『ロッキー4 炎の友情』
1985年 アメリカ
《スタッフ&キャスト》
監督・脚本 シルベスター・スタローン
撮影 ビル・バトラー
音楽 ビンス・ディコーラ
出演 シルベスター・スタローン/タリア・シャイア/バート・ヤング/カール・ウェザース/ドルフ・ラングレン/ブリジット・ニールセン/トニー・バートン/ロッキー・クラコフ/マイケル・パタキ
《解説》
いま、ロッキーの心の傷が炎と燃える! 友よ、君のために闘う、熱い祈りをこめて巻く誓いのバンテージ
宿敵であり親友であるファイター、アポロを絶命させたソ連の殺人マシーン、この世界最強の敵ドラゴと闘うべくロッキーはソ連へ遠征する、ドルフ・ラングレンを敵役に迎えたシリーズ第4弾
当時ほぼ無名だったドルフ・ラングレンがライバルボクサー、ドラゴ役に抜擢され、一躍アクション俳優として注目を浴びるきっかけとなった、鋼鉄のマシーンを思わせるドラゴと野獣のようなロッキーの対決はまさに氷と炎の激突だ
《物語》
クラバー・ラングを倒し、再び世界チャンピオンへと返り咲いたロッキー・バルボアは妻エイドリアン、義兄ポーリー、ロッキーJrらに囲まれて幸せな日々を送っていた
そんなある日、ソビエト連邦のアマチュア・ボクシングヘビー級チャンピオンのイワン・ドラゴが訪米、ソビエトはプロボクシングに参加を表明、友好親善大使としてロッキーへ対戦希望を記者会見で発表
それを聞いた元世界チャンピオンで既に引退を表明したアポロ・クリードがロッキーに代わってドラゴの対戦を受けるとロッキーに相談、反対するロッキーだったが引退して5年、再び輝きたいと説得し、エキシビションマッチとしてラスベガスで開催
華やかな演出の中でリングに上がるアポロに対してブーイングを浴びるドラゴ、試合が始めるとアポロがドラゴを翻弄するが、ドラゴが反撃をするとその強烈なパンチを何発も浴びて1ラウンドは終了
ロッキーは試合を止めようとアポロに言うがアポロは止めるなと拒否、2ラウンドにはアポロはドラゴの強打を浴び続けてダウン、アポロはそのまま動くことなく亡くなってしまう、ドラゴは次は本物のチャンピオンを倒すと不敵な笑みを浮かべてリングを下りた
ロッキーはドラゴへの対戦を希望するが協会は認めずロッキーはタイトルを返上し、ファイトマネーはゼロ、そしてロシアでの試合となり、ソビエトへと向かう
アポロのトレーナーだったデューク、義兄のポーリーらとやって来たソビエトでは国の監視下の元で大自然の中で過酷なトレーニングを行い、それに対してドラゴは政府の科学者たちの最新鋭のトレーニングを行う
そしてソビエト国民が埋め尽くす試合会場にはソビエト政府首脳陣が並び、試合開始のゴングが鳴った
『ロッキー5 最後のドラマ』
1990年 アメリカ
《スタッフ&キャスト》
監督 ジョン・G・アビルドセン
脚本 シルベスター・スタローン
撮影 スティーヴン・ポスター
音楽 ビル・コンティ
出演 シルベスター・スタローン/タリア・シャイア/バート・ヤング/トミー・モリソン/セイジ・スタローン/バージェス・メレディス/トニー・バートン/リチャード・ガント/マイク・ジラード・シーハン/マイケル・ウィリアムズ/デリア・シェパード/ポール・J・マイケル
《解説》
愛と勇気のフィナーレは感動!
現役を引退したロッキーは、かつての自分を思わせる粗削りな若いボクサー、トミーに惚れこみ…、シルベスター・スタローンが自身を投影させて描くシリーズ第5弾
無名俳優からスターとなったシルベスター・スタローン自身の人生を反映したように、ゴロツキ上がりの主人公ロッキーの成長を描いてきたシリーズ、国家の英雄より息子の英雄でありたいと願うロッキーの人生の選択が描かれる
《物語》
モスクワでの死闘に勝利したロッキーは息子のロバートに迎えられて記者会見をするが、プロモーターのデュークが乱入してタイトルマッチを要求、しかしエイドリアンが彼の引退を示唆し、ロッキーも記者会見を終わらせる
その夜、エイドリアンとポーリーが言い争いをし、ポーリーが会計士に委任状を渡し、会計士は投資に失敗し、ロッキーは全財産を失くしてしまった
試合をすればすぐに取り戻せると言われるがロッキーは強い衝撃を受け続けた為に脳が傷付いており、試合は無理だと医者に宣告されてしまう
ロッキーは引退と破産を一度に味わい、豪邸や所有物を売却、残されたのはトレーナーのミッキーが残してくれたジムだけ、そんなある日、ロッキーは若いファイターのトミー・ガンと出会う
彼の荒々しいスタイルは疑問に思うが自分と似た境遇の彼をトレーニング、トミーはロッキーの期待に応えて連戦連勝、そんなトミーにデュークが近寄り金と女で甘い言葉、チャンピオンになり金持ちになりたいトミーはデュークと契約
トミーはチャンピオンのケインに勝利して世界チャンピオンとなるが試合後にはロッキーコール、記者会見でもトミーは称賛されず偉大なチャンピオンではないと
強い相手と戦えと迫られてデュークはロッキーとの試合を画策、トミーはロッキーがポーリーと飲んでいる店に現れて試合を迫る、ポーリーがトミーに殴られてロッキーは怒りストリートファイトへと発展する
《感想》
「ロッキー3」からの続編でラストでロッキーとアポロの3度目の対決があるのです、その後にアポロは引退して、ロッキーは世界チャンピオンとして君臨するんです
ロッキーを演じるのはもちろんシルベスター・スタローンで「ランボー」シリーズ同様にハマり役です、アポロを演じるのはカール・ウェザースでこちらもハマり役ですよね
そこにソビエト連邦からアマチュアのボクシングチャンピオンとしてイワン・ドラゴがやって来るんです、演じるのはドルフ・ラングレンで「ランボー2」のオーディションでスタローンに見初められてドラゴ役を与えられました
でも体の線が細かったのですがスタローンは極真空手の突きを気に入ってウエイトトレーニングを一緒にしてゴツイ体を作ったそうです、背は高いから迫力ありますもんね
本作は当時は東西の冷戦が雪解けムードとなっていて、スタローンは政治的な問題を取り入れてます、とにかくスタローンの脚本は如何にもスタローンって感じなんです
ドラマ的な部分は少なくてPVのようなシーンが延々と流れたりして、それはそれでテンションが上がって行くのですが、見た目の面白さが先行していますね、シリーズ最高のヒットを記録しましたもん
ドラゴとアポロの試合が決まってリングに上がったドラゴが緊張した面持ちで待ち、ゆっくりとリングが上昇するとそこはダンサーが躍るステージの真ん中でドラゴは呆然、何が起こったの?って
そこでジェームズ・ブラウンの歌が始まるんです、もうノリノリでステップも決まってます、そこにアポロが登場して派手な演出なんです、よくスタローンはジェームズ・ブラウンを出演させたね
ドラゴの妻のルドミラを演じるのがブリジット・ニールセンで、この2年間ほどスタローンの奥さまだった人です、初めて見た時は綺麗な人だと思いましたね
そしてロッキー対ドラゴの試合は壮絶で何度も倒されてもロッキーは立ち上がり、序盤は優勢だったドラゴですが次第にロッキーに反撃されます、この撮影でドルフ・ラングレンのパンチがまともにスタローンの顔面に入って失神したとか
2021年11月に本作のディレクターズカット版がアメリカで公開されるそうです、詳しい事は分かってませんが、ポーリーのロボットのシーンは削除されるそうです(笑)
そしてその続編の「5」ですが、劇場で観た時にはラストがストリートファイトでズッコケたのですが、久しぶりに観たらそんなに悪くなかったですね
ドラゴとの最高の試合をした後にポーリーによって破産してしまってフィラデルフィアの地元に戻って昔の家にまた住むんです、ロッキーの息子は今までの有名学校からガラの悪い学校に転校、親が有名人なのでイジメられるのですがボクシングを習ってやり返すようになるんです
ロッキーは自分に似た境遇のトミーのトレーニングに忙しくて自分の息子がどんな境遇にいるのかなんて知りもしないんです、本作は家族の絆を取り戻す作品なんです、監督は第一作「ロッキー」や「ベストキッド」のジョン・G・アビルドセン
ゆっくりと進むロッキーの策略よりプロモーターのデュークが美味しい話しを持ち掛けて金と女で取り込んでしまうんです、デュークと契約してすぐに世界チャンピオンとなるんです、もちろん八百長なのです、それは記者も分かっていて揶揄します
トミーを骨抜きにしてしまうカレンを演じるのがデリア・シェパード、このカレンはデュークの息が掛かった女なんですが若いトミーはそんな事は分からず富と栄誉と女なんです
そこでテレビカメラを持ち込んでトミーとデュークが飲んでいるロッキーの元に押し掛けるんです、トミーがポーリーに手を出した事でロッキーとストリートファイトとなります
ロッキーは最後には一般人であるデュークもKOしてしまいます、まあポーリーが殴られたからおあいこと言う事でね、ラスト作品としてはしっくりしなかったと思ったら、2006年に「ロッキー・ザ・ファイナル」が公開されてます
ちなみにジョン・G・アビルドセンによるディレクターズカット版があるそうです、監督がオンラインで公開したそうです、10分ほど追加され、ストリートファイトのシーンも内容が違っているそうです
いつもひたむきに生きてきた… それが『ロッキー4 炎の友情&ロッキー5 最後のドラマ』です。
スタローンの代名詞とも言えるロッキー、最後はフィラデルフィアの美術館ですよね。