう意識の人、つまり家族の生活を守るためだけに 何が何でも会社にしがみつく 、という人は少なからずいるものと想像されます。
一方でアメリカの場合は、しがみつこうにも 会社側から不要と判断されれば解雇されてしまいますので、しがみつきようがない社会、と言えるかと思います。
まあでも、そういう社会は いち労働者としてみるときついですが、本来の株式会社というものの定義から考えれば正しい姿ではないかと思います。
なお、アメリカにも 日本でいう所の生活保護、つまり働きたくても働かせてもらえず本当に明日食べるものに困る ということがないように、いくつかの制度(SSI、SNAP、Medicaid、TANFなど)が存在するそうなので、さすがに餓死することはなさそうです