『フライトナイト』
1985年 アメリカ
《スタッフ&キャスト》
監督・脚本 トム・ホランド
撮影 ジャン・キーサー
音楽 ブラッド・フィーデル
出演 クリス・サランドン/ウィリアム・ラグズデール/アマンダ・ビアース/ロディ・マクドウォール/スティーブン・ジェフリーズ/ジョナサン・スターク/ドロシー・フィールディング/アート・エバンス
《解説》
闇夜、それは人間のものではない
住宅地に引っ越して来た吸血鬼と隣家の少年の対決を、コミカルに描くホラー映画、監督・脚本は「サイコ2」の脚本を執筆したトム・ホランドで、これが監督第1作
吸血鬼が血を吸う行為をセックスのメタファーにしながら、前半はコミカル、しかし後半はシリアスという独自の味付けはユニークかつパワフル、3年後に続編も作られた
《物語》
チャーリーは17歳のごく普通の高校生、ガールフレンドのエイミーと初体験に持ち込もうとするが寸前でストップされてしまう、もう1年も付き合っている
覚悟を決めたエイミーがベッドに入り服を脱ぐが、チャーリーは長年空き家だった隣に越して来た2人組の男が大きな棺を運んでいるのを目撃
その気になったエイミーをそっちのけで双眼鏡で覗き見、エイミーは怒って帰ってしまうがチャーリーは見送りもしないで隣を覗き見していた
翌日に学校から帰るとセクシーな女性が隣に入って行った、その夜に隣から女性の叫び声が聞こえた、次の日にニュースでその女性の惨殺死体が発見されたと
その夜に隣の家の窓に裸の男女の姿を見たチャーリーは男が女の首筋に咬み付こうとしたがチャーリーと目が合った、チャーリーは母親に隣の男たちはヴァンパイアだと説明するが信じない
翌日にエイミーに言うも信じてくれない、警察に行きレノックス警部補と隣の家に行くが、主人のジェリー・ダンドリッジは留守で同居人のビリーが現れた
チャーリーは女性の殺人事件の犯人だと言うが証拠はない、そこでヴァンパイアだと説明するもビリーは笑い飛ばし、レノックス警部補は呆れ果てて帰ってしまう
身の危険を感じたチャーリーは悪友のエドに相談、エドは家人が招かない限りヴァンパイアは家に入れないと聞いて一安心、家に戻るとダンドリッジを母親が招き入れていた
その夜、ダンドリッジがチャーリーの家の中に忍び込みチャーリーを襲うが、母親がドアをノックした事で危うく難を逃れた
苦肉の策でチャーリーは深夜番組「フライトナイト」のホストを務めるヴァンパイア・キラー役のピーター・ビンセントを訪ねて助けを求めるが信じられず断られる
自衛する為に家で杭を作るチャーリーにエイミーがビンセントにギャラを提示する、視聴率低下で番組をクビになったビンセントは了承
エイミーはビンセントに隣人にヴァンパイアテストをして人間だと分からせたいと頼み同意、ヴァンパイアなどいるわけがないとビンセントがダンドリッジに会いテストをするがクリア、ただ帰りがけに見た鏡にダンドリッジは映らなかった
ダンドリッジはまずエドを襲って仲間にし、次にビンセントを襲うが失敗、次にエイミーを誘拐し、彼女はヴァンパイアに魅入られてしまう、チャーリーはビンセントに協力を頼み、隣家に乗り込む
《感想》
よくある隣を覗いていたら何かを運んでいてそれが殺人事件に関係があるのではと妄想したりする高校生のお話しがあります、それを隣人はヴァンパイアだとしたら
主人公のチャーリーを演じるのはウィリアム・ラグズデールで、ホラー映画ファンでガールフレンドのエイミーと初体験をするところでしたが、たまたま隣に2人の男が棺を運んでいたのも目撃
カワイイ彼女とのセックスよりもそっちに興味津々なのです、服まで脱いでるエイミーなのですが自分より隣が気になるチャーリーに愛想を尽かしてしまいます、エイミーを演じるのはアマンダ・ビアース
エイミーが愛想を尽かそうが隣が気になるチャーリーなのですが、学校帰りにセクシーな娼婦に声を掛けられて隣の家を教えます、チャーリーは年頃なので女性の胸やお尻をしっかりと見てるんです
次の日のニュースでその女性がバラバラ死体で発見されたと知って疑うのです、その夜も隣にはセクシーな女性が窓際で立っていて首筋に咬み付かれそうになるのです
ここまで色んな事があったら信じられないけど隣の男が殺人事件の犯人なのではと思いますが、チャーリーは更に一歩先を見て隣人はヴァンパイアだとね
チャーリーはテレビドラマのヴァンパイア・キラーのピーター・ビンセントに助けを求めます、エイミーとエドはビンセントに隣人のダンドリッジにヴァンパイアテストをしてもらうんです、演じるのは「処刑教室」のロディ・マクドウォール
ビンセントの用意した偽物の聖水をダンドリッジに飲んでもらったりとね、それでチャーリーを納得させるのですが帰りにビンセントは鏡に映らないダンドリッジを見てヴァンパイアだと確信
こうして見るとヴァンパイアって制約が多いですね、太陽の日がダメとか、ニンニクが嫌いとか、招かれないと家に入れないとか、聖水もそう、十字架もそう、モンスターなのですが色々と対処出来そうです
ダンドリッジはエイミーを誘拐するのです、それはエイミーがかつての恋人に似ているから、それはブラム・ストーカーの「吸血鬼ドラキュラ」へのオマージュなのかな、ダンドリッジを演じるのは「リップスティック」のクリス・サランドン
エイミーもダンドリッジに魅入られて抵抗は最初だけですぐに受け入れるようになるのです、目も生気がなくなる感じで血を吸われます、そんなエイミーはセクシーです
それにヴァンパイアは狼やコウモリにも変身する事が出来ます、80年代は特殊効果の技術が向上しているので見事に魅せてくれます、CGのない時代に素晴らしいです
誰も体験したことがない、血に飢えた夜、その恐怖をあなたが味わうのは、きっと今夜 それが『フライトナイト』です。
十字架はヴァンパイアに効果はあるのですが、十字架の力を信じていないと役に立ちません、胸に杭を刺しても抜いたら復活します。