元気になったマイン。
「それで…ジギスヴァルトはどうなったのですか?」
「君の件はただの書類送検になった。他の拉致監禁されていた女性達はジギスヴァルトではなくジルヴェスターとフロレンツィア達を告発したのだ。」
「えーではジギスヴァルトとまた顔を合わす可能性があるのですか?」
「いや、奴は明日アメリカに留学する。」
「そうなのですね!もうあの顔を見たくないと思っていたので…しかし女性達はジギスヴァルトに何も思うところはなかったのでしょうか?」
「父親のトラオクヴァールが裏から手を回し女性達の親にかなりの金を握らせたらしい。そして彼女らを虫けらのように扱っていたジルヴェスターとフロレンツィアを警察に渡すことで納得したと。」
「それにもびっくりです。ジルヴェスターとフロレンツィアが売春クラブをやっていただなんて…」
「ジギスヴァルトは一度抱いた女には興味がなかったようだ。アヤツはその後女性を監禁して暴力を振るうことをしていたようだがジルヴェスターとは薬の関係で結びついていて増える女性の後始末を請け負ったらしい。フロレンツィアの実家の事業が傾いた時にこの女性を利用して売春クラブを思いついたと。政財界に顔がきくフロレンツィアの実家がその後舵を取りトラオクヴァールにも収益金や、政財界の情報を流していたと。」
「あちらの世界ではこれほど酷い人たちではなかったのに…」
「確かにあちらの世界では根は腐っていなかったがな…」
「フェルディナンド様に悪いですがジルヴェスターとフロレンツィアはアーレンスバッハにフェルディナンド様が行かれたあとのローゼマイン様に対する仕打ちはそれは酷いものでした。根は腐っていなかったとおっしゃいますが実際はやはりヴェローニカの子供だったのです。フロレンツィアは人に集るだけの無能な第一夫人でした。」
「ハルトムート…」
「私もジルヴェスターのことはあちらの世界でも許せませんでした。弟と言って構ってはいましたが毒に苦しんで食事が取れないフェルディナンド様に何の関心も示さずフラフラなフェルディナンド様を連れ回すだけ。そして何の瑕疵もないのに貴族籍を剥奪して神殿に貶した事は許しがたいことです。そしてフェルディナンド様に頼まれた姫様を王族に売り渡した事は許せませんでした。」
「ユストクス…側近達はあちらのジルヴェスター達も気に食わなかったのだな…まぁアレキサンドリアになってからのジルヴェスター達も酷いものだったからな…あそこまで他領に集るとは思わなかった。だからあの時点で情はなかった。私の家族はローゼマインと子供たちだったからな。」
「そうですね…エーレンフェストの時は…フェルディナンドが居なくなってからは私は地獄でした。アレキサンドリアになってからはまさかあんなに頼って来るとは思いもしませんでしたよ。だって散々フェルディナンドのことを他領の人間だと言っていたのですから…」
「そしてこちらの世界のジルヴェスターは最初から嫌な奴だったからな。私にとっては敵だった。」
「まぁここまで酷いのは穢れの影響があるのでしょうけど…」
「龍神様は確かに穢れの影響が全く無いとは言わないがジルヴェスターとフロレンツィアに関しては元々持っている資質が極悪だったらしい。だから悪が呼び寄せあって結びついたと。」
「では祓う事はしなくても良いのですか?」
「あぁ素が悪党だからな。恨みなどで作られた穢ではないし祓う事はできないらしい。改心してくれればよいが何しろ金への執着心が強く無理だろう。実刑は免れないからそれで少しでも良くなってくれればいいがな。」
「まぁ無理でしょう。刑務所に入ったらそこで徹底的に矯正するように手を回しておきます。」
「そうですね…女性をあんなふうに扱うのはやはり許せませんし…」
「とりあえずはジルヴェスターや、ヴェローニカのことは片付いた。次はトラオクヴァールや、クラッセンブルグを片付けないとな。」
「そうでした。穢れの化身を封じないと。クラッセンブルグとトラオクヴァールは穢れの化身の手足ですよね?彼らは穢れを受けているのですか?」
「それなのだが…」
と、ここまで。