今日の「おんな城主 直虎」、私がつねづね考えている信康事件の真相とは、ちょっと（かなり）違う展開になってます。言いたいことは多々ありますが、なんか、ドラマとしては「よく、ここまで作ったな」という、史実の針の穴を通してウソをつく展開はある種、感動ではあるので、これはこれで面白いか、と納得することにします。
ヒトがよくて優柔不断、器量はあるけど度胸はない阿部サダヲは、歴代の家康の中でも出色じゃないかと思う今日このごろです。
まだ、天下を取るなんて思いもよらない、若い頃の家康って、こんな感じだったんじゃないかな、と思えます。
松村くんのおかげ、かどうか分かりませんが、大河ドラマで徳川家康と言ったら、これはもう津川雅彦だ、というヒトは多いですが。
しかし。大河というのは「主人公ありき」です。タイトルロールは絶対に善玉じゃないといけません。なので、それとの関係性で、善人なのか悪人なのか、老獪なのか優柔不断なのか、同じ家康とは思えぬほど、全然違ってきます。
お、こんどの家康はこうきたか！ っていうバリエーションを楽しむのが、毎年、大河を見続ける醍醐味だと思いますので、それぞれの家康がそれぞれ面白い。「これぞ家康!」というのを一人決めるのは面白くないです。
大河ドラマはドラマであって歴史ドキュメントではなく、毎回「原作」も違うのだから、家康も毎回違わなきゃおかしい。寺尾聡と内野聖陽と阿部サダヲは同じ「家康」という名前ですが、全然違うキャラクターです。それでいいと思います。
と言っていては実も蓋もないので、私として「オ、この家康はサイコーだな」と思ったのを一人挙げるとすれば、西村雅彦ですね。竹中直人が最初に秀吉やったときの。
秀吉が生きているあいだの家康って、案外このくらいの小者感漂う人物であるほうが面白いぞ、と思ったものです。本能寺の変の直後、家康がなんか泣きながら必死に飯を食ってて、「もう食えません～」、何だと思ったらガラッと襖が開いて本物の家康が入ってきて「もっと太れ！」とすごい冷酷な顔で言うの。爆笑しながら、わ、この家康、天下取るかも、と一瞬だけ思いました。
それがベストか？ と言われると、いやー、どうでしょうか。
「武田信玄」のときは中村橋之助がやってたらしい。そうか･･･あんまり覚えてないな、今川義元の勘九郎（当時）はなんか覚えてるけど。
そういえば、滝田栄はどうしてるんだろう？ と思ったら、最近はもっぱら仏像を彫っている。仏像～？ 急に親近感が沸いてきたぞ。
