『処刑教室』
1982年 カナダ
《スタッフ&キャスト》
監督・脚本 マーク・L・レスター
脚本 トム・ホランド/ジョン・サクストン
撮影 アルバート・J・ダンク
音楽 ラロ・シフロン
出演 ペリー・キング/ロディ・マクドウォール/ティモシー・ヴァン・パタン/メリー・リン・ロス/キース・ナイト/ステファン・アーングリム/リサ・ラングロワ/ニール・クリフォード/エリン・ノーブル/マイケル・J・フォックス
《解説》
劇場公開当時、観るもの全てにトラウマを与えた、衝撃の学園バイオレンス・アクション問題作、たとえ俺の生徒でももう我慢できない!ここから凄絶な16分12秒の血の処刑が始まる!
教師は自らを守るため、拳銃持参で授業をし、学校の入り口ではガードマンによる警戒、その上金属探知機が装備され、生徒が隠し持つ凶器をチェックしている等が描かれている
この描写は「アメリカの校内暴力は、ここまですさまじいものか!」と、日本の観客、特に校内暴力問題に敏感だった学生たちには大きなトラウマを与えた
《物語》
1984年、暴力学園として有名なエイブラハム・リンカーン高校に音楽教師アンディ・ノリスが赴任してきた、ノリスが驚いたのは生物教師のコリガンがピストルを携帯していることだ
教師たちは自らを武装しなければ身を守れない程この高校は暴力がはびこり、校舎の入り口には警備員が金属探知機で生徒をチェックしている
教室に入ったノリスはさっそく不良グループのリーダーのステッグマンに目をつけられ授業の妨害を始めた、音楽発表会に備えて練習している真面目な生徒デニーンやアーサーらに悪態をつく
そんなある日、アーサーの友人のジミーがステッグマンからコカインを買い、そのまま国旗を掲げてあるポールに登り墜落死してしまう
ノリスは不良グループを一掃しようとするが校長がマスコミや保護者を気にして弱腰だ、ステッグマンらはアーサーとデニーンを拉致して暴力でコカインの売買を口止めしようとするが、そこにノリスが現れるがナイフで切りつけられるもアーサーとデニーンを逃がした
その夜、自宅前に止められていたノリスの車が焼き払われた、警察に言うが未成年ということで警察も動いてくれない、ノリスは学校のトイレでステッグマンに掴み掛かるが殴ることはできなかった、しかしステッグマンは自らの顔を壁に打ち付けてノリスに暴力を振るわれたと訴え、罠に掛けた
お返しとばかりにノリスはステッグマンの家に行き、ステッグマンの車をメチャメチャに破壊、次の日にステッグマンはノリスに迫るが証拠はないと警備員に帰らされた
刑事とノリスと会話していたアーサーを見てステッグマンはコカインやジミーの事をタレこんでいると思い、食堂で騒ぎを起こしてドサクサ紛れの中でアーサーを刺した
そして音楽発表会の日、観客席を見たノリスだったが妻のダイアンがいない、その頃ダイアンは自宅でステッグマン達に集団で暴行を受けていたのだ
ダイアンを人質にしてそのレイプ現場の写真をノリスに見せてノリスを挑発、ノリスは発表会を置いてステッグマンたちを追う、ノリスの怒りは爆発し、不良グループと血で血を洗う対決をする
ノリスは奴らに痛めつけられるが反撃し、電動ノコギリで切り刻み、ガスバーナーで焼き殺したりと一人また一人と血祭りにあげていく、そして音楽発表会の会場の屋上でノリスはステッグマンと対峙
ステッグマンはナイフでダイアンの胸を切りノリスと激しい格闘となるが、ノリスはステッグマンを屋根から叩き落とし会場のカラスを破って落ち、絞首刑となる
《感想》
子供の頃に初めて観たときは衝撃でしたよ、当時は日本でも校内暴力が社会問題となってましたからね、でもおいらの学校はそんなでもなかったけどね
高校でコカインを売っていてクラブでも捌いていて、コカイン欲しさに売春をして金を払うという女性まで出てきます、目の前で脱いで商品を品定め、そして試すんです
教師と生徒のトラブルはアメリカのメジャー映画会社が作ってたらラストは和解したりするのでしょうね、でもこれは違います、こんな凄い闘いとなります
監督はマーク・L・レスター、脚本はトム・ホランドです、音楽は「燃えよドラゴン」のラロ・シフロン、ペリー・キングが演じるノリスは音楽教師で同僚教師コリガンに「柔道か空手の心得は?」と聞かれて、「タクトを振るだけ」と言いますがラストの乱闘ではなかなかの強さなんです
不良グループのリーダーのステッグマンはティモシー・ヴァン・パタンなんですが男前です、不良グループのリーダーは男前じゃないとね、でも彼は非常に優しい人物だそうです、「人生は苦痛であり、苦痛こそが全て」のセリフはカッコいい
それは不良グループの女パッツィを演じたリサ・ラングロワが語ってました、彼女はカナダ人女優なのですがいつも普通の役が多くて本作でも優等生のデニーン役をオファーされたのですがパッツィに代えてもらったそうです
おいらは本作のリサ・ラングロワは一生忘れないくらいインパクトのある役だったと思います、ノリスをおびき出すのに自分の胸を揉んだり、ミニスカートを捲ったりと挑発します
そして製作も兼ねる妻ダイアン役のメリー・リン・ロスはハードな凌辱シーンでR18の指定を受けてしまいカットされたそうです、あまりに激しかったので不良グループ役のみんなが後から謝ったそうです
そしてコリガンを演じるのがロディ・マクドウォールで生物教師なのですが、実験用のマウスを殺されてキレます、ピストルを向けて授業をするんです、おいらはこのシーンが好きでね、どんな奴でもピストルの前じゃ大人しくなるんです
「バック・トゥ・ザ・フューチャー」で後にブレイクするマイケル・J・フォックスがアーサー役で熱演しています、彼はアメリカ人なのでカナダ人俳優よりギャラが良かったようです
ずっとソフト化されずにいたのですがDVD化されておいらは嬉しい限りです、まだまだ埋もれているカルト作品があるのでお願いしたいですね
目には目を!歯には歯を!暴力には暴力を! それが『処刑教室』です。
現在の校内暴力はどうなってるのでしょうか? アメリカではやはり強烈なのかな?
更に過激な裏237号室の『処刑教室』のレビューはこちらです。