平城宮いざない館 ─ 令和2年10月24日 ─ | タクヤNote

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元mixi『東大寺』『南都七大寺』コミュニティ管理人で、
現在は古都奈良の歴史文化の紹介、
アメーバピグや、配信アプリ『RIALITY』で知り合った人の
アバターの絵を描くなどの自作イラスト紹介をしています。

先月10月24日に平城宮跡に行きまして、前回11月3日の記事では、その日に訪れた平城宮跡資料館のレポを書かせていただきました。

この日、平城宮跡に行こうと思った理由が、前回の記事でリブログした、レインボーパパさんのブログ記事です。

こちらの記事で、同じ平城宮跡にある施設『平城宮いざない館』についても書かれていて、それを見て平城宮跡に来たということもあり、またこれまで訪れたことが無かったこともあったので、平城宮跡歴史資料館と同時に平城宮いざない館にも、今回始めて足を運びました。

 

平城宮跡資料館は、平城宮跡歴史公園の北西の角ですが、平城宮いざない館は公園の南、朱雀門ひろばの東側にあります。 二つの施設は徒歩で1㎞ほどの距離で建っています。

 

 

朱雀門ひろばではちょうど、『平城京天平祭・秋』のイベントが開催中でした。 朱雀門前には花が飾られ、シャボン玉が飛び、天平衣装をまとったマネキンが、奈良時代へと来場者をタイムスリップさせます。

 

 

 

そんなお祭りの雰囲気ながら、コロナの影響か土曜日のお昼なのに少し閑散とした朱雀門ひろばから、いよいよ平城宮いざない館へ行きます。

平城宮いざない館は国営平城宮歴史公園に平成30(2018)年3月にオープンした朱雀門広場の観光拠点となるガイダンス施設ということですが、ずっと奈良を紹介するブログを書きながら、レインボーパパさんのブログ記事を見るまで、訪れるどころかそのような施設がオープンしていたことも知りませんでした。

 

 

この日は実際に行ってみて、建物の大きさにビックリ。 床面積6,700㎡、こんな大規模な施設が馴染みの平城宮跡にオープンしていたのに、それを知らなかったとは奈良情報ブロガーとして恥ずかしい限りです。

 

入口から入ると長い廊下につながるロビーがあり、グッズ・ショップや平城宮いざない館敷地内から出土した井戸の遺構の出土品の展示などがありました。

 

 

 

『平城宮いざない館』とは、どのような施設かと言うと、ひと言で言えばこれから紹介する四室の展示室を中心とした平城京をテーマにした体験型施設なのです。

 

まず第一展示室ですが、足元に平城宮跡歴史公園の地図が床にデザインされたコーナーが登場します。 『平城宮跡のいま』というエリア名の、平城宮跡歴史公園の案内コーナーです。

 

 

続く第二展示室は『平城宮のようす』というエリア名で、第一・第二大極殿院や東院庭園などのジオラマ模型が展示室いっぱいに広がる壮観な展示エリアとなっていました。

 

 

ちなみに、11月3日にアップした前回のブログ記事で紹介した平城宮跡資料館にも第一大極殿院のジオラマ模型の展示があり、平城宮内の二箇所の展示施設で2つの第一大極殿院の似たジオラマ模型が展示されているのです。

 

 

第一大極殿ジオラマ模型(左・平城宮跡資料館  右・平城宮いざない館)

 

第三展示室に入ると、巨大な第一大極殿の構造模型が展示室の中央にドーンと置かれています。 エリア名は『往時のいとなみ』で、宮大工が復元した天平の建築様式を紹介する建材や、奈良時代の用品の復元品などが展示されています。

 

 

そして平城宮いざない館の中で一番大きいのが第四展示室。 エリア名は『時をこえて』で、展示室入口に展示された7メートルの木樋(排水溝)が目を引きます。

 

 

第四展示室はこの木樋や柱などの大型出土品の展示を中心に、木簡や道具などの用品、官衙や寺院の瓦など、平城宮および平城京各所の発掘現場から出土した、考古遺物の実物展示が中心となっていました。

 

 

今回、平城宮跡に来たのは平城宮跡資料館での特別展『地下の正倉院展』での長屋王家木簡を鑑賞することでしたが、この平城宮いざない館の第四展示室にも、3万5千点に及ぶ重要文化財の長屋王家木簡の一部が展示されていて、貴重な地下の正倉院文書を鑑賞することが出来ました。

 

 

 

常設展示室以外にも企画展示室もあり、この時は『元明天皇展』という展示がされていました。 イラストとパネル展示で奈良時代の女帝、元明天皇の生涯を紹介するというものです。

 

 

パンフレットの裏を見ると、スタッフ一覧の中に「イラストレーション・上村恭子、企画・ディレクション・生駒あさみ」のお名前が。 上村恭子、生駒あさみ、どこかで聞いたことのあるお名前ですが…

 

 

2014年1月29日のブログ記事で紹介しました、奈良きたまちに店を構える『旅とくらしの玉手箱・フルコト』で共同経営をされている5人のあるじのうちのお二人だったのです。

 

 

特に上村恭子(上村ヤスコ)さんは、小生がmixiで東大寺コミュニティの管理人をしていた当時、色々とお世話になった思い出がある方なのです。 たまたま立ち寄った場所で知っている名前を見る時、奈良について情報発信をして来た今までの活動が、色々なところに縁を生んでいると思う機会であります。

 

今回、平城宮いざない館を鑑賞しての感想を書きますと、まず非常に広い展示室をいくつも持つ規模の大きな展示施設だったということ。 そして、展示内容について言いますと、パネルや映像機器などと合わせて復元品と実物とを組み合わせた展示。 あえてシビアな表現で言いますと、平城宮跡歴史資料館と平城宮いざない館、規模の差はありましたが、平城宮跡歴史公園に酷似した展示施設がふたつも建てられているなと思いました。

正直言って、これであればわざわざ二ヶ所に分けて施設を設ける必要は無いのでは、いずれは両展示施設は統合することも視野に入れなくてはならないのではという感想を持ちました。 そうで無ければ、平城宮いざない館は復元品やパネルを中心とした展示、平城宮跡資料館は出土した実物を中心にした展示にするなど、両館の展示内容をはっきりと展示目的を分担したものにする方向で考えなくてはならないと思いました。

 

平城宮いざない館を出た小生は、その機会に平城宮跡にある展示施設をまとめて廻りました。 まず第一大極殿院へ、現在は正面の南門の復原事業が進行中で、復原現場は工事用の覆屋が建てられています。

 

 

その南門復元工事現場を見学用窓から覗き見ることが出来るのです。 作業中は工事の様子も見れるそうですが、この日は土曜日だったので工事は無かったのですが、建築途中の南門のは見ることが出来ました。 庇部分が見えましたが、瓦はまだ葺かれていないようで、下地の垂木がむき出しになっている状態となっていました。

 

 

見学用窓へは、正面の見学用の階段を登って行きます。 この階段からの見晴らしは良く、70-200mmの望遠ズームに1.7倍のテレコンバーターを接続し、340mm相当の望遠で東大寺大仏殿と二月堂を撮影してみました。

今年失敗した超望遠での二月堂お松明撮影のテストのつもりで、来年こそはぜひ成功させてみたいと願掛けのつもりでシャッターを切りました。

 

 

 

そして、再び朱雀門ひろばへ。 平城宮いざない館の朱雀大路を挟んだ西側が県営の四棟の県営の観光交流施設が建てられています。 天平つどい館は団体客の集合スペースと公園の案内情報の施設。 天平うまし館はカフェ・レストラン。 天平みつき館は観光案内所と特産品などの販売店。 天平みはらし館は展望デッキとVRシアターなどの施設となっています。 

 

 

このエリアの見どころは復元遣唐使船です。 平成22(2010)年の平城遷都1300年祭で建造され、その後も平城宮跡で展示されていました。 今回の朱雀門広場の整備に合わせて、水上に浮かぶような整備がされました。 

 

 

この日は船に乗船させてもらいました。 何度も平城宮跡に訪れていた小生は、この復元遣唐使船をよく遠目に見ていたのですが、実際に船に乗り込むのはこれが初めてであります。

 

 

復元遣唐使船は甲板の上の見学をしました。 船上は説明のパネルがいくつもありましたが、船の資料がまったく無いのでこれらはすべて推定ということになります。

 

 

この船に乗った時は、NHKの古代史ドラマスペシャル『大仏開眼』の遣唐使船でのシーンを思い出します。 ドラマではこの船をセットに撮影がされていました。 

海が見えない宮跡の内での展示となっていますが、大海原を公開するイメージを小生は甲板の上で思い浮かべました。 実際にこの船に乗って大洋を航海したら、いったいどんな気持ちになるでしょうか

 

NHK古代史ドラマスペシャル『大仏開眼』

 

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