スイスで妊娠出産 -59ページ目

スイスで妊娠出産

異国の地でイサ夫とアイ子が親(Eltern)になっていく記録

月曜日に産婦人科に行った時、
帰り際にドクターボスが一枚の紙をくれました。

それは、女性の体の解剖図でした。

その解剖図には女性の内臓器官の名称がドイツ語でかかれていました。

ドクターボスがそう言ったわけではありませんが、

「そこに出てくる単語くらい覚えておきなさい!」

ってことだと私は悟りました。

そう、無言の圧力っていうものよ。

それから毎日、暇さえあれば解剖図を眺めております。

カラーで描かれているから、眺めていて決して気持ちのよいものじゃないんだけどね。

「ボケる」にも書いたように記憶力がすっかり低下してしまった私の頭では
ドイツ語の長い単語なんてスラスラ記憶できるはずもありません。

本当、長いのよ。ドイツ語の単語。

でも、今日気づきました。

ドイツ語単語って専門的になればなるほど長くなる傾向があるんだけど、
気が遠くなるほど長い単語でも、その中に隠れている短い単語(パーツ)の意味が理解できたら、
結構簡単に覚えられることに。

ドイツ語がお得意な方は、もうとっくにご存知なんでしょうけどね。

例えば、子宮のことをドイツ語ではGebärmutterと言います。

長いでしょ。日本語なら漢字2文字(ひらがな4文字)なのに。
ドイツ語なら11文字。

英語でさえWombで4文字で簡単なのに、
なんでドイツ語はこんなに「まどろっこしいの!」と最初は怒っておりました。

でもね、Gebärmutterは、実は2つの短い単語からできています。

Gebärは「出産」でMutterは「母」。

「何で母も子宮もMutterなのよ?」

って、納得のいかない人もいると思うけど、

「母(自分自身)=子宮」

ってイメージを頭に焼き付けてしまうと、
もう子宮は Gebärmutter以外の何ものでもないように思えてくるから不思議です。

んでもって、
Gebärmutterを覚えてしまえば、
Gebärmutterwand(Wandは「壁」を意味するから子宮壁のこと)って、
もっと長い単語だって瞬時に覚えられてしまうの!

ちなみに、卵管はEileiter。

Eiは「卵」でLeiterは「橋」を意味するから
Eileiter は 卵巣と子宮の間をつなぐ「卵の橋」というわけ。

面白いでしょ。

さあ、この調子でどんどんドイツ語単語を覚えていこう!

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話は1週間前に電話で産婦人科の予約をした時にさかのぼります。

まず電話をかける前、
"Ich habe heute einen Schwangerschaftstest ausprobiet und der war positiv.
Ich möchte einen Termin haben, wenn möglich nächste Woche."
(今日、妊娠検査薬を試してみたら陽性になったので、
できれば来週中に予約をとりたい。)
とメモ用紙に書き、何度も何度も暗唱しました。

電話口の相手が、訛りの強いスイスドイツ語で、
機関銃のように話しかけてきて私を混乱させようとも、
この一文さえ相手に伝われば、予約だけはとれると確信が持てるまで、
何度も何度も繰り返しました。

こんな涙ぐましいまでの努力をしたにもかからわず、
病院に電話がつながったら、挨拶の後にすぐに、
「恐れ入りますが、英語をお話しになりますか?」
と聞いちゃったのだけどね。

「ごめんなさい。英語はぜんぜん分かりません。」
と即答され、淡い期待は打ち砕かれました。

そこで、さっきまで暗唱していたあの一文を言うと、
「それでは来週の月曜日、午後2時半に来て下さい。」と、
あっさり予約をとることに成功。

この先はもう、相手が何をスイスドイツ語で言っても、
「ありがとう。それでは次の月曜日に!」
と言って電話を切るつもりでいたのに、
受付の女性はさらにつづけて何かを言いました。

「ドクターボスのオフィスへは、入口を右に曲がると
左手にエレベーターが見えるので、
それでミーヌスアインスに行って下さい。」

「ミーヌスアインス?ミーヌスアインスって何ですか?」

「えっ!ミーヌスアインツが分からないんですか?
ミーヌスアインスはミーヌスアインスですよ!」

受付の女性が苛立ちを感じ始めていると察した私は、
「ありがとうございます。月曜日に行けば分かると思います。」
と言って電話を切りました。

当日、病院に着いたらすぐにミーヌスアインスの意味が分かりました。

地下1階のことでした。

ミーヌス=マイナス
アインス=1


つまり直訳で「マイナス1」という訳です。

ドイツ語の教科書で「地階」は「das Untergeschoss」と習っていたので、
まさか「Minus 1」が地下1階のことだとは夢にも思いませんでした。

その時は、妊娠判明で気が動転したとは言え、後で思うと、
なんでこんな簡単なドイツ語単語の意味を推測できなかったのか....

本当に情けない!

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昨日はイサ夫の誕生日でした。

せっかく前日の夕方に誕生日のことを思い出したのに、
当日の朝は初めての妊婦検診のことで頭がいっぱいで、
出かけぎわにイサ夫が寂しそうに、
「今日は何の日だか知ってる?」
と問いかけるまですっかり忘れていました。

さて、そんなハプニングのあった朝でしたが、
午前中はドイツ語学校で真面目に勉強をし、
家に帰ってお昼ごはんを食べ、
ちょっと休んでから病院に出かける予定でした。

2時半からの予約だったので1時半頃に準備を始めて、
2時には家を出る段取りでちゃんと動いていたのに、
準備が終わってソファで休んでいたら眠りこけてしまって、
起きたのがなんと2時15分!

血相を変えて家を飛び出し、全速力で駅まで走り、
目を覚ました5分後にはトラムに飛び乗りました。

ぜえぜえ息を切らしながら2時32分に病院に到着。

受付の看護婦さんに、
「いくらオリンピックの開催中だからといって妊婦は全力疾走しなくていいのよ」
とやんわり咎められるまで、自分が妊婦であることを忘れていました。

その後、無事に診察が終わり、

「次の診察は10日後だから受付で予約をしてから帰ってね」

とドクターボスに告げられたにも関わらず、
診察室を一歩出たら気が抜けたのか、予約のことなどすっかり忘れて、
受付の看護婦さんに元気に「さようなら!」と挨拶をして、
そのまま帰ってしまいました。

帰りのトラムで思い出して病院にあわてて電話をかけましたけどね。

そしてそのトラムの中で可愛らしい柄のリュックサックを背負った妊婦を見かけて、

「妊婦の外出には機能的なリュックサックがもってこいよね。そうだリュックサックを買おう!」
と急に思い立ち、街のスポーツ用品店へと向かいました。

店に入るとエスカレーターの乗り場に、
「スキーが入荷されました!」
と大きな看板が出ていたので、
「おお!ニューモデルだわ。見たかったのよ!」
と意気揚々とスキー売り場へと一直線。

10分くらい色々なメーカーのスキーを物色した後、
満足して家路につきました。

当初の「リュックサックを買う」という目的をすっかり忘れて....。

そしてスキーを見ているときは、
「今年の冬はどこでスキーをしよう」
と真剣に考えていました。

今年の冬は大きなお腹をかかえて過ごすことになるかもしれないことなど、
一瞬たりとも頭をよぎらなかったことが自分でも不思議でなりません。

妊娠の初期症状に「脳の機能が衰える」というのはあるのでしょうか?

お腹の中の小さな生命体に脳を侵され始めているようで恐ろしゅうございます。

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