ヴェローニカの恨み穢れは祓われた。
気を失ったヴェローニカはユストクスによって警察に引き渡された。
指名手配されていたのでスムーズに事は運んだ。
洋館に戻ったフェルディナンド達だがマインはそれから1週間床についた。
心配でたまらないフェルディナンドだったがヴェローニカを警察に引き渡した事でジルヴェスターがうるさく言ってきている。
フェルディナンドの祖父からジルヴェスターは呼び出しを受けヴェローニカに悪行を伝えられた後自分の本当の孫ではないことも告げられた。
ジルヴェスターにフェルディナンドの父親とのDNA検察結果を見せこれから親子関係解消の手続きを取ると告げた。そして無一文では心許ないだろうと手切れ金一億円を用意してとユストクスの父親の顧問弁護士から渡された。
フェルディナンドの父親はまだ療養生活が続くため会わせることはできないと祖父は冷たく言い放った。
ジルヴェスターは母親が逮捕され母方の祖父も留置されている今頼るものは父親だけと思っていたのだがそれも拒絶を受けた。一億円はもらったが本来なら長男としてこの家の全てを相続するのは自分だと思っていた。父親の持っていた沢山の不動産。それを元に起こした不動産会社はヴェローニカや、ヴェローニカの父親のお陰で莫大な利益を生んでいた。それに祖父の持つ財産もいずれ自分に入ってくるものとして莫大な遺産を引き継ぐつもりでいたのだ。祖母の遺した洋館だけで良いというフェルディナンドにはそれ以外びた一文譲る気はなかった。
ヴェローニカからもフェルディナンドには何も渡さないようにと言われていたからこんな結末になるなんてどうしても認められなかった。
ジルヴェスターは洋館にフェルディナンドを訪ねてきては「お前は財産放棄したではないか!」と詰め寄るばかり。
それを聞いていたユストクスは…
「確かに手続きはしてはいましたが御当主様よりジルヴェスター様に相続者としての失格事項が発生した場合は御当主様及びアーデルベルト様の財産の相続権は全てフェルディナンド様に渡ると申しつかっておりました。私の父もそのように手配いたしております。」
「失格事項とはあのDNA鑑定書のことか?あんなもの捏造に決まっているだろ!」
「いえ、勿論それもありますがそれだけではありません。貴方様は犯罪にも手を染めていたではありませんか?それも調べがついております。御当主様はそれも含めてこの家の者として認めないと仰りフェルディナンド様に全てを相続させると手続きいたしました。もう完了しております。」
「何を!そんな事は認められない!いったいなんの罪を犯しているというのだ!私は逮捕もされていないのだぞ!」
「そうですね。今は逮捕されていませんが内偵調査は進んでおり一両日中に逮捕状が施行されるそうです。」
「だからなんの罪だと言うのだ!」
「言わなければわかりませんか?貴方はフェルディナンド様の通う学園の経営者一族と共謀して若い女性を拉致監禁した挙げ句売春クラブを設立して政財界の人たちに斡旋していましたね?それがヴェローニカや、ヴェローニカの父親を内偵していた捜査官が知ることになり別の捜査官が学園の経営者一族と貴方様をずっと調べていたのですよ。そして先日経営者一族の息子がフェルディナンド様の婚約者のマイン様を誘拐した事により女性達の監禁場所がわかり一気に操作が進んだのです。」
「何を!私はそんな事に加担していない!」
「女性に使われていた薬はヴェローニカが父親と一緒になってアーデルベルト様に盛っていた毒に催淫剤を混ぜたもの。これを貴方が取り仕切って渡していたことはわかっているのですよ?それに貴方の婚約者フロレンツィアさんの実家が売春クラブと政財界の橋渡しをしていたのも分かっています。今頃フロレンツィアさんとご親族は逮捕されていると思います。」
「そんな…おい!フェルディナンド!お前は弟だろ?兄の窮地を救うべきだろ?なんとかしろ!」
「ジルヴェスター!僕はお前を兄だと1度も思ったことがない!お前も僕を弟と扱ったことなど一度もないだろ!?」
「そんなことはないだろ!」
「いいや!僕がお前の母親に折檻や、虐待を受けていた時お前は薄ら笑いを浮かべて見ていただけではないか!」
「そんなことはない!手加減するように母に言ったことは一度や二度ではない!」
「もうやめましょう。ジルヴェスター様。あの家には御当主様より命を受けた使用人がおりました。彼らの証言で全て分かっていますよ。貴方様がフェルディナンド様にしてきた事も全て。もう諦めてお引き取りください。」
「何を!母が捕まって私まで捕まるわけにはいかない!なんとかしろ!フェルディナンド!」
フェルディナンドはもうジルヴェスターの顔も見たくないと神力を使いジルヴェスターを眠らせた。
「ユストクス。ジルヴェスターの逮捕状は出たか?」
そこへハルトムートが入ってきて…
「先程出ました。警察の者がここに引き取りに来ます。」
「そうか…それでジギスヴァルトの方はどうなった?」
「はい。アヤツの方も女性の拉致監禁などが証明されました。しかし…売春クラブはジルヴェスターとフロレンツィアの実家のみとなりました。トラオクヴァールがあらかじめ手を売っていたようです。」
「では、ジギスヴァルトだけ逮捕されたのか?」
「はぁ…それが逮捕はされましたがローゼマイン様以外の女性は告訴しないということで弁護士の力も桁外れで初犯ですのでそれほどの罪にはならないとの見解です。」
「何?そんな事になっているのか…」
「学園の方は現在高校3年ですが飛び級ということにして卒業暫くアメリカに留学ということになるようです。しかし彼の悪業を知ったダンケルフェルガーがハンネローレ様との密かに持ち上がっていた縁談を握りつぶしたそうです。先に決まっていたクラッセンブルグのエグランティーヌ様との縁談は弟のアナスタージウス様に変更になるようです。」
「しかし…アヤツがそれで潰れるとは思わないが…この先もアヤツ行動に目を光らせてくれ!」
「承知いたしました。それとですがローゼマイン様に手を出したことが我ら眷属にはどうしても許せませんでしたので神に祈りを捧げたところ…この地のある神がアヤツの男性機能の剥奪をしてくださいました。もうアヤツは二度と女性と交わる事はできません。子をなすことも。」
「ハルトムートよくやった!」
と、ここまで。