フェノミナ | 続・237号室 無事是A級からZ級映画列伝

続・237号室 無事是A級からZ級映画列伝

タカによるA級からZ級映画まで、榮級は絢爛豪華な超大作、美級は美しい女優や映像美、死級は禍々しい阿鼻叫喚、出級はあのスターの意外な出演作、イイ級は耽美なエロティシズム、Z級は史上最悪なクソ映画、その全てをレビューと少しの競馬予想と日常の出来事

 

 

 

 

 

『フェノミナ』

 

 

 

 

 

1985年 イタリア

 

 

 

 

 

《スタッフ&キャスト》

 

 

監督・脚本 ダリオ・アルジェント

 

脚本 フランコ・フェリーニ

 

撮影 ロマノ・アルバーニ

 

音楽 ゴブリン

 

 

 

出演 ジェニファー・コネリー/ダリア・ニコロディ/ダリラ・ディ・ラッツァーロ/パトリック・ボーショー/フィオーレ・アルジェント/フェデリカ・マストロヤンニ/ドナルド・プレザンス

 

 

 

 

 

《解説》

 

 

悲鳴をあげても、誰も助けてくれない!

 

「サスペリア」のダリオ・アルジェント監督が当時13歳だったジェニファー・コネリーを主演に迎え、昆虫と交信できる少女が連続殺人事件に巻き込まれていく姿を描く

 

共演に「ハロウィン」シリーズのドナルド・プレザンス、「サスペリアPART2」のダリア・ニコロディ、1997年に本編が4分長い115分の「フェノミナ インテグラルード完全版」が発表されている

 

 

 

 

 

《物語》

 

 

スイス・チューリッヒでバスに乗り遅れたデンマークからの観光客の少女、仕方なく辺りを歩いて一軒家を見付けた、中に入るといきなり襲われて、森へと逃げるが追い掛けられて首を切断されて殺された

 

 

その後に腐乱した首が発見されたが捜査は行き詰まりガイガー警部は昆虫学者のマクレガーに調べてもらうと、蛆虫などから死亡推定時期を割り出し、行方不明になっている最初の少女だと、この近辺で少女を狙う殺人事件が発生しており警察も捕まえられずにいた

 

 

アメリカからスイスのワグナー女学校に転校して来たジェニファー、彼女は昆虫と意思疎通が出来る不思議な能力を持っていた

 

 

寮に入るとソフィというフランス人と同じ部屋、ジェニファーはソフィと仲良くなりお喋り、ソフィはこの近辺で殺人鬼がいると話して気を付けるように促して2人は眠った

 

 

しかし夜遅くにジェニファーは突然起き上がって夢遊病者のように彷徨っていると寮の屋上へ、そこから縁を歩いて古い使われていない校舎に窓から中を覗くとそこで少女が殺された

 

 

それを見たジェニファーは戻ろうとして校舎から落ちてしまい木に引っ掛かりながら地面へ、彷徨うジェニファーは車と接触、若い男2人はジェニファーを車に乗せて走るが途中でジェニファーは飛び降りて森の中へ

 

 

そこでジェニファーはマクレガーの飼っているチンパンジーのインガに連れられてマクレガーの家へと案内された、マクレガーはジェニファーを診断し、それに虫に好かれているのでいつでもおいでと

 

 

次の日の夜、ソフィに見張ってもらうがソフィは恋人が外にやって来て寮を抜け出した、その後にジェニファーは夢遊病となり彷徨い、ソフィの悲鳴を聞いてジェニファーが探すがそこに蛆虫の付いた手袋はあった

 

 

ジェニファーは蛆虫をマクレガーに見せて、それに虫と交信出来る能力を持っている事を打ち明けた、マクレガーに蝿が導いてくれると言われて蝿に付いて行き、ある一軒家を見付けた

 

 

マクレガーはその蛆虫が人間の死体にだけ繫殖する蛆虫だと分かった、しかしその夜にマクレガーは何者かに殺されてしまう、逃げる犯人をインガが見ていた、その魔の手はジェニファーにも迫る

 

 

 

 

 

 

《感想》

 

 

「シャドー」のダリオ・アルジェントの少女をいたぶる最高潮の作品が本作ではないかと思います、今までも色んな作品で少女をいたぶってきたアルジェントなのですがサディスティックにいたぶります

 

オープニングから少女がバスに乗り遅れた事で殺されてしまうのですが、それがアルジェントの長女のフィオーレ・アルジェントのデビュー作なのです

 

 

まず手の甲をハサミで突き立てられて森の中を追い詰められてお腹にハサミで刺され、そのまま後ろのガラスに頭を打ち付けて割れたガラスが顔に落ちて来るんです、その後に首を切断されて川に流されるんです

 

 

その頭部が見付かって昆虫学者のマクレガーが湧いた蛆虫の周期で死亡推定時期が分かるんです、演じるのは「ハロウィン」シリーズのドナルド・プレザンスで、事故で車椅子生活で身の回りの世話はチンパンジーのインガがしてくれます

 

 

主人公のジェニファーを演じるのは「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」のジェニファー・コネリーで当時は13歳、こちらの方が先に撮影終了していたのですが、イタリアの大先輩のセルジオ・レオーネ監督作品を優先したそう

 

 

そのジェニファー・コネリーが虫と交信が出来る少女ジェニファーを演じていますが、生きている虫を手の平や指先で遊ばせています、これ虫が苦手な女優さんだったら演じられるのかなぁ?

 

 

それにイタリアの女優さんって美人揃いですね、脇役の小さな役の女優さんも美人です、アルジェントの奥さまのダリア・ニコロディもなかなか強烈な役どころです

 

 

寄宿学校の校長を演じる「悪魔のはらわた」のダリラ・ディ・ラッツァーロも美人です、冷淡な性格で夢遊病者のジェニファーを精神病と判断して精神病院に入れようとするんです

 

 

殺人事件を追うガイガー警部を演じるのが「私生活のない女」のパトリック・ボーショーで、マクレガーに協力を仰ぎ、消えたジェニファーを追って自身の身も危険に曝される

 

ジェニファーのルームメイトのソフィを演じるのがフェデリカ・マストロヤンニ、隠れてタバコを吸ったり夜に恋人とこっそり会ったりとするのですが、襲われてそのまま行方不明となります、犯人は死体を近くに置いておく異常者なんです

 

その犯人の殺人の理由も切ないのですが、それは自分勝手で理不尽なものなんですね、その殺し方も残酷でアルジェントの真骨頂って感じです

 

 

ジェニファー・コネリーが蛆虫と死体のプールに落されるシーンはゾクゾクしましたね、ここがアルジェントのピークだったのかなって

 

 

 

 

 

 

熱い季節風が吹くと、また少女が殺される、虫愛ずるヒロインに迫る殺人鬼の罠! それが『フェノミナ』です。

 

 

 

 

 

ジェニファー・コネリーの代表作って本作だと思います、それぐらいインパクトありましたね。