ポルシェ911を試乗させてもらう | 55歳過ぎてもアメリカでIT企業のエンジニア・PMとして挑戦します

55歳過ぎてもアメリカでIT企業のエンジニア・PMとして挑戦します

一昔前なら定年を意識する年齢ですが、家族で夢をかなえるために2019年4月に渡米、現地のIT企業のソフトウェア開発部門のエンジニア・PM(プログラムマネージャー)として挑戦しています。

先週、元同僚の方がポルシェカレラを売ろうとしているという話を聞いた、という記事を掲載しました。

そして今日、そのポルシェを試乗させていただくことができました。

単なる試乗とはいえ、正直に言えばもう一日千秋の思いでこの日を待っていました。

ポルシェ 、フェラーリ、ランボルギーニ。。我々の世代ではいわゆる「スーパーカー」と呼ばれていた名車メーカーであり、その車を自分の手足でドライブするというのは大げさではなく「人生の夢の瞬間」といえる時間です。

まさか自分の人生の中で、ポルシェカレラを(試乗とはいえ)ドライブできる日がやってくるとは、昔は夢にも思いませんでした。


そんな夢の瞬間は、普通にやってきました。
現オーナーの元同僚の方にしてみれば、すでにそのポルシェは乗用車、ちょっとスーパーに買い物に行くにも使えてしまう気軽な存在であり、購入を検討している者に試乗させるというのは単なるルーティーンなのだと思います。

彼はごく普通に、まるでノーマルのマーチを試乗させるように、気軽にキーを渡してくれました。
しかし私としては、ポルシェのドライブシートに座ってキーを差し込み、エンジンを始動させた時点ですでに「未知の扉を一つ開いた」瞬間でした。



また、緊張(恐怖)の瞬間でもありました。
なにしろ、マニュアル車を運転するのはおそらく10数年ぶりです。
そして当然、シフトは右です。左ハンドル右シフトのマニュアル車をドライブした記憶は20年以上前に一回しかありません。
エンジンが後部座席の後ろにあるいわゆるRRレイアウトの車を運転した記憶は。。一回だけトヨタMR2を運転させてもらったことが、やはり20年以上前にありましたが MRとRRでは重量配分が結構違うと思います。

そしてもちろん、ポルシェカレラは万人受けする乗用車ではありません。世界を代表するようなスポーツカーの一台だと思います。
エンジンの特性にも、ミッションにも、ハンドリングにも、あらゆる部分に世界中のポルシェファンがこだわる「ポルシェらしさ」があると思います。
言い方を変えれば、よっぽど好きな人でないと乗りこなせない車といえると思っていました。


さて、実際にクラッチをつないで走り出してみると・・


そう、これこそが車という乗り物だ!という印象が最初に来ました。
やっぱり日ごろ、ハイブリッドRAV4のような電子要塞みたいな車に乗っていると、車との一体感のようなものを忘れてしまいがちでしたが、3.6リットルNAのスポーツカーは全く違いました。

エンジンが駆動系を通してタイヤを回している感じ、ステアリングを切るとボディ全体がそのGを受けて身をよじり前輪の動きについていこうとする感じ、そしてやっぱり、アクセルを踏むと即後ろからグワッと押されるような感じ。。
そしてやっぱりRRだけあって、トラクションがかかるときにちょっと後ろが下がるようなフィーリング!

また、Uターンするところで 雨だった影響もあってすこしリアが滑ってしまったのですが、FRと違って重いリアがゴツッ、ゴツッ、ゴツッという感じですこし跳ねるように動く感じはもう、たまりませんでした。
FRのようにザザーッとリアが軽く滑っていくフィーリングとは全く異質なものでした。
ほんの一瞬でしたが。


それからシフトのスムーズさが想像以上でした。



このポルシェはR(バックギア)が左側、つまり1速と2速のある方にレイアウトされています。
※一般的に多くのMT車はバックギアは右側、つまり5速、6速のさらに右にある場合が多いと思います。

実は、私はこのバックギアが左側にあるレイアウトに対してちょっと懐疑的でした。
というのも、スバルの名スポーツカーBRZ(=トヨタ86)も左側バックギアのレイアウトなのですが、そのミッションで2速に入りにくいという問題でずっと悩み続けている友人の話をSNS経由で聞き続けていたので、同じような問題があるのではないかと思いました。

しかし、試乗中そのことは忘れていました(笑)
当然、2速は最も多く使ったギア(2速だけでも踏めば軽く100km/h以上になります)でしたが、1速から2速、3速から2速、4速クルージングから減速して2速、といったいずれのパターンでも、何の違和感もありませんでした。
というか、ポルシェのミッション、まるでユーノスロードスターのようなクイックなフィーリングで(というかユーノスがポルシェのシフトにならったという話を聞いたことがあります)、シフトが超気持ちいいです。

比較的重いと聞いていたクラッチも、ドライブ中 重いということを忘れていました。
つまりあまり問題になる重さではないと言えるかと思います。

そして最大のポイントは、思っていた以上にパワーバンドが広いということです。
もっとピーキーで、パワーバンドをはずしてシフトすると全くパワーが出ないエンジンなのだと思っていましたが、どこでつないでも踏めば必ずグワーッと前にトラクションがかかる感じでした。
考えてみればターボではなく自然吸気で3.6リットルという大きさで340馬力を絞り出すユニットですから、余裕もあり、とても素直にアクセルの踏み量に合わせて応えてくれる、素晴らしいエンジンです。


さて、この車を買うのかどうか、ということですが、

もしもこの車を買うとすると、それは私にとっては単に「もう一台新しく車を買った」というレベルのことではないと思います。
「スーパーカーのオーナーになる」という、言ってみれば小さいころからの夢が実現するということでもあると思います。

「スーパーカー」と言うとき、ポルシェ以外にもフェラーリやランボルギーニの車もそれに含まれると思いますが、フェラーリやランボルギーニはさすがに非現実的だと思います。

というのは、仮にフェラーリの車を買ったとして、果たしていつそれに乗るのか、という問題があります。
日本の駐車場に比べれば駐車しやすいアメリカの駐車場事情であっても、ああいったフェラーリのような車を気軽に停められる場所はなかなかないと思います。
それこそ普通に夕ご飯の材料を買いにフェラーリでQFCに買い物に行くのは無理があります。
フェラーリのオーナーで、セカンドカーを持っていない人はまずいないと思います。

しかし、ポルシェカレラであれば、ボディサイズの問題も含めて、QFCに買い物に行っても大丈夫だと思います。
そう、ポルシェは、現実的に我々がオーナーになることができる限界ギリギリのスーパーカーだと思います。


「じゃあ買えば?」と耳元でささやくもう一人の自分がその辺にいますが、いくらフェラーリやランボルギーニに比べれば手が届きやすい価格帯とはいえ、勢いで買えるものではないですし、そもそも今の私がいつドライブを楽しむ時間の取れるのか、という根本的な問題もあります。
倍増する保険代や、維持費のバランス等も考える必要があります。

それでもやっぱり、そういう現実問題を越えて、「人生の夢の実現」という意味では、引き続き真剣に検討する価値は十分にあると思います。