勝手に映画紹介!?

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クリーン ある殺し屋の献身(2021年)

クリーン ある殺し屋の献身 [DVD]

 

WOWOWの“アクション特集:悪人だらけの日曜日”でエアチェックしておいた「クリーン ある殺し屋の献身」を鑑賞…「戦場のピアニスト」やピージャク版「キングコング」のエイドリアン・ブロディが殺し屋に扮したアクション。主人公は清掃車の運転手としてひっそり暮らしながら、死んだ娘にソックリな近所に住んでいる黒人の女の子に手を差し伸べているんだけど…その女の子がトラブルに巻き込まれたのを助けるため、本来の殺し屋能力を発揮して、黒人ギャングどもを血祭りにあげてしまったことで、結果的に他の悪党たちから命を狙われてしまうことに…。

 

深夜の町を清掃車で回り、ゴミの回収をする清掃人の男…そんな彼のことを近所の者はクリーンと呼んでいた。クリーンは親しい友人も少なく、孤独に過ごしているが…祖母と暮らしている隣人の少女ディアンダには積極的に目をかけ、援助もしていた。ある日、ギャング同士のトラブルに巻き込まれて負傷するクリーン。その後、黒人ギャングに乱暴されそうになったディアンダを助けるため、アジトを襲撃したクリーン…ディアンダは無事に救出できたが、黒人ギャングと一緒にいた、別組織のボス、マイケルの息子に重傷を負わせてしまい、報復されそうになる!

 

ちょっと前に「ベイビーわるきゅーれ」の監督が撮った「ある用務員」って作品を見たんだけど…あの作品と系統が似ているかな?細かいバックボーンとかはぜんぜん違うんだけど、一見、地味で“うだつが上がらない”オッサンが…実は怒らせたら超ヤベェー凄腕の殺し屋で、そんな殺し屋が、トラブルに巻き込まれた堅気の女の子を助けるために、必死こいて悪党たちをブチ殺すというお話。殺し屋と元CIAエージェントという違いはあるけど…デンゼル・ワシントンが娼婦のクロエ・グレース・モレッツを助ける「イコライザー」の1作目とかにも似てるかもしれないね。

 

始まってから1時間くらいは、若干、退屈気味に感じた。たまに、後に主人公とも直接絡むことになるギャングのボスが…麻薬取引している相手の中国人と揉めてブチきれたりするバイオレンスシーンとかもあるんだけど、それ以外はブロディが、清掃の仕事をしたり、拾ってきたゴミを自分で直して質屋に持ち込んだり、娘の死に責任を感じてて、それが…近所の黒人少女に手を差し伸べる動機になってたり…みたいな話を地味に、淡々と綴っていく感じだった。途中、ギャング同士のトラブルに巻き込まれ、怪我させられたりし、その時点ではまだ強そうに見えないし。

 

一時、ある事情で…親しかった近所の女の子が、エイドリアン・ブロディに対して反抗的な態度をとることになり…その時に、黒人ギャングとつるむようになったんだけど、案の定…ギャングは女の子の身体を狙ってて…。女の子の危険を察知したブロディは、工具箱からパイプレンチを持ち出しまして、ギャングのアジトに乗り込んでいくと…このあたりから、ようやくエンジンがかかりはじめ、話が面白くなる。手にしたレンチで、手あたり次第、黒人ギャングどもをブチ殺しまくるブロディ…本当は殺し屋だったのでめっちゃ強い。難なく女の子を救出することに成功!

 

しかーし…前述の、やはりブチ切れると何するかわからないギャング(白人)のボスの息子が、親に反抗して黒人ギャングどもとツルんでまして(家でラップ作りに夢中になってる息子を見て、親父が激怒し、大喧嘩が始まったり)…ブロディがレンチでぶん殴った中にいたんだよ。幸い、命には別状なかったんだけど…顔かたちが変わるくらいの重傷。それでギャングのボスはブロディに報復してやるぜとなり…女の子とばーちゃんも見せしめに殺しちまえと部下に命じる。もちろんブロディは危険を察知し、女の子たちを連れて逃げ出すんだけど…追手が迫る!

 

前述のパイプレンチで黒人ギャングをめった殺しにするのをはじめ…アクションシーンがとにかく豪快!あそこまでやられるとバイオレンスを通り越して、もはや爽快感があるくらいだ。逃げてばかりじゃだめだと悟り…お前らぶっ殺しに行くぜと、襲撃を宣言!クライマックスは馴染みの質屋(店主はなんとRZA)からショットガンを調達…オマケで貰った信号弾もしっかり武器に転用する。結末に関しては、まぁ、予想通りのベタさだったけど…ラスボス戦の勝敗のつけ方なんかは、しっかりとそれまでのドラマがフリになって…意外性を感じられるものになってたよ。

 

 

監督:ポール・ソレット

出演:エイドリアン・ブロディ グレン・フレシュラー リッチー・メリット チャンドラー・アリ・デュポン RZA

 

 

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DVD クリーン ある殺し屋の献身

クリーン ある殺し屋の献身






 

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ノー・セインツ 報復の果て(2022年)

ノー・セインツ 報復の果て [DVD]

 

WOWOWの“アクション特集:悪人だらけの日曜日”でエアチェックしておいた「ノー・セインツ 報復の果て」を鑑賞…シャバに戻って来た殺し屋(昨日見た同じ特集の「バトル・クルーズ」もそうだったけど…主人公ガムショ帰り設定が続く)が、堅気になろうとするも、再び血塗られた世界に引きずり込まれてしまうというアクション。「タクシードライバー」のポール・シュレイダーが脚本と製作を務めており…ティム・ロス、ロン・パールマン、ニール・マクドノーと濃いめのオジサン俳優が集結。主役の人はネトフリの「ナルコス」が有名らしいが…見てないからわからん。

 

“拷問師”という異名を持つ殺し屋のネトは…死刑判決を受け服役していたが、逮捕時に警察官が証拠をでっちあげていた事実が発覚し、一転、無罪になって釈放される。しかし、世間からの風当たりは強く…特に同じ裏社会の人間からは恨まれ、命も狙われてしまう。ネトには別れた妻のナディアと息子のフリオがおり…フリオのためにも堅気になるつもりで2人と再会を果たすのだが、それを快く思わないナディアの現恋人である地元の悪党ヴィンセントに、ナディアは殺され、フリオは連れ去られてしまう。挙句、警察からは妻殺しの容疑で追われてしまい…。

 

WOWOWの解説によると映画の完成・公開は2022年だったが…撮影自体は2013年に行われており、諸事情で長い間“寝かされていた”作品なんだそうだ…どうりで、ティム・ロスとかニール・マクドノーが最近の印象より若めに見えるなって思ったんだよ。ストーリーは最初にも書いたけど、ムショ帰りの元殺し屋の主人公、タナボタで逆転無罪を勝ち取り、シャバに戻って来たんだけど…手放しで喜んでるのは息子くらいで、元嫁さんなんかは、明らかに迷惑そうな感じ。さらにかつて敵対していた同業者は命を、警察関係者は再逮捕のチャンスを虎視眈々と狙う。

 

さすがに元嫁は…ちょっとした“哀れみ、同情”から、一発ヤラせてくれたりするんだけど、ホントにこれが最後よと。でもね、それを知った今カレのニール・マクドノーが激怒!“何、俺の女をコマシてるんじゃいワレ”みたいな雰囲気で主人公を狙ってきまして…元嫁は殺され、息子は拉致されてしまう。その場で主人公は反撃し…敵のザコをぶっ殺したりもしたんだけど、まぁ、結果的に…元嫁殺しまで背負わされ、警察から追われてしまう。それでも、息子の奪還が最優先…行方をくらませたニール・マクドノーを追って、関係者から力業で情報を得ようとする。

 

どうやら息子はメキシコにいるらしい…途中、国境を超えるため、ストリップバーの女性バーテンダーを金で雇い、夫婦に偽装してメキシコに入国。最初こそ、金目当てで付き合っていた女性バーテンダーも、息子探しに必死な主人公に絆されて率先して協力するようになり、いつしかいい雰囲気に。そんなアブナイ男(だって拷問師って呼ばれた元殺し屋よ…確かにイケオジだけど)に惹かれちゃヤバいって…ホレみたことかって展開が何度もあるが、恋は盲目なんだな。主人公も、惚れちゃいかんと悟って…女を遠ざけようとするんだけど、言うこと聞きやしない。

 

遂に元嫁殺しのニール・マクドノーと直接対決が実現するも…時すでに遅し、息子は別の人物の手に。得意の拷問で居場所を聞き出すが…現役殺し屋時代の因縁めいた出来事が、重くのしかかり、主人公を苦しめる。確かに、改心して堅気になろうとしても…殺しを生業にしていた主人公には、因果応報というものも付き纏うけで、そう簡単に幸せなんか掴めない。宿敵相手に苦戦を強いられ、主人公自身もボロボロ。そして周りの人間も巻き込まれ…。そっちはダメで、そっちは助かったか…なかなかムゴイ。結局、殺し屋が堅気になんかなれないってお話。

 

 

監督:アルフォンソ・ピネダ・ウジョア

出演:ホセ・マリア・ヤスピク シャニン・ソサモン パス・ベガ ティム・ロス ロン・パールマン ニール・マクドノー

 

 

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DVD ノー・セインツ 報復の果て

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銀河鉄道999 エターナル・ファンタジー(1998年)

銀河鉄道999 エターナル・ファンタジー [DVD]

 

無料のBSチャンネル“BS12”で、毎週日曜日に放送されている“日曜アニメ劇場”で「銀河鉄道999 エターナル・ファンタジー」をやっていたのでエアチェック…名作「銀河鉄道999」(映画版1作目)、「さよなら銀河鉄道999 アンドロメダ終着駅」から17年ぶりに製作されたという中編アニメ映画。TVシリーズは子供の頃に再放送で夢中になり、映画の1作目と2作目は節目で何度も見直してるんだけど…本作は存在を認識してたのに意外と見逃していた…恥ずかしながら今回が初鑑賞でした。こういう作品を拾ってくれる“BS12”“日曜アニメ劇場”には感謝しかない。

 

星野鉄郎が女王プロメシュームを倒し、機械帝国は滅びた。表面上はかつての平和と繁栄を取り戻したかに見えた地球だったが…新たな支配者が現れ、人々は圧制に苦しむ。英雄として地球に迎えられた鉄郎も、危険分子として総督ボルカザンダ三世に捕まり、今にも処刑されそうになっていた。そこへ汽笛と共に、メーテルを乗せた999が現れ、鉄郎を救出。再会を果たした鉄郎は、メーテルから“戦士の銃”を渡され、新たな旅の目的を知ることに。再び宇宙に旅立った鉄郎…その後、999は地球そっくりの“輝く蛍の輪の駅”に緊急停車することになるが…。

 

今から25年前の作品…冒頭からそれまでの手描きと違う、CGによる999の描写が出てくるけど、しっかりと映像に馴染んでいてそこまでの違和感がない。2Dアニメの中に登場する昔のCG描写を見ると、アレって思っちゃうことも少なくないけど(いや、それは今でも同じか)、けっこう驚いた。それに加え…全体を通しての作画のクオリティの高さ、安定感にも目を見張る。Wikipedia調べによると…999作品初のデジタル彩色でもあったらしいが、ジブリ初のデジタル彩色だった「もののけ姫」なんかよりも、それまでのセル画に近い色味のようにオイラは感じたけどね。

 

当時の詳しい制作工程はよく知らないけど…ネットで調べると、オークションなどで“エターナルファンタジーのセル画”も実際には出回ってたり…とにかく、メカもキャラも作画がめっちゃ美麗だったということを強調して言いたい。ヌルヌルと滑らかに動き回る哲郎とメーテル…編集やカメラワークもやたらかっこよく、物語序盤、地球で総督ボルカザンダ三世に捕まった鉄郎を、999が特攻ぶちかまして救出するシーンからめっちゃテンション爆上がりであった。続く、地球そっくりの星では哲郎とメーテルの混浴シーン。アニメなのに、メーテルの色気がたまらん。

 

その後、999らしいハードなドラマも展開され、緊迫感ある強敵との戦いなど…見どころは満載なんだけれども、やっぱり1時間未満の中編作品ということで、映画版1作目&2作目のような物語のカタルシスが味わえないのは残念。作画の美しさに騙されてしまったが、オイラのようなアニメしか見ていない原作未読者からすると、情報不足にも思える序盤(ただでさえ、女性キャラはみんなメーテルに見えちゃうし)、そして…旅は始まったばかり、これからまだ続くという、序章どまりだった本編。実際に続編企画があったそうだが、興行不振で企画がポシャったらしい。

 

そうなんや…この映画を見終わった時、原作漫画以外に、続きが描かれたアニメがあるのかなって(実際に本編でも続編を匂わすテロップが表示される)、配信サイトを探してしまったけど、どうりで見つからないわけだ。ただ、昔のアニメ映画とかOVAって…原作の一部を切り取った中途半端なものもけっこうあったので、そういうものだと納得すれば、全然楽しめないわけじゃない。充分に999の醍醐味は楽しめた。ちなみに約2時間の放送枠ではTVスペシャルの「銀河鉄道999 永遠の旅人エメラルダス」も放送、こちらは過去のTVシリーズの再編集作品でした。

 

「エターナル・ファンタジー」と続けて見てしまうと、作画のギャップを感じてしまうものの…エピソードを絞っているので、お話としてはこちらの方が見やすかったり。冒頭、実写映像に合わせて…ゴダイゴが唄う名曲“銀河鉄道999(The Galaxy Express 999)”が聴けたり、それなりに満足感はある。そういえば、昔…地区の公民館だか博物館だかで無料上映会があって、999の映画が見れるって言われて行ったら、こんなようなTVの再編集版だったことがあったな。「永遠の旅人エメラルダス」だったかは覚えてないけど、実写映像で始まったのは記憶があるぞ。

 

 

監督:宇田鋼之介

出演:野沢雅子 池田昌子 肝付兼太 榊原良子 戸田恵子 日高のり子 たてかべ和也 山寺宏一 夏八木勲

 

 

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バトル・クルーズ(2022年)


バトル・クルーズ [DVD]

 

WOWOWで放送の“アクション特集:悪人だらけの日曜日”…今回のラインナップ4作品は、どれも気になるものばかりだったけど、とりあえず放送順(エアチェック順)ではなく、自分が見たいものから攻めていく…ということで、ルビー・ローズとフランク・グリロが共演した「バトル・クルーズ」を鑑賞…昨日のうちに鑑賞は終えてたんだけど、ひとつ前にアップした“読書ネタ”の記事を執筆していたら、こちらの映画感想の記事は日付を跨いでしまった(汗)今回の放送でタイトルを知ったんだけど…ネットで調べる限り、一応、日本でも劇場公開されているらしいですね。

 

ベラ・デントンは長い間、父親と疎遠になり…問題を起こして刑務所にも服役していた。ある日、父親の友人を名乗るエド・ミーザーという人物から、父親が亡くなったという報せが入る。さらに遺品として、ベラに船を遺しており、その引き取り手続きをするために現地まで来てほしいと打診される。半信半疑で指定のマリーナに向かったベラは、想像以上に豪華な船を相続し有頂天に。その夜、バーで知り合ったマイケルを誘い、船内で一夜を共にする。やがて眠ってる間に船が動き出していることに気づくのだが…船内には武装した2人組の男が侵入しており…。

 

若い頃にヤンチャして、ムショ行きになったルビー・ローズ…家族とは疎遠になってて、誰も手を差し伸べる人はいない。やがてシャバに戻って来たけど、画面が割れたスマホを使い続けるなどジリ貧。そんな時に、見知らぬ相手から電話が…“お前のオトンが死んだ、船が遺産だから取りに来い”と。半信半疑で指定のマリーナまでやって来たルビー・ローズを迎えたのはフランク・グリロ。死んだオトンの友人で…相続の手続きなんかも、率先して進めてくれる。最初は“船なんて要らん”って言ってたけど、想像以上に豪華だったので、とりあえずもらっておくことに。

 

気前が良くなって…酒を飲みに行ったバーで男を逆ナン、その相手はパトリック・シュワルツェネッガー…さすがルビー・ローズ姐さん、あのシュワちゃんの実息をお持ち帰り。案の定、もらったばかりの船の中で一発ヤって気分よく眠りこけてたんだけど…知らないうちに、武装した賊が侵入してて、船が動き出していた。シュワの息子は“早く逃げよう”って海に飛び込もうとするんだけど…子供の頃のトラウマで、泳げないルビー・ローズ!じゃあ、助けを呼びに行ってくるぜと…一人で海に飛び込むシュワの息子。しかし賊たちに気づかれてしまい銃で狙われる!

 

ルビー・ローズはビビって船内に逃げ隠れ…って、今までアクションメインの作品で強い女性キャラを演じることが多かったけど、本作ではけっこうなヘタレ。あまりルビー・ローズ自身のアクションも多くなく…っていうか、敵も武装してるんだけれども、そこまで派手なドンパチがあるわけではない。何か目的があって船に乗り込んできた2人…船内には亡き父親が雇った船長もいるんだけど、なんと賊に通じている内通者だった!さらに…何者かに電話連絡をして、いちいち指示を仰いでいる2人の賊。もう、キャスティングで黒幕バレバレじゃねーかってお話。

 

黒幕の正体じゃなくて…別のところで、“えーー、ウソーー”って驚きはあったけどね(笑)ルビー・ローズはただ船の中を逃げ回ってるだけのシーンが多く(たまに反撃することもあったが)、そして満を持して登場した敵の黒幕も、かなり間抜けな最期を遂げ、まったく盛り上がらなかった。ルビー・ローズは近作「ヴァンキッシュ」も肩透かしだったけど(北村龍平監督の「ドアマン」ネットフリックスで配信されている「SAS: 反逆のブラックスワン」はめっちゃ面白い)…あくまで、オイラの主観で、「ヴァンキッシュ」より若干、本作の方が良かったかなというレベルです。

 

 

監督:デクラン・ホワイトブルーム

出演:ルビー・ローズ フランク・グリロ パトリック・シュワルツェネッガー ルイス・ダ・シルバ・ジュニア

 

 

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先週の読書:「アクトレス」「SIS 丹沢湖駐在 武田晴虎」

先週の読書:「アクトレス」「SIS 丹沢湖駐在 武田晴虎」

 

5月末に外来を受診した結果、中旬から…母親が再入院することになったので、今月はまた何かと忙しくなり、映画や読書、ブログ更新の時間がとれなくなる可能性もある。ただ、まぁ…2月の突発的な入院と違い、前回の退院時に担当医から予告されていた、検査・治療を目的とした短期の入院なので、数日で退院できる見込みではあるんだけどね。またコロナの5類移行で対策も緩和されたようなので…2月の時よりも、入院時の対応も色々と楽になってるらしいし。まぁ、あの時は…着替えの差し入れをするのさえ大変だったからな、それだけでも良かったよ。

 

さて、先週はそれこそ母親の病院の付き添いがあったり、大雨が降って気分が憂鬱になったり(というの、無理やり読書量が減ってる理由にしてる)…結局、読了は2冊にとどまった。2冊ともブックオフの古本…最近は、文庫の価格が220円、単行本の価格が390円になりつつある地元ブックオフ(一応文庫は110円から、単行本は220円からってなってるけど…だいたい自分が読みたいなと思った本は高い方の金額のことが多い)だけど、2冊ともまだ安い頃に入手したものだな。これからは、発行が新し目の古本を探すなら、ネットオフの方がいいかもしれんなぁ。

 

1冊目は誉田哲也の「アクトレス」…前に読んだ「ボーダレス」の続編。一見バラバラに見える複数キャラ、複数視点が同時進行していく構成だった前作…今回も同様に複数視点で、前作登場の主要キャラが再登場し、その後が描かれていて…そこに新たなキャラ、視点が加わり、再び事件に巻き込まれていく。2冊目は鳴神響一の「SIS 丹沢湖駐在 武田晴虎」…タイトルのSISは警察の特殊捜査係のこと、よく耳にするSITの神奈川県警版で、そこに所属していた元主人公が、心機一転、田舎の駐在所に異動して、事件に遭遇する…シリーズものの1作目です。

 

ぶっちゃけ両方とも及第点って感じなのかな?「アクトレス」は…誉田哲也なので、つまらなくはないです、普通に面白いです。でも、一見、脈略のないエピソードの同時進行が、何が起きてるんだろう?どうやって繋がるんだろうっていう、是作品全体を通したミステリアスさは前作の方があったと思う。まぁ、前作登場のキャラクターたちのその後が読める、キャラ小説としては充分に魅力的。それに比べると「SIS 丹沢湖駐在 武田晴虎」は手軽に読める一般的な警察小説レベルって感じだね。ということで、今回の“推しの1冊”は誉田哲也の「アクトレス」に決定!
 

 

 

2022年1月発行の誉田哲也著「アクトレス」…ソフトカバー単行本、未文庫化。ちょっと前に…古本入手の文庫版で読んだ「ボーダレス」の続編。前作に登場した主要キャラクター+新キャラで、前作同様に複数視点の同時進行で物語が展開される。前作のキャラクターたちは、それまでは交わったことのない赤の他人だったんだけど、前作の事件を境に親交を深めており、それぞれ成長した数年後の話になってる。一応、前作の最後で事件から数年後の近況が描かれており、そのもうちょっと後の時系列で新たな物語、新たな事件が起きるって感じですかね?

 

前作で作家志望だった女子高生が、成長して女優兼作家になってるんだけど、諸事情で自分の書いた作品を別の人気女優の名義で発表しねければならなくなり、それ自体は本人も容認していたんだけど…その後、小説内で描かれた事件と似た事件が現実で起きてしまうというトラブルに発展していく。友人になった他のキャラクターたちも、それぞれの道に進み、日々の生活を送ってるんだけど…前述の女優兼作家の女の子のピンチを知って、行動を開始する。序盤は、それぞれのその後の日常を描いているんだけど、段々ときな臭い感じになっていく。

 

また、前作には登場していなかった新キャラが、物語、事件のキーとなる感じで、どうやら女優兼作家の女の子と同じ、芸能関係者のようで…その幼少期なども紐解かれていく。各エピソードがどうやって繋がるのか?途中までは、もしかしてメタっぽい仕掛けがあるんじゃないかとまで疑っていた、ちょっとトリッキーな前作に比べると…一見、バラバラに見える複数同時進行のエピソードも、本作ではそこまでミステリアスではなかった。序盤で“事故に遭ったあの子は誰?”“音信不通になったあの子はどこへ行ったの?”とか気になる部分はあったんだけどさ…。

 

でもって一番メインどころの殺人事件なんかも、発生・発覚のインパクトに比べるとわりと地味な話だったしね。まぁ、実際の事件なんてそんなもんよという伏線が…これ見よがしな会話の中に出てきたので、なんとなく結末を予測出来ちゃったというのもあるよね。キャラ小説として“その後”が読めたのは良かったと思う。他のシリーズで見かけたキャラが出てきたり(世界観が同じなのは前作でも匂わしていたような気が)…あれ、このシリーズも将来的に繋がったりしちゃうのかな?みたいな、ファンサービス要素はちょっと気になりますね、まだ続編あるのか?

 

 

 

2021年5月発行、鳴神響一著「SIS 丹沢湖駐在 武田晴虎」…この著者の作品を読むのは2冊目かな?ずいぶん前に「脳科学捜査官 真田夏希」っていう別シリーズの1作目を読んだんだけど、自分的にはそれがあまり面白くなくて、ずっと敬遠していた。今回はタイトルにSIS(よく耳にするSITの神奈川県警版って感じの係)ってついていたので、なんとなく興味をひかれた。冒頭、SISの班長として立てこもり事案の指揮を執る主人公…そこで、事件を解決するも、部下を負傷させてしまい、その責任を取って、自ら丹沢湖という田舎の駐在所勤務を希望し、異動になる。

 

今まで刑事畑だったので、慣れない駐在所勤務、しかも妻に先立たれ、おとこやもめの主人公だったが…ようやく田舎生活に馴染んできたかなってところで大きな事件が続けて起きる。まずは地元の小学生が増水した川で溺れそうになり、主人公は必至の救出を試みる。その後、間髪を入れずに、同じ地区で…観光客のカップルが襲われ、連れの女性が連れ去られるという事件が起きてしまう。一応、連れ去り事件の方がメインで、重大事件なので、古巣の元同僚なんかも出張ってきて、駐在所のお巡りさんという身分を逸脱して、事件の捜査に関わっていく。

 

さらに、連れ去り事件の裏に…もう一つ、別の事件が隠されていて、出しゃばった主人公が、そちらの真相を看破し…。「脳科学捜査官 真田夏希」は男性の著者が無理して女性主人公を描写しているのが痛々しくてノレなかったんだけど、この作品はむさ苦しい中年のオッサンが主人公だったので、そこまでキャラ描写も気にならなかったかな?「脳科学捜査官 真田夏希」よりは面白かったです…既にシリーズ3作目まで発刊済み、3作目は既に古本入手済みなのだが、2作目はまだ未入手なので、続けて読むか、2作目が揃うまで待つか…迷ってる。






 

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デモニック(2021年)

デモニック [DVD]

 

エアチェックディスクの整理をしていたら、昨年(2022年)12月のWOWOW初回放送で録画して、ディスクに焼いた後に…見るのを忘れて放置してしまった(実はこういうのがいっぱいある)「デモニック」が出てきたので、今さらながらに鑑賞。「第9地区」「エリジウム」「チャッピー」のニール・ブロムカンプが撮ったというカナダのホラー映画。解説等を読んでいたので、ホラーらしいというのは、なんとなくわかっていたんだけど…過去に見ているブロムカンプ作品の印象から、ドンパチが多めの派手な大作系なのかと思っていたが…想像してたより地味な内容だった。

 

久しぶりに故郷へと戻って来たカーリーは、知人のマーティンから…母アンジェラが、昏睡状態に陥り、新興医療技術会社“セラポール”の研究施設に収容されていると教えられた。アンジェラは過去に大量殺人を犯して逮捕され、刑務所に収監…以来、アンジェラは絶縁状態が続いていたのだ。後日、“セラポール”を訪れたカーリーは、アンジェラを担当する医師たちから、新装置“シミュレーション”を使って仮想空間の中に入り込み、アンジェラの意識と接触してほしいと頼まれる。カーリーは母親の悪夢から解放されたい一心で、申し出を受けることにしたが…。

 

序盤は特殊な装置を使って、昏睡状態になっている人の意識に接触…さらにそれをモニタリングして、未解決の事象についての調査に活用しようって展開なわけだが…真っ先に、死んだ人間の脳をスキャンする「秘密 THE TOP SECRET」とか、他人の記憶に潜入することができる「記憶探偵と鍵のかかった少女」のことを思い浮かべたんだけど、ちょっと待て…そういえば、同じことをノーランの弟がプロデュースした「レミニセンス」を見た時にも想像したよな。今までのブロムカンプの作品も…確かに先達のリスペクトやオマージュがけっこう入ってたもんな。


ただ…相手の意識とコンタクトをするための仮想空間の描写は、それなりに独自性があるというか…他の作品では現実と区別がつかなくなっちゃうような仕掛けもよくあるから、仮想区間もわりとリアルに描写されることが多いけど、本作では仮想空間だと解りやすいように、解像度がやたら悪いYouTubeの動画を見ているような、わざとノイジーでカクついてた映像になってたよね。そしてこのあたりから…段々と「インシディアス」や「死霊館」チックなジェームズ・ワン味も出てきまして…なんと、後半はSFで味付けした「エクソシスト」だったという展開になっていくのよ。

 

でもって…“こいつら悪魔祓い師だったんかい”みたいな奴らがいまして…そいつらが武装とか始めたので、“おお、ようやくブロムカンプらしくなってきたか”と期待感がアップしたんだけれども…きっと“派手なドンパチも繰り広げられたのだろう”ってことは、視聴者の想像に委ねまして…あえてそこは見せていないのよね。コロコロと作品の印象が変わる感じなんかはよく考えてると思うんだけど…もう少し悪魔との派手なバトルが拝みたかったなと。エンディングもホラーにしては味気ない…なんか、いかにもな後味悪いホラーオチをもう一発かましてほしかった。

 

 

監督:ニール・ブロムカンプ

出演:カーリー・ポープ クリス・ウィリアム・マーティン マイケル・J・ロジャース ナタリー・ボルト テリー・チェン

 

 

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エージェント:アンヌ(2023年)

エージェント:アンヌ(2023年),Seule: Les dossiers Silvercloud(Let Her Kill You)

 

日本初登場作品をソフトリリース、または劇場公開前に放送するWOWOWのジャパンプレミアでエアチェックしておいた「エージェント:アンヌ(原題:Seule: Les dossiers Silvercloud/英題:Let Her Kill You)」を鑑賞…ホラー映画の巨匠ダリオ・アルジェントの娘で、自身も監督経験があるアーシア・アルジェント主演のスパイサスペンス。大統領選真っただ中のバラク・オバマにまつわるスキャンダルをめぐり、元スパイのヒロインが再びきな臭い陰謀へと巻き込まれていくといった感じの内容。邦題、原題で検索しても、まだAmazonでは円盤はヒットしなかった。

 

2008年10月、スイスのサンモリッツ…人里離れた山小屋で隠遁生活を続けているエリザベス・ケラーは、小屋の中に盗聴器が仕掛けられていることに気づく。その直後、各国政府機関の機密情報を暴露することで有名なサイト“シルバークラウド”のターナーから、選挙中のバラク・オバマ候補の側近が、ロシアのスパイだったというスキャンダルに関する情報提供を求められる。実はエリザベス自身も、アンヌという名前で諜報組織GRUに協力していた元スパイだったのだ。申し出を断るエリザベスだったが、直後…思わぬ別の人物から接触を受けることになり…。

 

アーシア・アルジェントのスパイ映画といえば…真っ先に思い浮かべるのがヴィン・ディーゼル兄貴が007ばりに大暴れする「トリプルX」(1作目)のヒロイン(?)役。事前に見ていた予告映像なんかでも、アーシア姐さんが銃をぶっ放すシーンが流れていたので…さすがに「トリプルX」ほどではないとしても、それなりにアクションが楽しめる作品なのではないかと期待してたんだけど…想像していた内容とだいぶ違いましたね。アクションもないわけじゃない…最後にちょこっとでてきますけど、基本は電話相手に喋り続けるアーシア姐さんの演技を見ている方が多い。

 

冒頭、オバマの選挙戦に関するニュースが報道されてるので…けっこう昔の話なんだなって思ってたら、やっぱり2008年が舞台であるというテロップが表示された。アーシア姐さんが生活する山小屋の中に、独特なフォルム、カラーのiMacが置いてあり、その後もそのiMacを操作して情報収集したりするシーンが描かれるので、ああ、あの頃の話なのねと、ある程度の年齢の人だったらイメージはしやすいかもしれない。でも、ネットで調べてみると…2008年だと、もっと洗練されたiMacが主流になってたので、隠遁生活を強調するために、あえての旧型なのかもね。

 

アクションメインではなく、サスペンスだったので全体的に地味ですね…たまに過去シーンが挿入されたり、時系列もグチャグチャしているので、話もわかりづらい。アーシア姐さんは、元ロシアのスパイ…といっても、本職のスパイに協力していた、素人に近い協力者だったんじゃないかな?その相棒のロシアの本職スパイと組んで、オバマの側近であるIT技術者をロシア側に勧誘しまして、色々と情報漏洩させていたと。その件が大統領選のせいでクローズアップされてしまい…関与が発覚すると困るロシア側が証拠隠滅を図ろうと動き出したってことみたい。

 

問題はアーシア姐さんが組んでいたロシア側のスパイである相棒の存在…まぁ、なんで協力していたのかというと、ぶっちゃけ色恋が絡んでたからなのよ、よくある話。ただ、そのロシア人スパイが“元カノ(同性の恋人)”っていうのが今風というか、情報が伝わってき辛い要因にもなっている。暴露サイトがアーシア姐さんに求めている“情報・証拠”をどうにかしようと接触してくる元カノ。ただ元カノは…アーシア姐さんとの再会を望み、ロシア側を裏切るようなことを匂わす。いやいや、それもロシア側の作戦では?その真意を測るための駆け引きが繰り広げられる。

 

最初の方で書いたiMac同様…劇中で使用されるデジタル機器が微妙に古臭く、そんなところがスパイ映画っぽくていいなと思った反面、そこ以外は、登場人物も少なく、暗くて、地味で、大して面白味のある作品ではなかったなというのが正直な感想。ようやく動きがあるクライマックスなんかは…暗めの夜間シーン、アーシア姐さんの顔アップが多めなので、どことなくホラー映画のような雰囲気も味わえたけど…印象に残ったのはそれらくらいかな?アーシア姐さんが出ずっぱりなので、ずっと顔を拝んでいたい人にはお薦め…オイラは「トリプルX」の方が好き。

 

 

監督:ジェローム・ドシエ

出演:アーシア・アルジェント ジャンヌ・バリバール ジョゼフ・レズウィン

 

 

【オイラが好きなアーシア姐さん出演作!】

Blu-ray トリプルX ※本文で紹介した「エージェント:アンヌ」ではありません

トリプルX




 

YouTubeに予告編があったよ!

 







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ベイビー・ブローカー(2022年)


ベイビー・ブローカー DVDスタンダード・エディション

 

明日から、今年のカンヌ映画祭で脚本賞を獲った是枝裕和監督の「怪物」が公開になるけど…たぶん見に行けない。明日は、時間的な余裕はあったんだけど、どうやら朝から雨らしいし。来週以降、6月は…母親の入院治療の日程が決まったので、中旬くらいまで映画館に行く余裕がないと思う。治療がうまくいき、問題がなければ…月の後半はなんとかなるかもしれんけど。まぁ、その話はひとまずおいておいて…「怪物」が見れないので、WOWOWでちょうど放送になり、エアチェックしておいた是枝監督が韓国で撮った「ベイビー・ブローカー」を鑑賞することに。

 

借金に悩むクリーニング店店主サンヒョンと、赤ちゃんポストのある施設で働くドンスは…2人で組んで、預けられた新生児を横流しする人身売買の裏稼業に手を染めていた。ある夜、若い女性ソヨンが預けたウソンと名付けられた赤ん坊を、うまく連れ出した2人だったが…翌日、ソヨンが子供を引き取りに施設へ戻ってきてしまった。慌てた2人は…ソヨンにも仲介料を払うことで、なんとか話をまとめ、4人で養父母探しの旅へと出かけることに…。一方、サンヒョンたちの悪事を知り、女性刑事スジンと後輩のイ刑事が現行犯逮捕しようと尾行を開始していた!

 

主演のガンホ兄貴をはじめ、カン・ドンウォン、ペ・ドゥナと…韓国映画に疎いオイラなんかでも知っているスター俳優が勢揃いしていて豪華。是枝作品だって知らなければ…どことなくドキュメンタリータッチないつもの是枝作品とも雰囲気が異なり、普通に韓国映画だな。その一方で…どこか憎めない悪党たちが、家族ごっこに興じる“疑似家族”っぽいところなんかは…それこそ「万引き家族」に近いようにも感じるな。そんな風に思いながら見ていると…劇中で赤ん坊の若い母親を演じたイ・ジウンという女優が「万引き家族」に出てた松岡茉優にちょっと似て見える。

 

ガンホ兄貴の…ダメ中年オヤジぶりはさすがの安定感。前半のクズっぷりも、物語が進むにつれ哀愁が見え隠れし、最終的にはやたら男前に見えちゃったりする…これ日本人俳優で是枝裕和がセルフリメイクするとしたら、ガンホ兄貴のポジションはやっぱリリー・フランキーなんじゃない(笑)赤ん坊を盗んで売り飛ばすという社会派なテーマをブラックユーモアで見せ切ってしまうあたりは、是枝作品と韓国映画の見事な融合だと思うし、普通に面白い映画、感動的な映画にはなっていたと思うけど…韓国映画としては、若干終わり方が綺麗すぎるなとも…。

 

あと、是枝作品として捉えると…今までの過去作、「海街diary」や「万引き家族」(あとWOWOWドラマの「有村架純の撮休」の是枝監督担当エピソードは真骨頂!)で感じた“むっつりスケベ”感が少ない。意外と、真面目なふりして…官能描写をぶち込んで、女優の魅力を引き出すのが得意な監督だと思うんだけど、今回はありそうで、そういう描写がなかった。カン・ドンウォン演じるドンスと赤ん坊の母親が…場面によっちゃいい雰囲気になったりするんだけど、シャレオツな韓流ドラマのラブコメどまりな感じだった。ハラスメントに厳しい昨今の風潮も影響かな?

 

 

監督:是枝裕和

出演:ソン・ガンホ カン・ドンウォン ペ・ドゥナ イ・ジウン イ・ジュヨン
 

 

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DVD ベイビー・ブローカー

ベイビー・ブローカー






 

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上海グランド(1996年)

レスリー・チャン 上海グランド [DVD]

 

3月頃に映画専門チャンネル“ムービープラス”で放送された「上海グランド」をエアチェックしたまま放置(つーか、明日6月1日にもリピート放送あったよ)、まだ見ていなかったので、なんとなく鑑賞したくなる。確か、チョウ・ユンファの特集放送をやっていて、本作にはユンファは出ていないんだけど…ユンファの出世作の一つと言われているドラマ版「上海灘」という作品のリメイクが本作になる。レスリー・チャンとアンディ・ラウが共演しており、公開当時に話題になった。オイラも劇場鑑賞し、初期版のDVDを今でも所持しているが、最近は見直す機会はなかった…。

 

台湾反日同盟のホイ・マンキョンは満州で蜂起に失敗…目の前で仲間が殺されるのを見ていることしかできなかった。ホイは犯人の葉巻を咥えたボスと実際に仲間に手をかけたチャイナドレスの女に復讐を誓い、なんとか捕らえられていた船から脱出。一方、上海で成功を夢見る野心家の青年リクは…瀕死のホイを見つける。その後、リクの目の前で、想いを寄せる富豪ファンの娘ティンティンが誘拐されそうになり助けるのだが、犯人のウィン一家に報復され家が放火されてしまう。その時、家に取り残された母親をホイが救ったことで、2人は固い友情で結ばれる!

 

恥ずかしながらオリジナルのドラマ版は見たことがない(ユンファ兄貴のファンなのにねぇ)。反日的な描写も若干あるので…日本人としては複雑な思いにかられるかもしれないし、もともとが長大なドラマ作品で描かれた物語を、90分強の尺に落とし込んでいるので、ダイジャスト感も強めだったりするんだけど…香港ノワールらしい男の友情話はなかなか胸熱だし、そこに三角関係が絡み、予想以上にドヨ~ンな気分になる、救いようのない後半も印象的(すっかり忘れてたけど、こんな悲惨な話だったっけ)…なによりアクションシーンがめちゃんこカッコいい。

 

冒頭、反日闘士のレスリーが敵に捕まり、仲間共々ぶち殺されそうになるんだけど…なんとか1人だけ逃げ出す。捕まっていた場所は、荒海を航行中の船の中で、海に放り出されてしまうんだけど…奇跡的に上海にたどり着きまして、そこで“成り上がり”を夢見るチンピラ青年のアンディと出会う。最初こそ、相容れない様子だった2人だが…放火された家の中からアンディのオカンをレスリーが助けたことがきっかけになり、マブだちになる。実は火事の直前に、片思い中の金持ちお嬢様が拉致られそうになってるのを助けており、犯人一味に報復されたのだ。

 

やられたらやり返す…さっそくマブダチになったレスリーと犯人一味のところへさっそうと乗り込み…ってところまではよかったが、逆にボコられてピンチ!しかーし、日本人相手に戦っていたレスリーは、銃を持ったらめっちゃ射撃が巧くてですね、形勢を逆転させる!結果…犯人一味を一掃!娘のことを救ってくれたと、金持ちも後ろ盾になってくれて(犯人一味ともともと敵対関係にあった)、犯人一味が牛耳っていたシマをアンディがいただくことに。こうして金持ちと対等な関係になったアンディは…“娘をくれ”って金持ちオヤジに直訴、求婚の準備を進めていくが…。

 

まぁ、案の定…アンディではなく、レスリーとデキてたと。アンディ視点では真面目そうに見えたお嬢様が、レスリー視点で見ると、とんだじゃじゃ馬のヤリマンビッチでビックリする。ただし…どうして2人がくっついたのか、その真相が回想形式で紐解かれていくと、これまた印象が変わるんだけど。2人が乳繰り合ってるのを見て、怒り心頭のアンディ…でも、グっと感情を押し殺して、“彼女を不幸にしたら、お前を殺す”とアンディに言い放って…潔く身を引くんだ。男としては、アンディの方を応援したくなるよな。でも、ここからの展開が想像以上に非情で酷かった。

 

 

監督:プーン・マンキ

出演::レスリー・チャン アンディ・ラウ ニン・チン ウー・シンクオ アマンダ・リー ラウ・シュン チョン・ウソン

 

 

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DVD 上海グランド

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TITANE/チタン(2021年)


TITANE/チタン [DVD]

 

WOWOWでエアチェックしておいた「TITANE/チタン」を鑑賞…2年前のカンヌ映画祭でパルム・ドールを受賞した作品ということで話題になっていた。劇場公開時に、ネットで予告映像なんかはチラっと見たし、2022年の劇場映画のベストとして推してる人なんかもよく見かけたけど…“交通事故が原因で頭蓋骨にチタンプレートを埋め込まれた女性が、成長してシリアルキラーになった”という基本ストーリー以外は、あまり予備知識を入れないで挑んでみた。この作品の監督の前作(RAW~少女のめざめ~)も話題作らしいけど…たぶん、見てないかもしれない。

 

幼少期に、父親の運転する車に乗っていて事故に遭い、頭蓋骨にチタンプレートを埋め込まれたアレクシア…それ以来、彼女は車に異常な執着を抱き、危険な衝動に駆られるようになる。成長したアレクシアはショーガールとして人気を博していたが、近づいてきたファンなど自分に興味を抱いた者を容赦なく殺す連続殺人鬼でもあった。ある時、派手な事件を起こし、指名手配されてしまったアレクシア…自分の容姿に似た失踪人に成りすますことに。やがてアレクシアを“自分の息子”と信じる消防士ヴァンサンとの奇妙な共同生活が始まるのだが…。

 

事前情報で“事故に遭う”のは知っていたので…幼少期を描いた冒頭シーンも、ある程度、覚悟をして見ていたのだが(事故直前の幼少期の主人公と父親のやり取りとか…絶対に事故るフリだし)、なるほど、頭蓋骨にチタンを埋め込む手術シーンのビジュアルから相当インパクトのあるものだったな。手術は成功、命を取り留め、無事に成長したかに見えた主人公だったが…なかなかパンクなお姐様に成長してて、職業はショーガール(脱いだりもするHなダンサー)で、男どもを魅了してたんだけど…ストーカーまがいのファンを平然とぶち殺す殺人鬼でもあった。

 

自分の髪に刺さってる棒状の髪留めを、「必殺仕事人」のかんざし(飾り職人)の秀よろしく器用に捌いて凶器にする殺害シーンにも驚かされたが、その直前にあった、シャワールームで、隣にいるお姉さんの乳首のピアスに主人公の髪が絡まっちゃうという…あまり映画では拝んだことがない、少なくても自分は見たことがなかったシーンもとにかく印象的でして、最初、“何してんだ?”って、訳わからんかった。その後も、えーって驚かされる主人公の行動や展開が色々とあり、チタンプレートを埋めこむ冒頭からラストカットまで予想の斜め上を行く変な作品だった。

 

鑑賞後にググってみたら、ネットには本作に対する各々の考察が溢れていた…そうなんだよ、視聴者の知識や想像力を試される系の作品だったんだよね。映像として描かれたものをそのまま素直に受け止めていいものから、そうじゃないものまで…とにかくシーンの一つ一つに引っかかるところがいっぱいある…説明が少なく、唐突感のある編集も多めだった気がする。でも、すべてを理解できなくても、一通り展開を追っていくだけで、“いったいどこに着地するの?”と、引き込まれちゃう要素もちゃんとあって無知なオイラでも最後まで飽きずに見てしまったよ。

 

 

監督:ジュリア・デュクルノー

出演:ヴァンサン・ランドン アガト・ルセル ギャランス・マリリエ ライ・サラメ ドミニク・フロ

 

 

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