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スイスで妊娠出産

異国の地でイサ夫とアイ子が親(Eltern)になっていく記録

我家には電子婦人体温計というものがあります。

私たち夫婦の暮らしが安定してきて、
「そろそろ子供がいてもいいね」という話を、
実は、去年の夏頃からしていたので、
今年のお正月に日本へ行った際、買ってきたのです。

480日分の体温を記憶して小さな液晶画面にグラフまで作ってくれて、
検温時間はたったの25秒。
しかも毎朝ご丁寧に同じ時間にアラーム機能で人間を起こしてくれる。
それはそれは便利な日本製の電子婦人体温計。

値段は6700円。

たかが体温計に6700円なんて高すぎる!

イサ夫のアメリカ留学中に極貧生活を強いられていた私たち夫婦は、
身の丈にあった買い物しかしない習慣がしっかり身に付いていたため、
あれば便利だとは分かっていてもこの体温計を買うのをだいぶ躊躇しました。

ただ体温を測るだけなら、電子体温計なんて1500円くらいで買えるんだもん。

大型電気店の婦人用電子体温計の棚のまえで、
「買うべきか買わざるべきか」、「必要か不必要か」、「贅沢か必需か」、
などと延々と迷っている時、イサ夫のこの一言で買うことが決定しました。

「僕ってね、わざわざ傘を会社に持っていった日は雨が降らないのに、
きっと降らないから大丈夫だと思って傘を持っていかなかった日に限って雨が降るんだよ。

神様が僕にそういう意地悪をよくするんだ。

だからねこの電子体温計を買わなかったらいつまでも妊娠しないけど、
買ってしまったらきっとすぐに妊娠するような気がする。」

かくして私たちはこの高価な電子婦人体温計を日本土産にスイスに戻って来たのでした。

それから、話はそれるけど....

さっきの「アメリカ留学中に極貧生活を強いられていた」というのは、
言い過ぎだったかも。

当時は私が働いていて、ある程度の収入があったので、
「アメリカ留学中は非常に慎ましい生活を送っていた」に、
言い換えます。

それでも私とイサ夫が倹約家夫婦であることにはかわりないのだけどね。

スイス人の国民性にも「倹約好き」っていう傾向が強く見られるから
スイスは私たちにとって結構住みやすい国なのよん。

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先週、イサ夫が出張から帰ってきてすぐ、
「待ってました!」とばかりに例の超音波写真を見せました。

ただの小さな黒い丸い影を見たところで、
感動して涙するものでもないのだけどね。

「妊娠は本当なんだ」という気持ちにはなってきたらしい。

でも今日、「子供を産んで育てるのって大変そうよ」という私の言葉に、

「楽しそうでいいんじゃない」とイサ夫があっさり返したときは、

「そうよね。イサ夫は痛いおもいをして産むわけじゃないし、
昼間は仕事にいくから気楽でいられるわよね。」

とちょっとだけ嫌みを言っておきました。

だってイサ夫は妊娠や出産について何にも知らないんだもん。

少しずつイサ夫を追いつめたり褒めたりしながら、
自分から勉強するように仕向けなくては!

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つわりって、朝に吐き気がしたり、
お腹や頭が痛くなったりする妊娠初期の症状のことでしょ。

だから、ドイツ語では die morgendliche Übelkeit、
英語でmorning sicknessっていうのよね。

つわりは妊娠4-5週目頃から始まるって聞いたのだけど、
私はもう7週目に入ったのに全然なんともないの。

先週、ドクターボスのところでも、
「そろそろ、つわりが始まる頃だから、
気持ち悪くなったらハーブティーでも飲んで、
ゆっくり体を休めておきなさい。」
と言われて、心の準備はできていたのに....

どこも痛くないし、気持ち悪くもない。
毎日、よく寝て、よく食べて、これまでどおりの健康生活。

それから酸っぱいものが食べたくなるということもないし、
ある特定の果物やお菓子を無性に食べたくなるというような、
ステレオタイプの妊婦の症状も一切ないの。

妊娠して唯一変わったことは、「ボケる」にも書いたように、
「短期記憶が著しく低下」したことくらい。

私、本当に妊娠しているのかしら?

それとも、おバカになっただけ?

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