※※※※※マイン※※※※※※※
施設の後援者が援助してくれて入院する事になった。
フランから後援者は米国の大きな投資会社だと言う。私が引き取られてから後援者になったらしい。それまでの施設は後援者がいなくて国からの援助でカツカツの状態だったらしい。
しかしこの後援者が付いてからは子どもたちは高校まで行けるようになったし、本当は中学を卒業したら施設を出なくてはいけないというルールも撤廃された。でも施設に対しての発言力は大きくて私がこのセレブ学園に特待生になっても辞退もできなかったのは後援者の意向らしい。
私はこの学園は自分には分不相応だし辞退したい気持ちのほうが強かった。でも私の我儘で後援者の支援が打ち切られたりしたら大変だと思って受けることにしたのだ。
まぁ通うのには少し遠かった事もあるし保護者は必要だからヴィルマの所に身をさせたけどフランとヴィルマは施設に入ったその日から私の家族だったし、前世の事もあって彼らの温かさに触れられるのが私の心を守ってくれたから本当に良かった。
そんな事をつらつらと考えていたらなんとフェルディナンドが病室に入ってきたのだ!
※※※フェルディナンド※※※
青い顔してベッドに横たわるマインを見た時に心に痛みが走った!そして頭の中に警告音が鳴り響いたのだ。
「マイン…」
やっとのことで彼女の名前を呼ぶと酷くビックリした視線を投げかげてきた…
「…フェルディナンド様なんで?…」
今彼女はなんと呼んだ!?学校での彼女は僕のことを冷泉さんと名字で呼ぶのに…酷く懐かしい響きだ…
思わず駆け寄り手を握ってしまった!
「えっ……何?」
「あっ…すまない…」
「いえ…でも…手を…離して…」
「君は…あのマインだろ?子供の頃この病院にいた僕のヴァイオリンが好きだと言ってくれた?」
「えっ?フェルディナンド様知っていたのですか?」
「やっぱり…君は知っていたのだな?何故黙っていた?」
「何故って…あんな昔のこと…たった一時のことです。私と貴方は住む世界が違うし、たとえ小さな頃仲良くしたと言ってもほぼ関係ないではないですか?」
「随分と冷たく言うのだな…」
「庶民クラスの私が彼女のいる方に早々親しく話しかけることはできませんよ?」
「彼女など!」
「アドルフィーネさんはフェルディナンド様の幼馴染で彼女でしょ?アドルフィーネさんがそう言ってました。だから古文書の研究の事も辞退しろと。彼氏が他の女の子と親しく話しているのを見て許せる人はいないのではないですか?」
「アドルフィーネはそんな事を君に言ったのか?彼女はただの幼馴染で僕の中では妹みたいなものだ!」
「…フェルディナンド様はなんでここに来たのですか?」
「君が無事か確かめに来た。昨日ヒルシュールのところで倒れてる君を見て心臓が止まるかと思った。ここに運んで母から大丈夫だとは聞いていたが自分の目で確かめたかった。」
「えっ?フェルディナンド様が私に薬を飲ませてくれたのですか?そして運んでくれた…」
「そうだ…」
「…それはありがとうございます。もう落ち着きました。少しだけ入院になりますが大丈夫ですよ?アドルフィーネさんにまた私が怒られてしまうので…」
「ごめん…疲れさせてしまうな。また…来る。」
そう言って薄い本を一冊置いて病室を出た。
※※※※※マイン※※※※※※
ビックリした!いきなりフェルディナンドがやってくるのだもの。私を助けてくれたのがフェルディナンドだったなんて!
しかも5歳のときの記憶があるなんて!もうビックリしかない。
まぁあの時何故かフェルディナンドに気に入られてしまって入院中ずっと側にいたからなぁ。
でも私も目覚めてすぐだったし手術もしてかなり心細かった。フェルディナンドの幸せは第1だったけど入院中何度となく彼の両親との仲睦まじい姿を見ることで心が落ち着いていったのも確か。
それに大きな手術をして心細い患者の私を慰めるのは自分の使命のように感じてたっぽいからなぁ。ホントに彼は優しい人だ。まぁ前世は分かりづらかったけど。今生は両親に思いっきり会いされて育ったせいか表情豊かだし、優しさも惜しげもなく晒してくれる。
そして今回は発作で苦しむ人を見てショックを受けたのかな?それで5歳のこと思い出したのかなぁ?
まぁ助けた相手がどうなるかは気になるよね?それできたのかぁ…
しかしアドルフィーネは彼女じゃないのかな?彼女は彼氏と言ってたけど…
まぁあれだけイケメンで頭も良くてスポーツ万能だからアドルフィーネが彼女ではなくてもそのうち綺麗な人が横に立つのは確実だね。
それを見るのはちょっと辛いかもしれないけど…どうせ数年だ!と…自分に言い聞かせる…
と、ここまで。