スペインで働き始めてもうすぐ3か月。



ここでの仕事の楽しみは、なんといっても有給休暇です。スペインの労働者にとって、有休は単なる休みではなく、人生を楽しむための大事な権利。私が働くホステルでも、夏には最低17日以上の休暇が義務付けられています。


昨年まではディレクターに決められた枠でしか休めなかったそうですが、今年は皆で相談して好きに決めて良いというルールになりました。自由に決められると聞くと、喜びの声が上がる一方で、調整の話し合いは意外とヒートアップします。みんな、人生を楽しみたいのです。



スペイン語の壁とコミュニケーション。


3か月が経ち、電話対応も問題なくできるようになった私。しかし、スペイン語文化圏の人たちとのコミュニケーションはまだまだ難しい。お客様とのやり取りは比較的シンプルですが、スタッフ同士のニュアンスのやり取りには注意が必要です。


そんな中、休暇日程の調整で小さなトラブルが起きました。スタッフ全員で会議をして希望日をメモしたあと、カフェテリアで働く女性だけ日程を聞くのが後回しになってしまったのです。


そこで、WhatsAppで共有したメモが少し分かりにくいと感じた私は、見やすく整理し、彼女の予定に「a confirmar(確認待ち)」と書き込みました。


すると彼女は、怒ったようにこう言いました。


"no me parece justo que solo la que tiene que confirmar es yo"

(「確認しなければならないのは私だけだなんて不公平」)


私は焦りつつも、誤解を解こうとメッセージを送りました。


"Perdón, pero no tengo mala intención. Nadie está confirmado. Solo quería organizar las fechas apuntadas en el calendario para ajustar fácilmente. Te parece mejor así?"

(「悪気はありません。まだ誰も確定していません。カレンダーを整理して調整しやすくしたかっただけです。これで大丈夫ですか?」)


しかし、彼女からの返信はありませんでした。承認書類もまだ提出していない段階で、この反応。少し大人気ないと感じつつも、文化や立場の違いによる誤解だと割り切るしかありません。



文化理解とコミュニケーション力の大切さ


今回の経験から学んだことは、スペインで働くうえでの文化理解の重要性です。意図は善意でも、言葉や表現の違いで誤解が生まれることがあります。また、有休の調整のように「自分の権利」が絡む場合、感情が強く出やすいことも分かりました。


メッセージだけでなく、対面での最終確認をする


表現や言葉選びに気を付ける


透明性のある共有方法(カレンダーなど)を活用する。


こうした工夫で、トラブルを最小限に抑えられます。


スペインで働き始めて7か月。


少しずつですが、スペイン語も上達してきました。まだまだ完璧ではありませんが、こうした小さな経験が語学力だけでなく、文化理解や人間関係力も育ててくれます。


スペインで働くことは、単なる仕事ではなく、人生の楽しみ方を学ぶ毎日です。有休の話一つでも、そこには学びと挑戦が詰まっています