スペインの二つ星ホステルで働きはじめて、あっという間に2週間が経ちました。



日本で社会人経験があり、さらに2年間フロントスタッフとしてアルバイトをしていたからといって、スペインで即戦力になれるわけではありません。


思い返せば、ここに至るまでの道も平坦ではなく


インターンシップは3日で辞めることになり



次に雇われた会社は違法だらけで2週間で不当解雇



その後、短期契約でお茶屋さんの店員になり、




やっと正社員のチャンスを得られたのが今のホステル。




つまり、スペインで働いた経験はまだたった1ヶ月。


1人で任されるスピードの早さ


スペイン語もまだ完璧ではないなか、入社1週間で「Cierre(閉館作業)」を1人で担当。2週目にはカフェテリア、3週目は午後シフトを1人で、4週目には夜勤まで任されるようスケジュールされています。


システムの操作方法すらすべてインプットされていない状況で、わずか1ヶ月で朝から夜勤まで1人でこなせと言われるのは、正直かなりハードです。



「試用期間が2ヶ月だから、2ヶ月目で不足を補えばいい」という考えかもしれませんが、スピードがあまりにも早い。


現場のリアル


フロント主任(Jefa de recepción)からは「もう2週間働いたのだから、来週からは1人で大丈夫」と言われました。


けれど、現実はそう簡単ではありません。


清掃スタッフは時間内に部屋を終わらせられないことが多く、


システムにも情報が正しく反映されていない日があり、


新人清掃スタッフはスピードが追いつかず……



その穴を、トランシーバーと携帯電話だけで何とか回していかなければなりません。


先日は、ドイツからの修学旅行団体が到着。午前中は主任が助けてくれましたが、体調不良で早退。午後のチェックインから荷物対応まで、すべて1人で担当しました。


もちろん他のお客さんも同時に対応する必要があり、

「部屋を変えてほしい」

「下のベッドにしてほしい」

「連泊の手続きをして」

「荷物は置いて出かけたい」

――要求が一気に押し寄せます。


その場で即対応しないと、すぐにイライラされることもあります。


世界中から集まる人々は、価値観も国民性もまったく違う。頭がパンクしそうになります。



それでも働き続ける理由


日本のホテルも最近は同じように多国籍化が進んでいますが、やはり「白人社会の国」で「アジア人」「日本人」として正社員で働くのは、とても特別なこと。


不安やプレッシャーは大きいけれど、試用期間を踏ん張っている今この時間そのものが奇跡だと思います。


外国人として働くことは、日本にいるときの何倍も難しい。


けれど、この挑戦がきっと自分の力になると信じて。