兆し
もやもやの ヒゲの兆しの可笑しさは 幼き口もと丸い鼻さき浜田えみな* * *昨日、人間1回目のことを書きましたが、人間になったら、期せずして「おかあさん」の体験もついていました。男の子のおかあさんは、みなさん体験されるのでしょうが、まあるくてちいさくてふわふわのかたまりだった子どもが、なんだかゴツゴツして長く伸びてきた……などと思っていると、ふと気づけば、声が低くなり、口のまわりにはモヤモヤとした汚い影が!!!!近づいてよくよく見れば、まだやわらかく、ふよふよとした産毛が、びっしりとそよいでいます。なんとも微妙な発見です。(えーーーーーっ)(あんなにかわいかった、ツルツルもちもちの、よだれだらけで、おっぱいごくごく飲んでいたおくちに、ヒゲーーーーっ)でも、そんなヒゲの兆しにふちどられる口もとは、あいかわらず子供のときのままにあどけなく、たわいないことを口走り、ごはんをモリモリおいしそうに食べ、鼻先は、やっぱりちんまりと丸く空を向き、嬉しいと鼻の穴はヒクヒク開きます(笑)大人と子供が同居しているアンバランスな息子の顔は、見るたびに信じがたい不思議なもののようで、なんだか吹き出したいのをがまんしている気持になってしまうのですが……、(ああ、さみしさをごまかしているのだ)と、気付かされるわけです。昨日、ふと。さてはこの子も人間1回目だと思ったら、小言を言う気が消えました。何をしたくて生まれてきたのかわかりませんが、体験したいことがあり、尋常ならぬ意志を持ち、ものすごくがんばって、ここに生まれてきたんだもの。なんちゃって。思うだけかな。また、怒っちゃうな。