AI対応PCの行方はどうなる? -インテルの巻き返しー | 55歳過ぎてもアメリカでIT企業のエンジニア・PMとして挑戦します

55歳過ぎてもアメリカでIT企業のエンジニア・PMとして挑戦します

一昔前なら定年を意識する年齢ですが、家族で夢をかなえるために2019年4月に渡米、現地のIT企業のソフトウェア開発部門のエンジニア・PM(プログラムマネージャー)として挑戦しています。

今はPC (Windows PCに限る)の買い時なのか、それとも近いうちにまたPC業界に大きな動きがあるのか。。

これは、言ってみれば永遠の疑問なのですが_、個人的にはこれまで「今(この夏)は待ち時」と考えていました。

理由は、AI対応PC に採用するべきCPUが、現在混とんとしているから でした。(関連記事

 

混とんとしてしまった要因をざっくりと振り返りますと、

 


AI対応PC(ネットに接続してクラウド上のAIエンジンの力を借りなくても、自分のPCの中にあるプロセッサだけで実用に耐えうるAI処理を行えるレベルのPC )を実現するためには、

 

1秒間に40兆回以上のAI用の計算処理ができるプロセッサを搭載していること(これを 40TOPS という単位で表します」という要件がある状況ですが、

インテルの最新のCore Ultra シリーズのCPUでは、残念ながら40TOPSに遠く及ばないため、
ちなみにアップル社のM3チップでさえも遠く及ばず、M4もまだ及びません

唯一 40TOPS以上をクリアしているSnapdragon というCPUを採用するしかなかった、という状況でした。

(以下参考)
 

※AIのための演算だけを測定した場合の数値です。CPU全体のパフォーマンスを測定した場合とは異なります。


そしてそのSnapdragonは、X86ではなくてARM系アーキテクチャをベースにしているため、CPUのアーキテクチャ変更という大幅な変更が必要だったのでした。

 

実際、マイクロソフト社が先月リリースした「SurfaceシリーズPC」の全モデルのCPUがそのSnapdragonになっており、


過去のソフトウェア資産にある程度見切りをつけるある程度はエミュレーションで動作するようですが、どうしても動かないデバイスに密接したものは動かない場合もあるそうです)という決断をしたと読むことができました。

したがって個人的には(また多くのPC評論家は)、はたしてこの流れで 数年内にWindows PCが(少なくとも新発売のPCはすべて) ARM系アーキテクチャのCPUにすり替えられていくのか、それともインテルの巻き返しがあるのか?

と様子を見ておりました。


<以上が振り返りです>

そして。

先月の Computex 2024 という大掛かりなイベントにて、インテルは予想よりも早くその巻き返しを発表してきたのですSurprise

https://www.intel.com/content/www/us/en/newsroom/news/computex-2024-ai-everywhere-power-performance-affordability.html#gs.biu3hu
<原文英語>

https://www.intel.co.jp/content/www/jp/ja/newsroom/news/computex-2024-ai-everywhere-power-performance-affordability.html
<日本語訳>

要約すると、インテルは新しいCPU(開発コード名:Lunar Lake)を開発中で、出荷は年末商戦の時期に合わせ、2024年第3四半期7,8,9月)の完成を予定しており、

その新CPUのAI性能は、やはり48TOPS一秒間に48兆回のAI演算が可能)と、AI対応PCの要件を十分満たしており

そしてこれまでARM系に大きく負けていた消費電力の面で、前世代と比較して最大40%削減と一気に改善してきました(それができるのだったら もっと早くやって欲しかった_)。



・・こうなると、業界の流れとしては、年末には再びx86アーキテクチャに戻る可能性が高いですよね_

まあだいたい、CPUの絶対的王者インテル社が「ああそうですか、ではPC用のCPUから撤退します」としっぽを巻いて引き下がるわけがありませんでしたから爆  笑、この流れは想定の範囲内と言えるかと思います。

したがって、これからAI対応PCを購入しようと検討されている場合は、
※2028年までには製造されるPCの80%近くをAI PCが占めるようになるという予測があるそうです

今市場にすでに出回っている、ARM系のCPUを搭載したPCを選択するべきか、

それともインテルの次期CPUを搭載したPCを年末商戦まで待つべきか

その選択によって、PCの使い勝手に変化が生じる可能性があるかも知れません。互換性の面において。

なお、AI対応PC(Copilot + PC)はすでに、COSTCOの店頭にも並び始めましたsmile

マイクロソフト社製Surfaceシリーズのみならず、以下のようなASUS製のPCも出ており、これがCPU抜きにしても素晴らしいPCで、(15.6インチの有機ELディスプレイに32GBメモリ、WiFi7対応。。

 



ちょっと気を緩めるとカートに放り込んでしまう可能性がありますがlaugh

冷静に考えるなら、上記の通り年末商戦インテルのCPUがAI対応PCに搭載されて出てきたらどうなるかを見極めてからにした方がいいでしょうね。

なお、エッジAIなんか使わない、もしくは当面はAIは様子見、ということであれば、現在 現行のインテル製Core Ultraを搭載したPCがリーズナブルになりつつあるようですので、買い時かも知れません。

以下はCore Ultraを搭載したLG社製の高性能PCですが、私もAIにこだわらなければもうとっくに衝動買いしていたであろうlaugh素晴らしいPCです。非の打ち所がないようなスペックです

 

ということで、私は上記のLG社のPCを購入したい衝動をぐっとこらえ笑い泣き

 

年末商戦に登場するであろうインテルの新しいCPUを搭載したPCの登場を心待ちにしたいと思います。