前回からの続き、
第一話 ・告白・実は生まれた家族が心底嫌いでした。
第二話 ・父への反発心と裏側
第三話 ・父との思わぬ対面
第四話 ・車椅子のヒーロー
先日の話から、
(僕にとっての祖父がどんな人だったか
知りたいと思って、父に聞いてみたところ)
・父の話
殴られていた。
「厳しい人やった。俺はよく、叩かれていた。」
と、話をしていました。
そこから話を続けて、
父「うちの親は、小学校卒業で、植木屋をしていた、
ずっと植木屋していたから、苦労していた。」
母(僕の祖母)からは、
母の兄の話も聞いていた。
満州で戦死した、義雄さんは優秀だったそうだが、
彼も小学校卒業の小卒だった。
小卒だった故に、軍隊でも苦労していたらしい。
母(僕の祖母)には、
(なんで、小学校卒業は出世できないだ。
軍隊に入っていたけど、
中卒の人ばかり出世している。
俺は、小卒だから出世しない。
中学校に行きたかった。)
と、よく聞いていた。」
この時、僕は衝撃を受けた。
と、話をしていたそうです。
これも、なぜかわからないけど、
思い出して書いていると涙が出てくる。
僕は子供のころ、
「学歴や偏差値を重視した、
詰め込みばかりの教育はよくない!」
「戦争は絶対に反対!」
とか、わたしは思っていた。
(*戦争は、しない方がいいとは、今も思います。)
だけど、わずか、1940年前後の80年前は、
・(中学校に、なんとしても行きたかった)
・(軍隊の中で、少しでも出世したかった)
と、悔しい思いをしていた、
先祖がいたなんて、想像もしていなかった。
きっと、
・僕があれだけ嫌だった、中学校も、
80年前の人々や先祖からしたら、
なんとしてでも通いたかったのだろうと。
・私たちのほぼ全員が反対する戦争に関連する、
軍隊の中で、出世したいと思った人もいた。
そう思うと、現在の日常生活が
いかに多くの人たちの、努力や無念さの積み重ねで
出来たものであるのかと思った。
そして、僕は、自分の父は、
(学歴が無いと苦労する。学歴は大事だぞ!) と、
相当、父の両親から言われてきたと悟った。
・・・
僕の中で、父のイメージが変化していった。
それまでは、
父は、目に見える物
(学歴、職歴、数字、年収)などを重視する人だったが、
父はそれだけでなく、
先祖の悲願を成就させた人かもしれないと。
・うちの父は、消費者団体の代表で、
大臣から表彰状をもらったことがあり、
その表彰状を、仏壇がある部屋に飾ってあった。
当初、僕は、
(また、親父、自慢しているよ・・・)と、嫌悪感を示していたが、
あれは、
(学歴などで苦労した先祖に向けての報告)だったのだろうと思った。
きっと、親父は親父で、
学歴で苦しんでいた先祖に対して、
新しい歴史を作ったのだろう。
もう、これで、親父は十分、
生きたのではないか・・・
僕はそう思うようになった。
また、僕は小さいころ、
父親が学歴にこだわってきて、学歴で人をほぼ判断するのが、
心の底から嫌だったのだが、
父が学歴にこだわってきた理由がわかった。
・・・
そして、
父親がポロッと
「あぁ、死んだ親父(僕の祖父)に会って話したいなぁ」
と言った。
日頃、コーチングや心理学を勉強している僕は、
(父の本音があるかもしれない)と察知し、こう聞いてみた。
僕「ねぇ、お父さん、死んだお祖父さんにあったら、どんな話したいの?」
と、聞いてみました。
父が口を開いた。
父「俺、65才まで仕事を、頑張ったっていいたい」
と、言った。
そういうと、父は、
また大粒の涙をボロボロとこぼしていった。
・・・
父は、大学一年生の時に、僕からみると祖父をガンで亡くした。
そこから、大学に通いながら、バイトをして学費も稼ぎ、
会社員になった。
僕が、小学校高学年のころに、課長になったようで、
その頃からは、帰宅が夜の10時や11時を超えることも多かった。
ゴルフが好きだったので、
休日は接待ゴルフや、遊びのゴルフに出かけることが多かった。
僕は、
「どうして、こんなに頑張って活動するのだろうか?」
と、よく不思議に思っていた。
僕は、口に出さなかったけど。
(そうだったのか。
父も、本当は、自分の父親に認めてほしかったんだ。
父に対して、 「65才まで頑張ったよ」と言って、
親父から、「よく頑張ってきたなぁ」と言ってほしかったんだろう。
父は、もしかしたら誰よりも仕事をしていた背景に、
本当は、出世や名誉欲だけでなく、
父の父から認めて欲しかったんだろうな・・・
ずっと自慢している様に見えたのも、
本当は彼自身の父に認めて欲しかったんだと
思った。)
結局、多くの人は、
誰か大切な人に
自分のことを認めてほしいと
愛を求めているのかもしれない。
愛を求めて、多くの人は、彷徨っているのかもしれない。
もしかしたら、人の心や魂は、
深い部分で愛を感じることで初めて、
(生まれてきて、良かった)と世界に感謝できるかもしれない。
僕自身、今回の父と母との一連の出来事は、
「父と母の元に生まれることが出来て良かった」
と心底思える瞬間があった。
そして正直、今の自分の人生の満足度や幸福度は高いの、
今の状態でもかなり満たされています。
しかしながら、これからは周りの方々や、
自分の子供たちがより住みやすい世界を作っていきたい。
また、先祖や父のストーリーを聞いて、
これから自分自身が提供していきたい未来も、見えてきた。
次回、そのストーリーを書いていきます。