いつも虹の素を応援してくださっていた皆さま。
こんにちは、虹の素の主宰、猪熊竜久馬です。
この度、12ヶ月連続公演「雨上がりには好きだといって」の中止と、
虹の素の解散の発表を行いました。
こんな悲しいお知らせをすることになってしまい、本当に申し訳ございません。
ごめんなさい。
正直、今、言葉がでてきません。
何を話したらいいのか、わかりません。
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ハラスメントにつきまして、第三者のヒアリングを受け、
ハラスメントと認められる事象は「存在しました」
業界からハラスメントを無くそうとご尽力されていた沢山の方々、
これまで虹の素を応援してくださった沢山の方々、
共に稽古場をつくってきてくれた沢山の仲間、
本当に申し訳ございません。
どんな状況でもいけないことはいけない、という時代の流れに、
反抗しようとする意思はありません。
いけないとわかっていながら、アップデートしきれなかった自分自身の遅さ、
意志の弱さ、浅はかさに起因する身から出た錆であることは間違いありません。
これまでも沢山の人が「言葉がきつい」「もっといい伝え方がある」
「せっかくの熱もちゃんと伝わらなきゃ意味がない」と注意をしてくれました。
熱く向き合ってくれるから自分も熱くなれたと言ってもらえることもありました。
昨年のとある公演では言葉や伝え方に気を付けるあまり、踏み込んだことが言えなくて、
「冷めちゃったんですか」と残念がられることもありました。
火そのものが悪いのではなく、
それを適切に使用することができなかった自分の至らなさです。
熱さの中にも魅力があると、赦してくれていた人達に甘えて続けていた自分の未熟さです。
だからこそ、改めて、これまで自分に関わってくれた全ての人たち、
僕が変わっていくことを期待してくれていた人たち、
自分が傷つけてしまった人たちに全てに、申し訳ない気持ちでいっぱいです。
結果が全ての世界です。そこに至るまでの過程や文脈は関係ありません。
事象が存在していることだけが全てです。そこに対する弁明の余地はありません。
深く受け止めて、強く反省しております。
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この12ヶ月連続公演は、
劇団員・実行委員と、まだ10代〜20代前半の、若いメンバーで挑んできました。
ただでさえ大変な、12ヶ月連続で公演をする、という企画です。
これまでもたくさんの想定外や困難にも、皆で話し合って支え合ってやってきました。
公演を経るごとに逞しくなっていくチームに本当に頼もしさと心強さを感じていました。
ですからもちろん、今回の件に関しても、
皆でなんとかしよう、皆で乗り越えて行こうと動いてくれました。
3年前、コロナ第1波下にて10周年記念公演を中止にした時、
一つになることができなかった、否、一つにすることができなかった自分がいます。
その経験を経て、今回直面した大きな問題に対して、
バラバラにならずに向き合ってくれた仲間たちに本当に感謝しています。
ただ、今回の件で、残り8ヶ月を走りきるための心の力を、皆が遣い切ってしまいました。
「ここで終わったらもったいないよ」
「本番楽しみにしているよ」
「応援してる」
「挫けないで」
など、本当にたくさんの励ましの言葉を、それぞれがそれぞれにいただきました。
陰ながら応援してくれるたくさんの気持ちになんとかして応えられるよう、話し合いに話し合いを重ねてきました。
わざわざ応援のメールを送ってくださった方には、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
12ヶ月連続公演を見届けたい、という沢山の方々のお気持ちに応えることができなくて、
本当に申し訳ない思いでいっぱいです。
中止にすることは誠意でしょうか、という言葉が、何度もリフレインしています。
やりたいという思いと、こわいという思いと、
なんとかしたいという思いと、どうにもできないという思いと。
現在稽古を進めておりました8月・9月・10月公演の出演者は車座になって
正直な気持ちを皆で分かち合い、
苦しくて、悔しくて、辛くて、皆泣きました。
演劇は皆でつくるものです。
誰か1人の意思「やりたい、やろう」という一部の意思だけでは成し得ることはできません。
だからこそ「できない」という意志はきちんと尊重されるべきだと思っています。
私たちはこの企画を行うにあたり、これまで様々なことを決めてきました。
ことある毎に投票をしてきました。
するとですね、不思議なことに、毎回キレイに割れるんです。
2択なら半分ずつ、3択なら3分の1ずつ。
皆がそれぞれ意志を持って選ぶんです。
派閥があるわけではなく、毎回その半分の内訳は変わります。
それが本当に可笑しくて、愛しくて、嬉しい悲鳴でした。
そしてことある毎に話してきました。
「皆の意見を統合して、最終的に決断をさせてもらいます。どちらかを選ぶということは、どちらかを選ばないということです。でも、選ぶしかないので選びます。選ばれなかった方を蔑ろにしているわけではありません。それは理解してね。そして今はまだ、この程度の小さな決定かもしれないけど、今後この先、重大な決断を迫られる時が来るかもしれません。その時も同じです。皆の想いをまとめて、最終的に決断します。」
そして、今回その局面がやってきてしまいました。
劇団員・実行委員のみならず、の思いも受け取りました。
それぞれに、強い意志と想いがあって、とてもとても重たかったです。
公演の中止につきましては、座組に対する不信感や方向性の相違に起因するものではなく、
団体の構成員の精神的負担及び不安を鑑みた結果の苦渋の決断になります。
これまで虹の素を応援してくださった皆様、
12ヶ月連続公演を楽しみにしてくださっていた皆様、
雨上がりシリーズを愛してくださった皆様、
最後まで走り切ることができず、本当に申し訳ございません。
作品をお届けすることができず、本当に申し訳ございません。
このような結末を迎えることになってしまい、本当に申し訳ございません。
「ありがとうございました」とお伝えすることもできず、本当に申し訳ございません。
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この雨上がりシリーズは、2013年より製作してきました。
2016年より作品を増やしてきて、この1年を以って完結する予定でありました。
12ヶ月連続公演以前より、本当に沢山の方々がこの雨上がりシリーズに携わって来てくれたおかげで、
ここまでやってくることができました。
感謝の気持ちと共に、その悲願を達成することができず、申し訳ありません。
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劇団の解散につきましては、また別途想いを認めさせていただきますが、
元々、この12ヶ月連続公演を以って虹の素の旅を帰着させるかを決める予定ではありました。
こちらにつきましても、今回の件による方向性の相違や責を負ったけじめをつけるといった意味合いではなく、
12ヶ月連続公演がこのような形で終わるにあたり、私たちの旅路も終わりを迎えることを、併せてご報告だけさせてください。
遠藤由実と新菜鈴果の2名につきましては、休養の為、取り急ぎ退団することとなりました。ご了承ください。
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