卓球の全日本選手権が最終日を迎えています。
もう現役を退いて久しい僕ですが、毎年全日本の決勝はテレビ中継を観るのを楽しみにしています。
女子シングルス決勝の組合せは、ともに17歳の平野美宇(みう)と伊藤美誠(みま)。
世界ランキングでは二人よりも上位(4位)の石川佳純は準決勝で伊藤選手に敗れ、中継のゲスト解説をしているのが育休中の福原愛さんで、世代交代の波を感じます。
連覇を目指す平野選手に対し、伊藤選手は女子ダブルス・混合ダブルスで優勝し勢いに乗っている。
卓球は11点7セットマッチで1セットは短期決戦なので、勝負どころを押さえたり流れをつかむのが重要となる。
試合は伊藤選手が早い段階で流れを掴み、解説の愛ちゃんが「ゾーンに入ってる」と表現するほど一方的な展開になりました。
特に第3セットは、伊藤選手が何をやってもボールが入るという神がかり的な展開であっという間にスコアは10-0に。
次のサーブはリードしている伊藤選手。
以前のブログ(「11対0で勝ってはいけない?」)で、卓球の世界で11-0で完封するのはタブー視されている、という話を紹介しましたが、テレビのバラエティ番組でそのことを暴露(?)したまさに美誠さん本人なだけに、彼女がどうするのか固唾を呑んで見守りました。
でも内心僕は、いくら暗黙のルールでもまさか全日本選手権の決勝では、たとえ10点差でもわざとミスをすることはないだろう、と思っていました。勝負の世界は何が起こるかわからないから。
しかし、伊藤選手はあっさりと自分のサーブをミス(サーブミスは試合中この1本のみ)し、相手に1点を献上。
その後平野選手が1セットを取り返したものの、流れを変えることはできずセットカウント4-1で伊藤選手が優勝で大会三冠を達成。
伊藤選手の無敵の強さには舌を巻くしかなかったけれど、正直に言えば、わざとミスして1点をもらった平野選手が奮起して、試合をひっくり返してほしかった。
そうすればこの変な「暗黙のルール」も見直しの議論の対象になるかも。
さて、テレビでは男子シングルスの決勝が始まりました。
対戦カードは、全日本通算9回の優勝を誇る水谷隼と初の決勝進出の張本智和。
28歳の水谷選手に対し初優勝を狙う張本選手は14歳。1球たりとも見逃せない好試合になりそうです。