※※※フェルディナンド※※※
彼女はマインは僕が幼い日に病院で一緒に過ごしたフェルディナンドだと認識していた。
彼女があの日のマインであったことがすごく嬉しかった。また会えたことに神に感謝したいほどに。
しかし…彼女の中ではそうでなかったようだ……
それがとても辛いのは何故だろう…彼女が僕との間に引く線がとても長くて心が痛い。
アドルフィーネが僕のことを幼馴染以上に思っているのは薄々知っていたがそれは恋とは違って肉親の情だと思っていたがまさかマインにあんな事を言っていたなんて…
アドルフィーネの一言が線を引く行為に繋がったのならまだ望みはあるのだろうか…
はっ!僕は一体何を考えているのだ…マインのことは子供の頃確かに好きだった。初恋だったのかもしれない。基本的に僕は女性が苦手で好きではない。話をするくらいなら何ともないが触れられたりするのは蕁麻疹が出るほどだ。
幼馴染のアドルフィーネでも肉体に触れられるのは嫌だった。そのあたりは良家の令嬢であるアドルフィーネだからわきまえてくれた。
母と乳母だったリヒャルダ以外に触れられても大丈夫だったのはマインだけ。
幼い日の演奏会で涙を流しながら僕のヴァイオリンを聴いていたマイン。その彼女が気になって…そんな時僕は祖母に嫌われていた。父の母親はドイツ人の母のことを認めてなくて母の血が濃く出てしまった僕の顔を見ると良く嫌味を言った。兄は父の血が濃くあまりハーフには見えない。その為余計に僕は祖母に疎まれた。
あの演奏会のときに祖母が来ていてピアノを弾いていた兄をすごく褒めた後に僕に沢山嫌味を言った後母にも悪態をついて…そんな様子が苦しくて中庭で泣いていたらマインがいつの間にか側にいた。
マインは小さな手で僕の頭を撫でて大丈夫大丈夫とずっと言ってくれていた。
そして頬に流れる涙を救うと優しく口付けしてくれたのだ。
女性が触れるのが苦手の僕があのマイン手を思わず握り頬に持っていってしまった…
彼女だけだ!僕に触れられるのは!
そう考えたらここでマインと再会したのは運命のようにも思える。たとえマインが線を引いてもマインを僕のものにしたいと強く思った。
それからフェルディナンドはマインが入院している間毎日病室に顔を出した。
※※※※※マイン※※※※※※
あれからフェルディナンドが毎日病室に顔を出す。毎日色んな花を一本持って…
あの日置いていってくれた薄い本は世界の図書館を写した写真集だった。
まさか前世の記憶なんてないよね?
しかし…困った事も発生してしまった。入院しているこの病院はフェルディナンドの家の病院で彼は院長の息子で職員のアイドルである。そんな彼が毎日必ず顔を出す病室に私が居ることで色んな人が除きに来る。
看護師のお姉さんはフェルディナンドが居るときは優しく接してくれるがいないと注射とかわざと間違えて何度も刺されてしまったりする。
さて、どうしたものか?
でもやっと退院になり明日には家に帰れる。
そして明くる日退院の手続きの後診察で主治医からもうこのまま投薬治療では持たないと宣告された。
移植を受けるならば良いが受けないのなら後1年位しか持たないだろうと…
あぁとうとうきてしまった余命宣告。
覚悟をしていたとはいえ面と向かって言われると結構へこむ。
しかしこの今生はフェルディナンドを私の不幸と引き換えに幸せにすることだからそれが叶うのだから私に取っては幸せなこと。
甘んじて受け入れると主治医に言うと驚愕してた。まぁまだ少女で通用する私が簡単に余命宣告を受け入れるのだから当たり前か…
フランに迎えに来てもらって私は退院した。
と、ここまで。