それは「(現実に起こりうるかは別として)もしも一生生きていく上で十二分にお金があったなら(例えば30億円くらい)、その時自分は働くことをやめるのだろうか」ということです。
昔の私は、その問いに対する答えは当然のようにYes でした。
もともと生計を立てるために、平たく言えばお金のために働いているのだから その必要がなくなれば当然働く必要もなくなる、そう思っていました。
「毎日が日曜日のよう」 それが私の理想でした。
では、もしも本当に働くのをやめたらどうなるのか、もう少し掘り下げて考えてみたいと思います。

第一段階
実は私は、「今はやる暇がないけど、老後になったら(引退したら)思いきりやろう」と思っていることが大量にあります。
いつも忙しく生きてきたので、例えばロールプレイングゲームを最初から最後(とりあえずのゴール)までやりきったことがたぶん一度もありません。
読みたいと思って読めていない本がたぶん100冊以上、見たいと思って見ていないDVD類も軽く100枚以上あると思います。
他にもやりたいことが大量にあります。
なので最初のうちは、そういったことを満喫していくかと思います。
しかし、冷静に計算していくと、仮にロールプレイングゲームを20本、数百ページ程度の本を約200冊、3時間程度のDVD類を約200枚心行くまで満喫したとしても、実は意外と時間がかからないものかと思います。
例えばロールプレイングゲームも、朝から晩までそればかりやっていれば(なんといっても働いていないわけですから)、数日~せいぜい一週間くらいで終わってしまうと思います。
・・おそらくその「やりたかったこと」を心行くまでやっても、数年でネタ切れになるか、さすがに飽きるかも知れません(※私は結構飽きっぽくない方だと思いますが、それでも です)
第2段階
そういったゲームとか読書といったことが枯渇したとしても、まだ私にはやりたいことがあります。
それは「ものを作る」ということです。
とくに、昔作りたいと思っていて作りきれなかったPCのプログラム、それらを作るには時間がいくらあっても足りない気がします。
しかし。
では実際に、時間を忘れて心行くまでなにかのツールでも作ったとしましょう。
妥協しないで作り込んで、どんどん良いものになっていくかもしれません。
でもそうやって、妥協のない完成度の高いものができてしまったら、○○ストア などを通していろいろな人に使ってみてもらいたくなってしまうのではないでしょうか。
そしてもしもフィードバックをもらったり、新しいツールのリクエストをもらったりしたら、それらに応えるべくさらにやりこんでいくのではないでしょうか。
・・でもそれって、本質的には今仕事でやっていることと大して変わらないのでは・・?
第3段階
いやいや。
まだもうひとつの方向性があります。
それは「習い事」をいろいろやるということです。
たとえばギター。
今も、仕事の後や週末の楽しみとしてひとりでギターのレッスン(というか弾き語りカバー)を続けていますが、もっと本格的に、教室などにも通って、納得のいくレベルまでマスターしてみたいです。
しかし。
もしも仮に、本当に仮に、プロ並みの演奏技術を身につけることができたとしたならば、「人前で演奏してみたい」と思うのではないでしょうか。(たぶん誰もがそう思うのではないでしょうか。)
はじめはもしかしたら路上でストリートで、次は小さなライブハウスで、そしてより大きな舞台を目指して・・
でもそういうステップって、本質的な部分を突き詰めていくと、実は仕事のステップと変わらないのではないでしょうか。
まずは小さいところ・できるところからはじめて、スキルを磨いて、より大きな仕事・複雑な仕事に挑戦していく、、、、やはり通じるものがあるような気がします。
最終的に
先の「何かPCツールなどを作って○○ストアに出していく」ということにも共通すると思いますが、結局、我々が深いところで追い求めているのは
1. 達成感・充実感 といった心の中のパワー
2. 社会に対してポジティブな影響を与えたい といった自己実現の欲求
といった類のものなのではないかと思います。
そしてそれは、なにもプロのギタリストにならなくても、独立したアプリのクリエイターにならなくても、実は日々の仕事や活動の中にそれらをつかむことができるきっかけは多々あるのではないか、と思います。
人間は慣れてしまうと今の状態の素晴らしさを忘れてしまう傾向にあるかと思います。
しかしよくよく自分自身の状況を客観的に見直してみると、実は今の状態は十分に素晴らしいかも知れません。
そして、我々が日々行っている仕事や活動の中に、実は ギターを抱えてステージに上がって素晴らしい演奏をすることと同じような「醍醐味」があるのではないでしょうか。
そう考えると、仕事を辞めてしまうなんてもったいない、そんな醍醐味を味わうチャンスを減らしてしまう、ということなのかも知れません。
とりあえず「仕事を辞める」という行為は物理的には可能ですが、「辞めた仕事に復職する」というのは極めて難しく、私の場合はビザや移住費用なども件も含めて 復職はまあ100% 不可能だと思います。
仕事に限らず、何事も一度やめてまた復活させるのは困難な場合が多いと思います。
だから、いまの仕事、いまの状況、いまの活動といったものを二度とやってこない貴重な機会と考えて続けてみる、そしてその貴重な機会の中で得られる醍醐味を見つけていく、というのも悪くないかと思います。