『ワルシャワの柔肌(はだ)』
1996年 ポーランド・フランス・スイス
《スタッフ&キャスト》
監督 アンジェイ・ズラウスキー
脚本 マニュエラ・グレツコウスカ
撮影 アンジェイ・ヤロシェヴィッキ
音楽 アンジェイ・コルジンスキ
出演 イオーナ・ペトリ/ボグスワフ・リンダ/パヴェル・ディラグ/アリシア・ヤキエヴィチ/アグニェシュカ・ヴァグネル
《解説》
暴力的なまでの性表現から反発を受けつつも、本国ポーランドで大ヒットを記録、社会現象にまでなった衝撃の問題作、ヴェネチア国際映画祭特別招待作品
作家としても活躍する「狂気の愛」のアンジェイ・ズラウスキー監督が、暴力的とまで言える過激な性表現で男女の愛を描いた問題作、本国ポーランドでは、1日夜間2回だけの上映だったにも関わらず、全人口の1%に当たる40万人を動員した
狂気の映像センスで、観る者を圧倒し続けるアンジェイ・ズラウスキー監督が、地元ポーランドで撮りあげた情熱的ラブストーリー、ズラウスキー監督ならではのキテレツな味わいに満ちた狂おしい1編
《物語》
イタリアからワルシャワにやって来た18歳の女子学生は部屋の貸主のミシェルと知り合う、部屋を見に行った時にミシェルは彼女に名前を聞くとイタリア女だと答えた
彼女の顔をよく見ると高級娼婦のよう、ミシェルは欲望が沸き出し、その場で彼女を抱いた、最初は苦痛な表情を浮かべていた彼女だったが次第に悦楽の表情に変わる
ミシェルには同棲中の婚約者がいて彼女にも恋人がいる、ミシェルは大学で人類学を教えていてこれから発掘作業だと、彼女を大家に紹介した後で別れた
発掘で25~30歳の青年のミイラを発掘、実年齢は2500歳、ミイラの装身具から幻覚剤の取れるキノコが発見され、青年はシャーマンだと分かった
彼女の恋人のマルティンは医者だが安月給、何の為に働いているのか尋ねると患者の子供たちのそばにいてやりたいと、そして彼女に自分の生活費くらい自分で稼げと
病院でマルティンに抱かれても何も感じない彼女、大学の人類学の教室を訪ねてミシェルを誘い自室でセックス、ミシェルに抱かれると尋常じゃないほど体は感じる
そんなある日、ミシェルの弟が自殺した、若い頃は荒れていたミシェルだったがそんなミシェルを支えたのは弟だ、弟は神学校に入学して神父となった
弟は売春をしていた男を不憫に思い家に置いてやった、しかし男は弟の体を求めて同性愛の関係となった、弟は神父の立場と同性愛に悩んで自殺したのだ
彼女はミシェルと一緒に住む事に、ミシェルはシャーマンの思想の謎を精神分析で科学的に研究しようと憑りつかれるようになる、そしてシャーマンの死因について調べ始める
研究にのめり込むあまりにミシェルは未来を台無しにしてしまい、彼女との暴力的なセックスに溺れていく、シャーマンのミイラと会話をして彼女との盲目的なセックスに耽る
《感想》
「狂気の愛」のアンジェイ・ズラウスキー作品って好きか嫌いに分かれると思うのですが、本作は特にそう感じる強烈な作品です、主人公の彼女はまあ狂ってます
エキセントリックとかそんな言葉では片付けられないくらい超個性的な彼女なんです、その彼女を演じるのがイオーナ・ペトリでまあインパクトは強烈ですよ
こんな女が周りにいたら迷惑なだけなんです、何もかもメチャクチャにして止まる事がなく走り回ったりでエネルギーがあふれ出てるかのようです
それでも恋人のマルティンとの行為ではまったく感じないのに、ミシェルとの行為では体は悦ぶんです、衝動的に2人は求め合ってしまったんです
ミシェルには理想的で申し分ない婚約者がいるのにこんなぶっ飛んだ彼女の方に行ってしまうんです、それと同時に弟の自殺が原因だったのかもしれません
弟は神父なのに売春をしていた男を不憫に思って家に置いてやると2人は同性愛の関係になってしまうんです、神に仕える者でありながら同性愛者という事で悩んで自殺をしたんです
LGBTやトランスジェンダーなんかで色んな愛の形があるので一概には言えませんが、神父はダメなのでしょうね、それとは逆にミシェルと彼女は貪るように耽ります
ミシェルを演じるのがボグスワフ・リンダでシャーマンのミイラを科学的に研究したいと没頭して周りからもおかしな奴扱いされるんです、神経症ではないかとかね
こうして2人は絶望と破滅へと向かって行くんです、奔放な性愛に溺れて、それでいて信念を求めるようなミシェルと食べて寝てセックスをする彼女、この2人はどうなるのだろうかと
そしたら彼女は従兄弟の工場で働いているのですがマフィアがやって来て工場は終わり、そして自分の事が好きな男と寝るのですが何も感じません、ミシェルはシャーマン相手に幻覚を見るんです、ラストもまた考えられない展開で強烈です
シャーマニズムと狂気に満ちた異色のラブストーリー それが『ワルシャワの柔肌(はだ)』です。
イイ女は男を狂わせる何かを持っているのでしょうか?作品の中でベルゼブブ(悪魔)の名前が出てきますがそれかも。
更に過激な続・裏237号室の『ワルシャワの柔肌(はだ)』のレビューはこちらです。

















