トムソーヤーに絵本読み聞かせ -19ページ目

セクシー対決!!電波人間タックル×蜂女 仮面ライダー映画鑑賞記




 お正月に、こどもサービスということで、『仮面ライダー×仮面ライダー W&ディケイド MOVIE大戦2010』というセンス無い題名の映画を観たのだが、意外に、ドキッとさせられてしまった。

 “電波人間タックル”に、ドキッでした。

 仮面ライダーストロンガー(昭和50年放映)以来、ひさかたぶりに登場の電波人間タックルこと、改造人間・岬ユリコだったが、広瀬アリスといういやに若い女優がテンション高く演じていて、仮面ライダーディケイドにまとわりつく。

 そんなカップル状態の2人に、仮面ライダーディエンドが、指摘する。

 「つかさ(仮面ライダーディケイド)、おまえ、なんで死体なんかとつるんでいるんだ?わかってんだろ、そいつが死んでいるって?」

 驚く、岬ユリコ。

 「えっ、わたしが死んでるって?そんなの嘘よ!!」

 電波人間タックルは、蜂女の毒針にやられて、とっくに死んでしまっていたのだった。それなのに、死を受け入れることができずに、ゾンビ化してさまよっていたのでした。

 今回の映画は、そんなタックルを成仏させる意図もあったそうだ。

 若さが溢れんばかりの広瀬アリスと、「ゾンビ」「死」が重ね合わされると、死んでいるのに生霊的なおぞましさがでているようで、ドキッというか、ゾクッとしてしまったのでした。


 それはそうと、蜂女が死ぬシーンはサイケデリックで最高!!

 青い体が、黄色い腐乱死体になったかと思うと、トロけ出し、きのこの菌や、ナメクジを思わせる液状になり地中に消えていく。必見デス。 




横浜中華街なら、「同發」を目指して!チャーシューゲット!

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 年末年始は、横浜中華街にぎわってます。

 我が家は、『同發』好きです。(別館じゃなくて本館)

 おいしそうな焼き物がぶらさがってます。

 こいつを狙って行列ができてました。

 平日ランチに行くと、いろいろな種類の焼き物がすこしづつ食べられるお得なセットがあります。



中華菜館 同發 別館[中国料理]


みなとみらい線 元町中華街駅 5分
〒231-0023 神奈川県横浜市中区山下町148

ぐるなびで詳細情報を見る

※2010年1月1日現在の情報です

無印良品「再生紙週刊誌4コマノート・ミニA5」をどう使う?

 すごくクリエイティブに使えそうなノートがある。
 
 無印良品の「再生紙週刊誌4コマノートA5」


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 ノートを開くと、1ページにマスが8コマ。

 4コマ漫画2つ分。



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 表紙では少し遊んでみて‥

 まずは、写真の整理のため、写真集のイメージのために使ってみた。


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 ステッドラーの色鉛筆で落書きするように、枠をはみ出しながら書き込んでいくと、たのしくなってくる。


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 もうひとつ、思いついた使い方。

 今、日経の夕刊で連載している小池真理子の小説『無花果の森』に、超絶技法の版画家かつ小説家、柄澤齊が挿絵をしているので、毎回、切り抜きしている。


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 切り抜きがやたら増えてきて、どうしようか思案中でした。

 これらを、もとの小説とは無関係に並び替えて、別の小説をしたてあげるというのはどうだろう?


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 うーむ、大きさがちょっと違う。

 あまり気にしなければというところ。


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 グエナエル・ニコラさんというインテリアデザイナーは、娘を寝かしつける時にするオリジナルストーリーをこれで整理しているらしい。

 いいかんじの使い方だ。


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 これは『Real Design 無印良品の作り方』の記事から。


Real Design (リアル・デザイン) 2009年 05月号 [雑誌]/Real Design(リアルデザイン)編集部

¥880
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 それから、さっき触れた柄澤齊の恐ろしい超絶技法の小説『ロンド』は是非、よんでください。ひきずりこまれます、ホントに。


ロンド (上) (創元推理文庫)/柄澤 齊

¥840
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プラネタリウムで銀河鉄道の夜!!ついに作りました『オトナの科学』

大人の科学マガジン Vol.09 ( プラネタリウム )/著者不明

¥2,200
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 何年か前に購入した『大人の科学 プラネタリウム』

 作らないでほっとかれてましたが、4年ぶりくらいに思い出して作成開始。

 『オトナの保健体育』ばかりじゃいけません。コドモに科学教育して、目指すはノーベル賞ですよ??



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けっこう簡単に完成しました。

少し雑ですが‥


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 ついでに、スチャダラパーとSIDIのステッカー貼りました。

 豆電球一個で、6畳の天井から壁までびっしり、約1万個の星空になります。

 コドモも唖然としました。

 スゴいのですが、うまく撮影できませんでした。残念‥



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 アメーバブログのイイダ氏(アクアスタジオの主)もほぞを噛んで悔しがる銀河鉄道の夜でした。


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 次はこれを狙っとります!!


大人の科学マガジン Vol.26(ミニエレキギター) (Gakken Mook)/著者不明

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さよなら桜木町HIPHOPグラフィティー(その18):フィリップマーロウの探偵事務所




 桜木町の国道16号線沿い高架下に、そのロールスロイス“シルバーレイス”は鎮座ましましていた。妖気なのか、車の周囲はぼんやりと青白い微光の層に包まれている。

 なるほど、ロールスロイスに妖怪か!
 確かに、ジャン・コクトーの『オルフェ』という映画では、美しい女の死神がロールズに乗っている。あの映画では、車内のラジオが黄泉の国からの不気味な電波を受信していたっけ。

 いったい、この車は一般の通行人にも見えているのだろうか?
 特殊な精神状態にある者だけに可視化されるエネルギー体のようなものなのだろうか。

 そういう目であらためて車を見てみると、シルバーレイスはかすかに震えており、なにかの拍子でそのイメージ自体がもろくも崩壊しそうな気がした。

 

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 三吉鬼は、探偵の事務所の待合室の椅子に座って、スカッチを飲んでいた。
 テーブルに置かれたボトルには見覚えがあった。アイラ島でつくられた正真正銘のスカッチだった。そしてそれは、探偵が引き出しに隠しておいたはずのボトルだった。

 秋田県に伝わる話だが、どこの誰とも知れない男が、突然、人里に現れ、酒屋で大酒を喰らい、勘定もせずに出て行ってしまうことがあったそうだ。この男に金を請求すると、悪いことが起こるが、ほっとけば、翌日、酒代の十倍ほどの薪が玄関に積まれていたりする。

 男は、いつしか“三吉鬼”と呼ばれるようになったという。そして、その男が事務所で酒を勝手に飲んでいるのだ。

 待合室?そう、この狭い高架下の事務所にも一応、待合室というものがあるのだ。



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 探偵の事務所には、モデルがあった。レイモンド・チャンドラーの『高い窓』に描かれた、1940年代の探偵のオフィスをイメージしたつもりだった。とは言っても、イメージはイメージにすぎなかったのだが‥


 私はカヘンガ・ビルの六階の裏側に二部屋のオフィスを持っていた。一部屋は辛抱強い依頼者が待っていられるように開放してあった。もっとも、辛抱強い依頼人があったときのことだ。ドアにブザーがついていて、私の部屋からスイッチを入れたり切ったりすることができた。

 私は待合室をのぞいた。がらんとしたなかで埃りの匂いが鼻をついた。窓をあけ、あいだのドアの錠をはずして、次の部屋に入った。固い椅子が三脚と回転椅子が一脚、ガラス板がのっかっているデスク、緑色の書類ケースが五つ、そのなかの三つがからのままだ。壁にはカレンダーと額縁入りの免許証。電話、よごれた木箱に入っている洗面器、帽子かけ、ただ敷いてあるというだけの絨毯、居眠りをしている歯抜けじいさんの唇のようにひろがったりすぼんだりしているネットのカーテンがかかっている窓が二つ。すべて、わたしが昨年持っていたものと同じもので、一昨年持っていたのも同じものだった。お世辞にもきれいとはいえないし、ハデでもないが、海辺に張られたテントよりはましだった。(訳:清水俊二)





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 三吉鬼は、濃い藍色のクセのあるウールで荒く織られた生地でできたスリーピースを着ており、くすんだ渋柿色のポケットチーフを枯れた花のようにクラッシュして胸に挿していた。重厚なつくりのスーツでありながら、体のラインに自然にフィットしているのを見ると、誂えものということが一目瞭然だった。ダークココアの革靴は、よく磨かれ色気のある艶を出していた。ひざの上には、柔らかい茶色のボルサリーノがのっかっていた。

 探偵の事務所の待合室とは、人物をショウウィンドウのようにつぶさに観察し描写する場なのだ。少なくとも、チャンドラーにおいては‥

 『ロング・グッドバイ』に、忘れることのできないシーンがある。探偵フィリップ・マーロウのオフィスの待合室で男が待っている。

 A man was sitting by the window ruffling a magazine, He wore a bluish grey suit with an almost invisible pale blue check. On his crossed feet were black moccasin type ties, the kind with two eyelets that are almost as comfortable as strollers and don't wear your socks out every time you walk a block. His white handkerchief was folded square and the end of a pair of sunglasses showed behind it. He had thick, dark, wavy hair. He was tanned very dark. He looked up with bird-bright eyes and smiled under a hair-line moustache. His tie was dark maroon tied in a pointed bow over a sparkling white shirt.


 メンディー・メネンデスというギャングのボスが待合室で待っている。このシーンをすばらしく訳しているのは、清水俊二より村上春樹だろう。ことにファッションを含んだ翻訳ならば、清水訳より村上訳の方が正確だ。

 
 男が一人、窓際に座って雑誌のページをぱらぱらと繰っていた。青みがかったグレーのスーツを着ていた。見えるか見えないかという淡いブルーの格子柄が入っている。黒いモカシンのひも付き靴を履いた両足を、足元で組んでいる。小穴が二つついているような靴だ。ベビーカーみたいに快適で、一ブロック歩くごとに靴下を駄目にするようなこともない。白いハンカチは丁寧に折りたたまれ、その先にサングラスの端っこがのぞいていた。髪は漆黒で、ウェーブがかかっている。そして見事なまでに日焼けしている。彼は鳥を思わせるきらきらした目を上げ、線のように細い口ひげの下に笑みを浮かべた。ネクタイは暗いえび茶色のボウタイで、目が覚めるような純白のシャツの上にきりっとまっすぐ結ばれていた。


 この後につづくマーロウとメネンデスのセリフのやりとりは、見事だ。探偵ストーリー史上最高のやりとりだが、それは読者の皆さん各自に読んでいただくとして、残念ながら、われらが探偵と三吉鬼との会話に戻りたい。


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 「そのスカッチの代償として、このグラフィティロードを線路ごと海に沈めてくれないか?これは通称“モービーディック”って言うんだから、その方がお似合いなんだ」と探偵が呟くと、

 「おまえはほんとうに、それをのぞむのか?」と三吉鬼が問う。

 「そうしたら、オレの脳にまとわりつく白い繭も消滅するだろ」

 「おまえは、それが消えることをほんとうにのぞんでいるのか?」と三吉鬼。

 探偵は黙り込んだ。そしてスカッチを喉に流し込んだ。

 三吉鬼も、黙ってスカッチを飲み続けた。



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高い窓 (ハヤカワ・ミステリ文庫)/レイモンド チャンドラー

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ロング・グッドバイ/レイモンド・チャンドラー

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ロング・グッドバイ (Raymond Chandler Collection)/レイモンド・チャンドラー

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片岡義男『謎の午後を歩く』を片手に冬の散歩(白楽)

謎の午後を歩く/片岡 義男

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 冬の散歩は、謎がいっぱいだ。

 なんでもない、いつもの風景だが、

 冬の乾いて透き通った空気の中で、意味ありげな輪郭が

 いくつも切り出されて、視覚の前に差し出される。



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 片岡義男『謎の午後を歩く』は、

 写真をめぐる謎、視線をめぐる謎を

 考察する数少ない本のひとつだ。



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 たとえば、この本の中で、「影」についての考察がすばらしい。


 季節を問わず僕はピーカンを好む。被写体となる光景は、さまざまな人工物の、合目的的であるはずの集積だ。その集積を作るどのひとつの物体にも、用途としてのかたちがある。そしてかたちには意味としての色が縦横無尽につけてある。この多くの色彩が、太陽からの直接光を受けとめる。どの色も限度いっぱいに浮き立つ。あらゆるかたちの輪郭が鮮明となる。こうした光景を撮るときにも露出は写真機まかせだ。ただし原則として三分の一アンダーに補正している。影の部分は現実よりさらに濃い影となり、影としての意味を深める。


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 「影の部分は現実よりさらに濃い影となり、影としての意味を深める」

 とくに冬の影は、鋭く、濃い影で、物体の輪郭を切り出す。

 「現実よりさらに濃い」

 光と影も、視覚を媒介とする以上、ホンモノらしいフィクションなのだ。



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 もちろん片岡義男さんのような写真を撮れたためしはないので、ペラペラと片岡さんの写真をめくりながら、いろいろと考えるのが好きなのだけど‥


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 鼻やまぶたにピアスし、チェーンをぶらさげる藤原紀香も、影が織りなすフィクション?


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※撮影は、Carl Zeiss PLANAR 50㎜ F1.7

「ナポリに行きたい」病、瞬間発生中!




「ナポリを見て死ね」というほどの魅惑の都市ナポリ。

最近はゴミ問題で有名ですが、これほど猥雑でかつ歴史的でセクシーな街は、日本でいえば大阪かな。

ナポリの白黒のスナップ写真スライドショーと、ごちゃごちゃした路地裏の映像を見ていたら、ナポリにまた行きたいという欲望が湧いてきてたまらなくなりました。

20代の頃は、生命力に満ちたこの場所を、ぐんぐん歩いて楽しみましたが、こんどはどんな旅にするか妄想中!


チョイ悪どころじゃないぜ。この街は‥




勝間和代ムック本を読んでアマゾン「キンドル」欲しくなった。

勝間和代 ニュースの裏が読める思考のフレームワーク32/日経ヒ゛シ゛ネスアソシエ

¥880
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 勝間和代『ニュースの裏が読める思考のフレームワーク32』をコンビニで購入。

 相変わらずファッションセンスはゼロな感じだが、本人も意識している「美しく見せる」手法は磨きがかかっている。(お金もかかっている。)

 私として気になった中身は、

(1)アマゾンの電子書籍端末「KINDLE」はいいらしい
   洋書が、紙媒体だと20ドルのところ、9ドルくらいですぐにダウンロード
   辞書機能がついているのでその場で調べられる
   読み上げ機能もヒアリングの練習として使える

(2)勝間さん、ロードレーサー乗りながらイヤホンをやめた
   法規制がうるさくなったので、イヤホンをやめて、MP3を自転車にくくり
   つけて音声を流せるたいぷのものにしたらしい
   どんなものでしょう?

(3)勝間さん、新聞購読をしていない
   「Twitter」で朝日新聞、毎日新聞、47NEWS、ITmediaのヘッドライン
   を見るそうな
   それにしても、「Twitter」って未知の世界です
   オモシロいのでしょうか?

さよなら桜木町HIPHOPグラフィティー(その17):ロールスロイス“シルバーレイス”に乗る妖怪





  その妖怪は、ロールスロイス“シルバーレイス”を乗りつけて、探偵の事務所で待っていた。
 ロールスロイスに乗ってる妖怪なんてそういるものではない。それにロールスロイスは、桜木町の高架下の汚い事務所に存在するような代物ではないのだ。

 ともあれ、妖怪がシルバーレイスとは、少し気取り過ぎではないか?



wraith
wraith /réɪθ/
―【名】【C】
1a (人の死の直前[前後]に他人に見えるという) 生霊(いきりよう), 死霊.
b 亡霊,幽霊.
2 やせ細った人



 探偵にとって、ロールスロイス“シルバーレイス”とは、文学的な記憶でしか存在しなかった。
 古い探偵業の人間なら、常識として読んだことがあるはずの?レイモンドチャンドラー『長いお別れ』の冒頭でこの車は登場するのだ。


 私がはじめてテリー・レノックスに会ったとき、彼は<ダンサーズ>のテラスの前のロールスロイス“シルバーレイス”の中で酔いつぶれていた。駐車場から車を出してきた駐車係は、テリー・レノックスが左足を自分のものではないといったように車の外にぶらぶらさせているので、ドアを閉めることができなかった。顔は若々しく見えたが、髪は真っ白だった。眼つきで泥酔していることがわかるが、酒を飲んでいるというだけで、ほかにはとくに変わったところのないあたりまえの青年だった。金を使わせるために存在している店で金を使いすぎただけのことだった。

 彼の隣には若い娘が座っていた。赤い髪が美しく、唇にほのかな微笑をうかべて、ロールスロイスがふつうの自動車に見えそうな青いいたちの外套を肩にまとっていた。だが、じっさいにそう見えたわけではなかった。ロールスロイスはあくまでもロールスロイスだった。(訳:清水俊二)



 最後のロールスロイスのくだりを原文で確認してみると、


 The attendant was a girl beside him. Her hair was a lovely shade of dark red and she had a distant smile on her lips and over her shoulder she had a blue mink that almost made the Rolls-Royce look like just another automobile. It didn't quite. Nothing can.


 同乗の女は、億万長者ハーラン・ポッターの娘で、そのゴージャスなブルーミンクが、一瞬、ロールスロイスすら普通の車に見せてしまうと読者に思わせるやいなや、チャンドラーは、「なにものも、ロールスロイスを他の車のようにみせるなんて芸当は不可能なのだ」と否定してみせる。


 この部分は、最近、村上春樹が少し長めに訳し直した。


 かたわらに若い女がいた。暗い赤みのかかった美しい髪で、実のない微笑みを唇に浮かべ、肩にはブルー・ミンクのショールを掛けていた。ロールズロイスがそのへんのありきたりの車に見えてしまいそうなほど豪勢なショールだが、とはいえやはりロールズはロールズである。結局のところ、それがロールズロイスという車の意味なのだ。








 清水俊二訳の『長いお別れ』に慣れていた探偵は、村上春樹訳『ロング・グッドバイ』を読んで、光景の解像度が高くなったことに心動かされながら、多少、長めに水増しされたような感じも受けた。そもそも原作もそんなものだったかもしれないが。

 それにしても、女が唇に浮かべていたdistant smileというのは、どのような笑みだったのか‥
 清水訳でも村上訳でも訳しきれていないのではないか、などど不遜なことを考える。



distant
dis・tant /dstənt/→
―【形】 (more ~; most ~)
1a (距離的に)遠い,遠隔の 《★【類語】 distant は距離を明示して非常に遠方である; far は距離・時間・関係などが非常に離れている; remote は単に物理的な隔たりだけでなく心理的な距離感も表わす》.
用例
c 【A】 遠方から来た; 遠方へ行く.
用例
a distant journey 遠い旅.
d 〈目つきなど〉遠くを見るような,夢見るような.
用例
a distant look 遠くを見やるような目つき.
5 〈態度など〉隔てのある,敬遠する,よそよそしい.
用例
a distant manner よそよそしい態度.





 ロールズロイスに乗ってきた妖怪には同乗の女はいなかった。

 妖怪は、 “三吉鬼”だった。





長いお別れ (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 7-1))/レイモンド・チャンドラー

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ロング・グッドバイ (Raymond Chandler Collection)/レイモンド・チャンドラー

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浅田彰さん、相変わらずアグレッシブ!!いいね。




 80年代、そして90年代も頭がいい人っていうと、浅田彰と決まっていたのです。

 少なくとも自分としては‥こんな人が日本にいるのかという驚き。

 最近は表立って活動していないのが残念ですが、最近の映像を見ると、やはりクレバーかつ煽動的。

 「自分がゼロだということをまず認識しなさい。そして同時にすべてを求める。すべてを変革することを求める野心を持ちなさい。」というメッセージ。

 昔、「現状認識としては、絶望的。しかし同時に、行動としては楽観的。ポジティブ」みたいなことを言っていたのを思い出します。