ご無沙汰しています。
劇団員の木之枝棒太郎です。
11月も終わりに近づき、冷たい風が吹く季節になりました。皆さま元気に過ごされていますでしょうか?
2023年11月18日。本日をもちまして、横浜の劇団「虹の素」は解散いたしました。2011年の旗揚げ公演から約12年間。
僕の人生の1/3を共に歩んできた虹の素。
この船での大切な旅が終わりました。
今まで虹の素と関わってくれた、劇団員のみんな。元劇団員のみんな。出演してくれた客演の皆さん。スタッフをしてくれた皆さん。虹の素の公演を一度でも観に来てくれた皆さん。WSやオーディションを受けにきてくれた皆さん。神奈川県演劇連盟の皆さん。今まで応援、支えてくれた家族のみんな。
まず始めに感謝の気持ちを伝えさせてください。本当に本当に、今までありがとうございました。
12年間。いいことも悪いことも、大変なことも、沢山ありましたが、全て引っくるめて本当に愛おしく、幸せだったと、全力で走ったと心より思います。そう思えるのも、やってこれたのも沢山の人との出逢いがあったからです。
感謝の気持ちでいっぱいです。
だからこそ、今年このような形で解散することは本意ではありませんでした。
舞台は1本作るだけでもかなりの時間と精神力とエネルギーを使います。それを毎月、何本も掛け持ちで続けてきて、やってきて、やり切ってきた。ずっと、気を張っていた。
そんな最中の12ヶ月連続公演の中止。努力は水の泡にはならないとは思ってるけど、やはり火が消えてしまいそうになった日もありました。
12ヶ月連続公演を最後まで走り切って、来年も失恋博物館を開館し、本公演を打ち、いつかは2020年に中止になってしまった10周年記念公演「夜明け」をちゃんとやりたかった。
もっともっと虹の素の作品で皆さんに伝えたいこと、届けたいことが沢山ありました。
それが叶わないことが、無念でなりません。
ですが、この気持ちも、想いも、糧にして、この運命に従って、これからも僕は今まで以上に舞台に対して真摯に、人事を尽くしていく事を誓います。そして今後も舞台を続けていく上で、今回のようなことが二度と起こらないために、より一層勉強し、アップデートをし続けるつもりです。
さて、「夢中で生きる」ということが自分の指針でして。常に夢中で生きてきたので中々こういう機会でもないと立ち止まって過去を振り返らないのですが、いつが一番幸せだったかな。と。振り返る度に、僕はいつも今、この瞬間だ、と思ってきました。
その度に、「あ、よかった、僕は夢中で生きてる。僕は夢の中にいる」と思うのです。
劇団があること、劇場があること、一緒にいる仲間がいること、公演が打てること、お客様が観に来てくれること、沢山の人と出会えること、大好きな演劇をしながら仕事がもらえ、美味しいご飯を食べていけること、帰る家があること、休みの日には家族で色んな場所に出かけられること、子どもの成長を見ること、猫と戯れること、いい音楽を聴いて感動すること、芝居で心が震えること…etc 全てが夢のようで幸せなことです。
でも、確かにその夢の中で生きてきた。神奈川で、横浜で、ずっと活動を続けてきてよかったと。何かを大切にし、本気向かいあっていると、それがちゃんと自分に返ってくる。見てくれる人は見ていてくれる。と実感しました。
幸せで、前向きで、プラスで、建設的な言葉を使いながらこれからも生きていきたい。
信頼していきたい。義理を果たしていきたい。これから自分の生きていく場所が、ウソをついたり、否定したり、争ったり、傷つけたり、奪い合ったり、分け隔てたり、そんなマイナスな場所にならないように。元気に、前向きに、進んでいきます。
自分よりも大変で、悲しくて、辛い人は世界には沢山いるのですから。
さて、今日で虹の素最後の日。
何をしようか。最後に何をしたいか。
みんなで話し合い、最後は虹の素のみんなと旅に来ています。みんなと過ごす最後の時間。
そういえば、僕が虹の素に初めて関わったのが2011年の夏の「虹の旅」なんです。
なので今日、最後の日も「虹の旅」なのが、そしてあの時と同じ県に来ているのが、とても感慨深いです。虹の素の12年間を振り返ると、何日あっても語り尽くせません。
そんな中、昔のブログを色々と読み返していたら、2020年の10周年の時に僕の虹の素の歴史を振り返っているものがあったので、リンクを載せておきます。
https://ameblo.jp/element-of-rainbow/entry-12634848372.html
https://ameblo.jp/element-of-rainbow/entry-12634879986.html
https://ameblo.jp/element-of-rainbow/entry-12634919827.html
https://ameblo.jp/element-of-rainbow/entry-12634941396.html
数えてみると、今までに虹の素の劇団員・メンバーだった仲間達が12年間で42人いました。
客演の方や青の素参加者、スタッフも含めると200人近い方々と一緒に作品を作ってきました。
気がつけば、舞台の仕事で生きていけるようになっていて、縁にも恵まれ、仲間にも恵まれ、家族と子供にも恵まれました。
今の自分がこうしてこの道で生きていけているのは、本当に虹の素を通じて、出逢った仲間達がいたおかげです。感謝の気持ちでいっぱいです。
本当にありがとう。
そして、出会ってから17年間。ずっと一緒に芝居をしてきた猪熊竜久馬へ。
意志をもって、信念をもって、色んな物を背負って、続けていくってとてもしんどい。
でも、それをここまでずっと続けてきた主宰のたくまの情熱の炎と根性は本当にすごいと思う。
火は使い方を間違えると大変なことになるけれど、でも、生きていく上で、何かを成し遂げる上で、必ず必要なものだと思う。
だからどうかその炎が、また違う場所で、綺麗に燃え上がってくれますように。
そして、俺は、虹の素の作品が本当に本当に大好きでした。自分の生き方、考え方を変えてしまうほどに。それは今までもこれからも。
今まで本当にお疲れさまでした。
想い出ありすぎて、言葉なんかいくらあっても足りないですね。
それではどうか、みなさんお元気で。
またいつか笑顔で会えますように。
虹の素 劇団員 木之枝棒太郎