Chapter 2,682〜 -33ページ目

Chapter 2,682〜

非表示にしたものも含めると2,800話くらい?
これ8章。

あー

 

・・・

 

そういうことしちゃうんだ。

 

されてしまうんだ。

ふむー

俺はその程度なのか。

 

 

一緒に居て欲しいと願ったほんのわずかな女の人との最後、

は、

必ずこれ。

いや、

そちらにも色々考えや都合があるんでしょう。そしてそれは尊重されるべきです。

単に俺が、信用し過ぎただけ。

いえいえ、期待し過ぎただけ。

 

娘、然り。

 

と思ってた。

 

 

この長いロケが終わって帰ったら娘は居ないものだと。

ロケ出る三日前から帰って来てないし母親の方に泊まってるんだろうと。

てぇことは、あっちへ戻るか一人暮らしの相談だろなと。

 

上手く行かなかった撮影(俺でもこういうことはある)と、強風で手がかじかむくらい寒かった深夜の星空現場と、重い機材を担いで「とたとと」

 

あり。

家、灯り点いてる。

ありゃ、

居るのか。

 

娘ふつーに『万一帰って来た時なにもないと可哀想だ』と買って冷蔵庫入れといた松屋牛丼並豚汁付き食べながら、

 

「おかえりー」

 

お。おう。

ただいま(てかそれ大丈夫?何日前のだ?)

 

ゴミ箱に、同じ理由で入れといたマックの紙袋(あれも食べたのかだからお腹大丈夫?)

 

 

 

居なくなって欲しい。とは思ってない。

けどさ、俺一人ならひと月に掛かるお金は半分以下だしなにより、

 

筋トレギター天国じゃん?

 

ギター部屋だけじゃなくあっちでもこっちでもギター弾けるしMartinも出しっぱなしでいいし。

 

気ぃーをーつかわなくていぃー

 

シャワー浴びてふるちんで歩ける。

気兼ねなくおならできる。

いびきの罪悪感もなくなる。

それは精神の解放だろ?

 

 

 

渋滞原因の事故を過ぎると前が空き出す。

左のパドルを「トン。トン。」と2速落として猛然と加速するのを助手席で眺める首都高4号上り。

カーブの左前方に鈍色の雲の下、新宿の高層ビル群。

 

俺あそこで働いてたのか。

 

どだい無理な話しだよな。

 

帰ったら『覚悟の無職計画』を練ろう。

誰に迷惑掛けるわけじゃなし。

もーいーよね?

頑張るの大嫌い、努力はアーティストを堕落させる。

 

思ってたんだよー

 

 

「kenさん、勤めない方がいいんじゃないですか?」

「少しでも写真の仕事があるなら、それと短時間のアルバイトをして」

「今、探せばなんか、ちょっとだけ出来るアルバイトってありそうだし」

「残りはギターに集中するのもいいかも知れませんよ」

 

 

師匠(ギ)に言われるようじゃ俺、相当なギター馬鹿だな。

 

 

上手くない。

ちーとも上手くなんない。

単にストイック(←良く言えば)正しくはこだわりが強い(あすペーっ)なだけ。

写真の時もそうだった。何十年もの間、寝てる時以外、写真のことばっかり考えてたあとえっちなこと。

 

3年前の俺でも容易く(たやすく)弾ける譜面を渡されて、

・一つ一つの音を丁寧にきちんと鳴らすこと。左手の指先に小さな点を思って、そこで弦を確実に力を入れずに押さえること。

・指のフレットへの着地精度を増すこと。

・右手と左手のごくわずかな時間差を無くすこと。

・完璧にリズムを取ること。

 

できねえ。

それぞれは出来るけど全部を一緒にはできねえ。とても出来ない。

溜息しか出ねえ。俺まだこんなに下手くそなの?!

 

だから面白いんだけどね。

 

才能なんか無いのは分かってる、ギタリストになろうともなれるとも思ってない。

長生きしたいなんて思ったことない。死ぬことは怖くも何ともない。生きてる間にどこまで弾けるか見たいだけ。

 

 

 

・働いてお金を稼がないとデートした時、楽しませてあげられないじゃん?美味しいものご馳走出来ないじゃん?しょっちゅうラブホ行けないじゃん?

 

Ans.  誰がお前とデートするんだ?

 

・車だってさ、好きでTOCOT乗ってるけどさ、軽に乗せるの可哀想じゃん?コンクリートグレーのプリウスとかさ、そろそろ考えてもさ。

 

Ans.  先ず・・・プリウスでいーのか?! 落ちるとこまで落ちたなっ。そこはメルセデスくらいの見栄を張れよ。つか、何度でも言う。誰がお前の助手席に座ってくれるんだ? そもそもトコットの助手席に座ってくれてた彼女に謝れ。

 

・車は贅沢品でしょうがないとしてもさ(お前、人の話聞いてっか?)そろそろ人生店仕舞いなんだから、Kawasaki Z1とかハーレーとかもっかい乗りたいじゃん?

 

Ans.  ばーかばーかばーか♪

 

 

そういう生き方もあるよね。

伊達にロクデナシを自認して来なかったし「あなたはアーティストだから」と言われてないよね「浮世離れ」「アウトロー」とも言われてたけどー

俺ならそういう生き方しても良さそうだよね。

 

 

娘の母親に、

「あなたは何も持ってない人だから」

「マイナスからのスタートだから」

結婚期間中、何度か言われた。

(こないだ娘に話したら「何様だよ」と憤慨してた)

最近、

何も持ってない方が楽なこともある。と思う。

マイナスやプラスじゃなくて、生きてる意味が違うんだなと。

 

人生、諦めも肝心かも知れん。

ロクデナシの次は仙人かー

 

 

 

部屋の隅にコロコロを掛けてホコリを取ってルンバのステーションを移動してビーズクッションどかして、

 

ふと思い付いて、


リビングの真ん中に布団を敷いて寝てたのを隅っこにしてみた。

隣の部屋で娘が明け方まで起きててうるさいのと、今はマイコの咳が気になるのと。

これ反対側の壁際で寝ればまだマシなんじゃない?それでダメならずっと前に買って使ってない耳栓あるし(嫌味だし、万一の時を考えるとしたくないけど)

 

 

 

・子供の頃住んでた辺りにアパートが密集した一角があって、そこは今もそのまま残ってる。古いアパートの二階の端の部屋を仕事部屋兼隠れ家として借りた。隣町に抜ける坂道沿いに建っていて同じような建物ばかりでちょっと迷う。

あれ。あれ。あれどこだっけ?

こんな玄関扉じゃなかった。集合ポストなんか付いてなかった。一階の突き当たりに小料理屋なんかなかった。ミラーボール回しながらエレキを弾いてる住人なんか居なかった(大学生かな?音ダダ聞こえだけどギター弾いていいんだ。俺も弾いちゃおっかな)アパートが途切れるまで坂を下って見つからないから坂を戻る。

あれ?あれれ?なんかちょっと焦って来る。

だってさ、玄関が共用の狭くて急な木の階段を昇って曇りガラスからふんわり外光が入った廊下の左突き当たり、建てた当時は白かったんだろう大正ロマンっぽいガラスがはまったクリーム色の木の扉の部屋。

見つからない。一軒一軒覗いて見るけどどれも違う。探す足がだんだん重く、だるくなって来た。

アパートが見つけられない。

え。俺ボケた?痴呆?健忘?

え。ここにそのアパートあるよね?俺部屋借りてるよね?

ちょっと待て。

家賃払ってない。

引き落としされてない。

え。いつから?忘れてた?ずっと滞納してんの?!督促来てた?電話は?え。それだめじゃんまずいじゃん!何ヶ月払ってないんだろう?まとめて払うお金ある?

この無職な時になんてこったよ。

・・・・・頭が半分覚醒する。

アパートなんか借りてないよね?この家だけだよね。滞納してないよね。そもそもあの辺り、マンション建っちゃったよね。これ夢だよね?

 

 

・晴れた午後、リビングの窓辺に立ってバス通りを何となく眺める。ドラッグストアの方から親父とお袋が並んで歩いて来る。親父の身振り手振りから「kenの家はこの辺だ」とお袋に言ってるようだ。

ゾッとした。

門扉、鍵掛かってるよね。今更確認には行けない見つかる。お勝手口から入って来ないよね、おととい片付けて掃除して通りやすくしちゃったよ。静かにリビングの窓閉めて鍵掛けてカーテンも閉じよう。居留守居留守居留守。

・・・・・ぼんやり目が覚めて、お袋?!え。とっくに死んでるじゃんもう何年だよ?

あー良かった。ドキドキした。俺はほんとに親不孝者だな。

 

 

・お昼を一緒に食べようと両手でトレーを持って行ったら、先に座っていた彼女が白衣の医療従事者の男の人と話してる(誰だあいつ?)

彼女の背中と横顔しか見えないけれど正面に座った男の人とがっつり話し込んでる。

俺あそこに座るの嫌だな。

仕事の話かな。

ちょっと離れたところに座ろう。手前のテーブルで一人で食べよう。でもこれって嫌味かな。感じ悪く思われるかな?そんなつもりはないんだけどさ、あそこに入って行くのも感じ悪いじゃない?

そっか背中向けて座ればいいのか。それでLINEで伝えればいいか。

え。でもなんて言うの?どう書いても『ないがしろにされてやきもち』にならないか?

うーんん・・・

あ。でも実際そうなんじゃない?理解のある彼氏のフリをしたいだけで。

 

 

 

目が覚めたら頭がズキズキ痛い。

2m寝場所をずらしただけなのに。