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EIKOの気まぐれ闘病日記

このブログは、日蓮仏法の信心を根本に、双極性気分障害と闘うEIKOのブログです。日々の出来事や家族のこと、創価学会や池田名誉会長のことを書いていきます。
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 ”ファーストレディ”同士の対話になった。

 通訳は王妃にあいさつした。美しい黒髪を後ろで結んでいる。

「スウェーデンには福祉の長い伝統があります」

洗練された発音で、嫁いだころの記憶をたどりはじめた。

 町を歩くと、故国ドイツと比べて、よく身障者を見かけた。バリアフリーが進み、共に生活できる社会基盤が整っていた。

「人間はだれでも、何らかの課題を持っています。身体の障害も、そうした課題のひとつにすぎません。決して欠点でも負い目でもありません」

 通訳は、王妃の意見を香峰子夫人に伝えた。むろん、身障者や社会福祉の問題について、専門的に準備してきたわけではなかった。だが・・・・・・。

 「その通りだと思います」

白いスーツ姿の夫人は、自然に応じた。

「私どもの創価学会にも身障者のグループがあります。そうした方々と語り合っています。『たとえ身体は不自由でも心は自由です。胸中に必ず自由自在の境涯を開いていけます。宿命に負けず、力強い人生を生きましょう』と」

 じっと聞き入る王妃。強い感銘を受けた様子が伝わってきた。

 ダブルのスーツにブルーのネクタイを締め、スウェーデン王カール16世グスタフが姿を現した。

 長身。秀でた額。眼鏡の奥でブルーの瞳が知的な光をたたえている。毎年、ストックホルムで行われるノーベル賞受賞式のプレゼンターである。

 生後、9ヶ月で父君を飛行機事故で亡くす。27歳で即位。

「国王になる運命でなければ軍人か農民として暮らしたかった。私は平凡な男である。『国王』ではなく、『カール・グスタフ』と呼んでほしい」と言ってのけた。

 黄色いスーツ姿で寄り添っている王妃シルビアを射止めたときも「世紀の恋」と騒がれた。ミュンヘン五輪で西ドイツ(当時)あのコンパニオンだった。外国貴族との婚姻を伝統にした王室に風穴を開け、民間から王妃を迎え入れた。

 池田会長は両手を広げ、夫妻に近づく。

「国民と共に歩む伝統を堅持されている姿勢に敬意を表します」

通訳の予想にたがわず、国王と王妃が、それぞれ会長と夫人を別々のテーブルセットへ案内した。

 スウェーデン王宮は、水に浮かぶ宮殿である。メーラレン湖とバルト海を結ぶ水路に位置している。

 ストックホルムに滞在していた会長がアーチ型の入り口をくぐったのは、1989年(平成元年)6月5日の午前10時だった。

 ガラスの格子戸を抜けると、広い中庭を囲み「ロ」の字型に焼失した王宮跡に建設されたものである。建築様式もバロックとロココが混在する。

 部屋数608。多くが公開され「世界で最も開かれた王室」の名にふさわしい。

 

一行は王宮の奥へ招き入れられた。「シビラの間」。随行者は、はっとした。「シビラ」は現国王の母君の名前ではないか。親しい来客を遇するときだけ使用される。

 香峰子夫人の通訳がサッと室内に目を走らせた。職務柄、配席は一大関心事である。

 マントルピースの前に黒い円形テーブルと白いチェアセットが対になっている。一対だけではない。同じような組み合わせが部屋にいくつもある。

 通常の会見では、先方と池田会長を中心に、同席者が取り囲む。この配置では、そうならない。国王と会長。王妃と香峰子夫人。それぞれ個別の会見になる。

 よほど印象に残ったのだろう。チャールズは、友人の公爵レディングに語っている。

「大変感銘を受けた。自分のことを、これほどまで理解してくれる人がいることも知らなかったし、出会ったこともなかった」「池田会長ほど英邁な人格の人は、世界でも稀有だろう」

 もう一度、会ってみたい。翌1995年(平成7年)、自ら創立した建築学院で展覧会が開かれる。池田会長に招待状を送った。

 展覧会の当日──。

 来賓と挨拶を交わしながら、ひとりの人物の顔にチャールズの目が止まった。代理として来場したSGI関係者である。

 前方に招き寄せ、なんの前触れもなく、大きな声で呼び掛けた。

「皆さん、聞いてください」

 参加者はざわめき、耳をそばだてる。

「私は過日、池田会長という日本の指導者にお会いしました」

 ハプニング。順序だった式典信仰に慣れている人物ににして、きわめて珍しい行動である。

「実に率直な方で、初対面とは思えないほど、私のことを深く理解してくださり、大きな感動をいただきました。誠に尊敬すべき人物です」

 万感こもるスピーチだった。

 なおもチャールズは語った。

「池田会長はお元気ですか。語り合ったことは今もって大切にしています。よろしくお伝えください」