インテルの全く新しいシリーズのCPU、「Core Ultra」を搭載したPCが市場に出回ってきました
アメリカのCOSTCOでも、「Core Ultra」搭載のPCが販売されています。
日本の量販店でも、「Core Ultra」搭載のPCが出回り始めているようです。
この記事では、今後新しいPC(Windows系のPC)の購入を検討される際に、この「Core Ultra」搭載のPCを選ぶべきかどうか、
あまりマニアっぽい視点ではなく、一般的な視点から記載したいと思います。
とりあえず「Core Ultra」シリーズは、これまでの「Core i」シリーズとは全く異なる、インテルが16年ぶりに発表した新シリーズです。
外見を見比べていただいても、その「違い」が一目瞭然だと思います。
<これまでのCore iシリーズ 最新の14世代>
<新しいCore Ultraシリーズ>
今までは、1つのチップの中にCPU機能もGPU機能も入出力機能も、すべて突っ込んであったそうですが、
Core Ultraではそれらを別々の「タイル」に分割し、機能ごとに最適な設計製造がされるようになったようです
適材適所による効率アップ、といったところですね
さて、機能面で一番目を引くのは、AIのための推論専用に「NPU」というプロセッサを搭載した、というところかと思います。
ただし。
今現時点では、一般ユーザーがそのAI専用プロセッサの恩恵を受けることはほぼ無いと思います
何故かと言いますと、現在普通に活用できるAIサービス、「Chat GPT」「Copilot」などは すべてクラウド上(サーバー上)で駆動しており、
我々のPC上でAI推論が行われているわけではありません。
我々のPCではただ、AIにやらせたいことを入力して、それをサーバーに送信、結果を受信してブラウザ上などに表示しているだけですので、
当然、自分のPCにNPUがついていようが 計算が超速かろうが、Chat GPTの反応が速くなったり精度が上がったりするわけではありません
もう一つ加えて言いますと、現在Chat GPTやCopilotで使用されているAIエンジンは、人間の脳のエミュレーションのようにして動いているわけではありません。
基本的には膨大な量の計算の延長であると言えるかと思います。
したがってNPUも基本的には演算プロセッサです。脳のエミュレーターではありません
とはいえ、
「一人一台、自分専用のAIエンジンを持つ」という時代はそう遠くないと言われています。
(逆に言えば、そういう時代のために このようなCPUが開発された と言えると思います)
それができれば、自分の個人データを外部に公開することなく、自分のPCの中でAIに扱わせることができるので超便利だと思います。
例えば、「〇さんに最後に〇の件でメールしたのいつだっけ?そのメール表示してくれる?ついでにそれ以前のやりとりを要約してくれる?」みたいな質問を自分のPCの中でできるようになると思います。
したがって、将来的にはNPU搭載CPU、つまり「Core Ultra」搭載のPCが有効になると思われます。
「では、今すぐ役立つメリットはそのCore Ultra にはないのか?」ということですが、
もちろんあると思います
ひとつは、「LP Eコア」の採用です。
これは何かといいますと、簡単に言うと超省電力型コアの搭載です。
もう少し言うと、インテルのCPUは、第12世代以降(2022年以降)、2種類のコアを搭載するようになりました。
一つは性能重視のPコア、もう一つはエコ重視のEコアです。
これにより、重い処理はPコアに回し、パワーのいらない軽い処理はEコアに回すという方法で全体の効率を上げてきました。
今回採用された「LP E コア」は、これまでの省電力用Eコアのさらに省電力なもので、動画再生などはこの「LP E コア」だけで完結するそうで、例えばNETFLIXの動画再生で最大25%の省電力が可能だそうです
(なお、従来のPコア、Eコアも入っていますので、3段構えですね)
ほかにもGPUの大幅強化など、多数の進化があり、より少ない電力でより高い性能を発揮するCPUに仕上がっているようです。
なのでやはりこれから新しくPCを購入するならば、できればこの「Core Ultra」搭載モデルを選びたいところです。
ただ、この「Core Ultra」が登場したことによって、これまでの「Core i」シリーズ搭載のPCが軒並み値下げされることが考えられます。
別に「Core i」シリーズ搭載のPCが近い将来突然使えなくなるわけではないので、コスパの観点からいうと、一気に値下がりした「Core i」シリーズ搭載PC、特に新しめの第13・14世代搭載モデルはお得といえるかも知れません。
したがって現時点でのおすすめの方針は
1.メインPCとして、長く使う見込みのマシンをこれから買うなら、「Core Ultra」搭載モデルを選択
2.セカンドマシン、もしくは大して重い処理やマルチタスクを活用しない使い方で、コストを抑えるならば、これまでの「Core i」シリーズ搭載モデルを安く購入
といったところになるかと思います。
なお私は次にPCを買うときは100%間違いなく「Core Ultra」搭載のPCを買うと思います