PCの新時代へと舵が切られているようです | 55歳過ぎてもアメリカでIT企業のエンジニア・PMとして挑戦します

55歳過ぎてもアメリカでIT企業のエンジニア・PMとして挑戦します

一昔前なら定年を意識する年齢ですが、家族で夢をかなえるために2019年4月に渡米、現地のIT企業のソフトウェア開発部門のエンジニア・PM(プログラムマネージャー)として挑戦しています。

※本記事はすべて個人の見解によるものであり、何かの公式メッセージではありません。

以前、「これからPCを買うなら インテルCore UltraのCPUを採用したPCが良さそうだ」という記事を掲載しました。
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しかし。。

すみません、もしかしたら業界的には違う方向へ向かっていくかも知れません。

というのは、マイクロソフト社が先月行われた大イベント「BUILD2024」にて、大きな舵切りを発表したからです。Surprise

それは簡単に言うと、「インテルx86系CPUとの決別」です。

インテルx86アーキテクチャというのは、まあ簡単に言えば、これまでの約40年近くもの間、ほとんどのPCで使われ続けてきたCPUの基盤です。

 


アップルのMacシリーズでさえ、M1, M2, M3 CPUが出る前までは、x86系のCPUを使っていました。
※使っていなかった時代も過去にはありましたが

思えば、PCが仕事で実用的に使用されるようになったのは、日本ではPC98シリーズ、アメリカではIBM PCシリーズからだったと思いますが、


それらはインテルの8086というCPUの後継CPUを採用しており、

以来今日に至るまで、ずっと8086の命令セットを爆速で動かしたり新たな命令セットを追加したり、並行処理できるようにしたりといった、「延長」系の進歩を続けてきました。

ペンティアムとか、セレロンとか、Core iとか、はたまたAMD製のアスロンとかライゼンとか・・すべて、基本は同じx86アーキテクチャで動いており、

気が付いてみればもう40年もの間、PC業界はこのx86と共に歩んできた、と言えると思います。


なお、なぜこれまでそのような古いアーキテクチャを見切って新しいものを作らなかったのか?

という疑問を持たれる方もいらっしゃるかと思いますが、それは一言で言えば「互換性を保つため」だと思います。

特にWindows系のPCは、基幹業務とか基幹システムで使われたりといったことが極めて多く「10年前にC++言語で作られた、その会社の独自の業務アプリ」みたいなものの互換性を担保しなければならない、という至上命題がありました。


そしてその一方で、実は全く違うアーキテクチャで作られたCPUがありまして、それがARMアーキテクチャという、主にスマホなどのデバイスで使われているものでした。

スマホはもちろん、PCに比べてずっと後に世の中に投入されたものでしたので、

もっと消費電力が少なくて効率のいい、その代わり過去の資産なんて目もくれない形で設計された、ARM系CPUが採用されたのでした。

実はARM系CPUを搭載したPCというのも過去には存在し、そしてARM用Windowsなどというのもあったのですが、過去に作られたアプリなどが動かなかったため、あまり普及しませんでした。

なお、今のMacで採用されているM1, M2, M3 といったCPUは、実はARM系アーキテクチャです。

Macの場合は 基幹システムで使われているから互換性を維持しなければならないといったしがらみが少なく

早い段階で古いx86アーキテクチャと決別して、効率のいいARMアーキテクチャに移行できた と言えると思いますsmile



そして今。

マイクロソフト社がBUILD2024(もしくはその前後)を通して発表した内容の中に、次の2つのことがありました。

1.クライアントPCでAIエンジンを動かすことをサポートできるCPUは、今のところARMアーキテクチャの「Snapdragon」だけSurprise  (これを Copilot + PCと呼ぶようです)

2. コンシューマ向けの Surfaceシリーズ(マイクロソフト製PC)の新ラインナップは全部、ARMアーキテクチャを使ったCPU「Supdragon」を搭載する。
※法人向けはまだx86を使ったインテルCPUを採用



もう少し解説しますと、マイクロソフト社は早くも、クラウドを介さず個人持ちのPCの中だけでAIエンジンを動かすことエッジAIと呼んでいるようです)を新PCに入れてきたのですがSurprise

その機能を動かすにはNPUAIのためのプロセッサ)を内蔵したCPUが必須であるのはもちろん、その処理能力が実に、1秒間に45兆回(45TOPS)以上の計算ができることを条件としているそうです。

1秒間に45兆回の計算・・と言われてももはやどのくらい速いのか想像もつきません_

実は、x86系のCPUで今のところ一番速いCore Ultraに搭載されているNPUが、残念ながら45TOPSに全く達しておらず、現状では9.5TOPSだということですOMG

つまり、今 インテルのCore UltraシリーズのCPUを搭載したPCを購入しても、少なくとも現状では、エッジAI(自分のPCの中だけでAIエンジンを動かすこと)機能を活用できない、ということになると思います。。OMG


とにかく今回 マイクロソフト社が発表した内容は、要約すると「今後のPCは、エッジAIが必須となる。今こそ過去のしがらみに決別して、PCを新しいAI時代のデバイスとして生まれ変えさせよう

というメッセージを含んでいると読めるかと思われます。

 

なお、マイクロソフト社のSurfaceシリーズ以外にも、すでにDell、Lenovo、HP、サムソンといった主要メーカーからSnapdragon搭載のPC、つまりCopilot + PC準拠の新PCが発表されており、予約受付けもしくは販売開始しているようです。

 

つまりこれは、マイクロソフト社の独り言ではなくて、業界全体の動きと考えてよいかと思います。


とりあえず我々個人消費者のスタンスとしては、

1.まず、エッジAIの時代の到来は歓迎したいと思いますsmile

これって、30年前のインターネットと同じ立ち位置にあると思われ、今は懐疑的に思われている方もいらっしゃるかも知れませんが、インターネットが世の中に浸透していった時と同じように、世の中を大進化させると考えられます。

一人一人が、優秀なプライベート秘書を持てる」時代の到来と言えると思います。


2.過去の膨大なアプリに関しては、

とりあえず、エミュレーションによりほとんどのアプリは動くようにしていくらしいですが、

例えばデバイスドライバとか、ハードウェアに密着したものは難しいかも知れません。

しかしながら、数年でそのあたりの対応は完了していくものと思われます。
マイクロソフト社が、サードパーティーに 互換性対応のための開発費用を一部援助してくれるのが一番いいのでは?laugh


3.新しいPCの購入のタイミングに関しては、

正直なところ、まさかこのタイミングでx86アーキテクチャとの決別方向に舵を切るとは想像していなかったので、もうどうなるのか分かりませんが_

考え得る方向性は3つかと思います。

a) 数年内にx86系のCPUはなくなり、インテルも、AMDも、みんなARMアーキテクチャのCPUを作るようになる

b) 超強力NPU(45TOPSを驚愕する性能)を搭載したx86系CPUをインテルが作り、これを次期WindowsがエッジAIを含めてサポートし、x86時代は終わらない

c) エッジAIが普及せず、結局今のアーキテクチャに戻る



・・感覚的には b) が濃厚な気がしますが、一般消費者の観点から言うとa) がいいですよねsmile

普通に考えれば、ARM系アーキテクチャの方がいいのは自明の理ですから、これを機会に40年以上前のアーキテクチャと決別するべきかと思います。

※個人的にはx86に対する思い入れはあります。今までに個人で購入したx86系のPC、数えたことはありませんが軽く50台以上、自作PCなども含めたら100台以上買ったと思いますlaugh

 

X86にサヨナラするのは、個人的に寂しい気持ちはありますえーん

<懐かしのソニー製VAIO。1999年のモデル>


しかし、時代は変わってい行くものだと思いますし、むしろ今までx86が現役だったことの方が驚くべきことかと思います。

・・なので、次に買うPCはきっとCore UltraシリーズのCPUを搭載したマシン、とこれまでは思っていましたが、

この流れからすると、Snapdragon 搭載のマシン、ということになる可能性が高そうです_