『ビジョン・クエスト 青春の賭け』
1985年 アメリカ
《スタッフ&キャスト》
監督 ハロルド・ベッカー
原作 テリー・デイヴィス
脚本 ダリル・ポニクサン
撮影 オーウェン・ロイズマン
音楽 タンジェリン・ドリーム
出演 マシュー・モディーン/リンダ・フィオレンティーノ/マイケル・シューフリング/ロニー・コックス/フォレスト・ウィテカー/ハロルド・シルベスター/チャールズ・ハラハン/J・C・クイン/ダフネ・ズニーガ/マドンナ
《解説》
心を熱くする愛と闘い、2つの青春にチャレンジしたラウデン・スウェイン18歳
アマチュア・レスリングの高校チャンピオンを目指し厳しいトレーニングに打ち込む高校レスリング部員と、年上の女性との恋を描いた1980年代の青春映画
ハロルド・ベッカー監督が、当時のヒットナンバーに乗せて、恋とスポーツに打ち込む若者の姿を清々しく軽快なタッチで綴る、大ヒットした主題歌を歌うマドンナが、ナイトクラブの歌手役で出演
《物語》
ワシントン州スポーケンのトンプソン高校のレスリング部員のラウデン・スウェインは気が付いたら18歳、何かをやり遂げねばと思い立ち、190ポンドから2階級下の178ポンド級への転向を申し出た
コーチに理由を聞かれると、更に168ポンドで州チャンピオンのブライアン・シュートに挑戦する為だ、1日600カロリーで激しいトレーニング、コーチには呆れられ、主将のオットーにはチームを乱す奴と目の敵にされる
ある日、ラウデンが学校帰りに通り掛かった父親の働く中古車店でカーラという女性にポンコツ車を売りつけたオーナーを、従業員の父親が殴りつけた事でクビになった
カーラに一目惚れをしたラウデンは、金のないカーラの車の修理が直るまで自宅に泊める事を父親に提案し了承させた、画家を目指してサンフランシスコに行こうとしていたカーラが住む事になって母親が出て行ってから暗かった家が華やかになった
シュートの試合を記録しようと見に行ったラウデンはその圧倒的な強さとスピードにあっという間に勝ってしまい、その実力を目の当たりにして頭を抱えてしまう
ラウデンは今まで以上に厳しい練習と減量で失神してしまう、ラウデンを心配したカーラはラウデンに対して弟も同然だと言うがラウデンはそれ以上の想い
ある日、クラブでカーラと国語教師のテネランが親しく話している姿を見て嫉妬、カーラにその感情を暴力的にぶつけるが、その行為にカーラはガキはまっぴらだと
その後に週1回の対抗試合の178ポンド級に出場するも無理な減量がたたって鼻血が止まらなくなり無念の棄権となる
一層厳しい減量とトレーニングをするが、父親が気分転換に祖父の山荘に行くように提案、そこで祖父の元気な姿に安心し、カーラは優しい言葉を掛けてくれ、お互いに気持ちを合わせて結ばれた
それによってラウデンはシュートとの試合も減量もどうでもよくなってきたとカーラに言うと、一度決めた事はやり遂げてとラウデンに約束させて黙って出て行った、そして遂にシュートとの試合の日がやって来た
《感想》
ハリウッドではスポコン作品ってかなりありますよね、それはアメフトだったり野球だったりボクシングだったりします、でもアマレスって珍しくないですか?
スポーツに打ち込む高校生なのですが、この年代はそれよりも女の子にも興味津々で、その両方を追うラウデンが愛おしく思えます、ラウデンを演じるのが「プライベイトスクール」のマシュー・モディーン
将来は医者になる目標があるのですが、学校では新聞の記事を書く記者もしていて人体の骨や筋肉の事を書いていて、女性部長には誰も興味はないけど文章は素敵だと
そして医者でも産婦人科医になると言い出して、新聞の記事にはク●ト●スの事を詳しく説明して書いて部長には絶賛されて、部長はこれこそ学校への挑戦だと意気揚々とするのですが発行禁止となって、2人でゴミ拾いをさせられるのです
ラウデンの片想いの相手のカーラを演じるのがリンダ・フィオレンティーノで、この美貌では男子高校生ならイチコロです、初対面でノーブラですからね
一緒に住み始めてラウデンは洗濯機の横に置いてあるカーラのパンティを手に取って思いっきり匂いを嗅ぐのです、ここにカーラが現れて言い訳をするラウデンに何も言わずにパンティを返してもらって部屋へ、大人な女性でした
ちなみに190ポンドは82キロでそこから178ポンドの77キロまで落として、更に168ポンドの73キロまで落としてチャンピオンのシュートに挑むのです
カーラが何故体重を落として闘うのか?上の大男を相手にしたら良いじゃないと言うのですが、ラウデンに言わせれば168ポンドでこそ最強なのだと、軽くても重くても最強ではないのです
それでも約10キロの減量は大変です、ダイエットではないですからすでにアスリートの体を更に絞り込むのですからね、それにシュートは最強の名に相応しいくらい強いのです
そんなラウデンを見守る父親を演じるのが「ビバリーヒルズ・コップ」シリーズのロニー・コックス、同じレスリング部員のバルドザーを演じるのが「初体験/リッジモンド・ハイ」のフォレスト・ウィテカー
そしてクラブ歌手の役でマドンナが出演しています、「ギャンブラー」と「クレイジー・フォー・ユー」の2曲を熱唱、久しぶりに観てマドンナが若いって思いましたね
少年が青年になる過程とでも言いましょうか、この高校の3年間って長いようで短い時間で逃してはいけない大切な瞬間を掴む、大ヒットしたわけではないでしょうが、それでもおいらの心に沁み込んだ作品でした
いま、青春を賭けた熱い闘いが始まる! それが『ビジョン・クエスト 青春の賭け』です。
出来過ぎな作品だと言われそうですが、80年代の作品ってそんな作品が多いですもんね。